解決事例
Solution
認定等級と示談内容
後遺障害認定申請により、運転者・同乗者共に14級9号の認定を受け、それぞれ約270万円の支払いを受けて解決に至った事例(50代 ご夫婦)
認定等級と内容
14級9号
局部に神経症状を残すもの
事例の概要と解決に至るまでの流れ
本件では、被害者ご夫婦が自動車に同乗していたところ、背後から相手方車両に追突され、ご夫婦双方が頚椎捻挫等の怪我を負いました。
お二人とも治療を開始しましたが、怪我のことや今後の賠償のことなど、わからないことが多く不安な毎日を過ごしておられました。
また、通っていた病院を変えたいと思っていましたが、転院によって適切な賠償が受けられなくなるのではないかが心配で踏み切れずにいました。
そこで、交通事故に遭われてから2週間たった時点で当事務所にご相談にみえました。
当事務所の弁護士は、被害者ご夫婦が感じている痛みの状態などから、後遺症が残る可能性があると考えました。
また、転院のことも含め、早期に相手方保険会社との調整を行う必要があったことから、ご依頼を受けました。
ご夫婦は早速転院し、約半年の間治療に専念し、半年たったところで症状固定となったため、自賠責保険に後遺障害認定申請を行ったところ、ご夫婦とも14級9号の認定を受けました。
認定された等級を元に交渉を重ね、ご夫婦それぞれが270万円の支払いを受けて解決しました。
解決のポイント
後遺障害とは、将来においても回復が見込めない状態となり(症状固定)、交通事故とその障害との間に因果関係があり(相当因果関係)、その障害が医学的に認められるものであり、労働能力の喪失(低下)を伴うもので、その程度が自賠責法施行令の等級に該当するもの、をさします。
したがって、後遺障害等級認定を受けるためには、まず回復が見込めない状況になるまで治療に専念しなければなりません。
そのためには、事故初期に継続的に病院に通い治療を受けることができる環境を整えることがまず第一歩ともいえます。
本件の被害者のように、転院が賠償面に与える影響について不安を感じる方は少なくありません。
転院の理由は、自宅もしくは職場から遠いなどの立地的な理由、医師との関係が築けないなど病院側とのミスマッチが生じている場合、専門医による専門的な治療を受ける必要が生じた場合など、多岐にわたるものがあります。
上記いずれの場合も、適切なタイミングであれば、転院によって上記の状況を好転させることができます。
とはいえ、転院のタイミングによっては、その後適切な賠償を受けることが難しくなってしまうことも生じるため、注意が必要です。
たとえば、後遺障害認定申請を行う場合、症状固定間近になってからの転院は避けた方がいいでしょう。
なぜならば、後遺障害認定申請に際して使用する後遺障害診断書の作成を誰がするのかという問題がおきるからです。
後遺障害診断書は、事故後から症状固定にいたるまでの自覚症状や治療の経過、今後の症状の見通しを記載する書類です。
途中で転院をしても、転院した後も一定期間通院し、主治医がある程被害者の症状の経過を把握できている場合は、後遺障害診断書の作成に応じてもらえることが多いです。
しかし、症状固定の直前に転院した場合は、これまでの治療経過がわからないことから、主治医から後遺障害診断書を作成することを断られてしまうケースもあります。
転院をする場合は、転院することでリスクがないか、場合によっては病院側に事前に確認をとりながら対応する必要があります。
後遺障害診断書は、適切な後遺障害等級の認定を受けるにあたって欠かすことができない書類です。
転院をお考えの方は、後遺障害診断書を作成してもらえるのか事前に調整を行ったうえで転院をし、後遺障害認定申請に備えることを強くお勧めします。
転院をお考えの方をはじめ、通院の仕方に不安がある方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。