解決事例
Solution
認定等級と示談内容
後遺障害認定申請により併合11級の認定を受け、2430万円の支払いで解決に至った事例(50代 男性)
事例の概要と解決に至るまでの流れ
本件では、被害者がバイクで走行中に相手方車両に巻き込まれ、肩鎖関節脱臼、頚椎捻挫、TFCC損傷、背部挫傷等の怪我を負いました。
約9か月にわたり治療を継続しましたが、手首の可動域の制限や、脱臼による肩関節の変形や痛み等の症状が根強く残っていました。
被害者はこれらの症状がこのまま後遺障害として残るのではないかと心配になり、今後の後遺障害認定申請や相手方保険会社との交渉を弁護士に依頼したいと当事務所にご相談にみえました。
当事務所が被害者から依頼を受けて自賠責保険に後遺障害認定申請を行った結果、TFCC損傷については上肢の機能障害で12級6号、肩鎖関節の脱臼については変形障害で12級8号が認められ、最終的に併合11級が認定されました。
認定された等級を元に粘り強く交渉を継続した結果、2430万円の支払いで解決に至りました。
解決のポイント
「TFCC」とは、「三角線維軟骨複合体(さんかくせんいなんこつふくごうたい)」という手首の小指側付近にある三角形の組織です。
手首の衝撃を吸収するクッションの役目を果たしています。
TFCC損傷が生じるのは、バイク等で転倒してとっさに手をついた時など、手首に負荷がかかった時です。
TFCC損傷の方は、手首を返す、ドアノブを捻るといった動作に困難を生じるようになってしまいます。
TFCC損傷で自賠責保険に後遺障害認定申請を行った場合、認められる可能性のある後遺障害等級は、生じている可動域制限の程度に応じて12級6号、10級10号、8級6号の各等級が認定されるケースと、痛みをはじめとする神経症状により14級9号、12級13号が認定されるケースの2種類があります。
手首に可動域制限が生じた場合は、その制限の程度によっては、神経症状により後遺障害が認定されるより高い等級が認められることになります。
ただし、後遺障害認定申請で可動域制限が認定されるためには、画像所見上損傷していることがわかる靱帯組織の役割と、受傷後制限が生じている運動の種類とで整合性がとれていることが求められるため、可動域制限が生じていればそれでただちに各等級が認定されるかというとそうではありません。
手首では、「返す」「捻る」といった他の関節にない多彩な運動を実現するための靱帯組織が多数あり、他の関節と比べて複雑な構造をしています。
そのため、後遺障害認定申請の際は、検査結果と画像所見との整合性を証明するために、適切な証拠収集を行う必要があります。
弁護士による適切な証拠収集が行われなかった場合、高い等級が認定されるはずの受傷であっても、それが認定結果に反映されないことになります。
本件の場合、被害者はTFCC損傷により手首の関節可動域が健側と比較して3/4以下に制限されていたため、TFCC損傷の部分については12級6号が認定されました。
なお、後遺障害等級は1事故につき1つまでしか認定されないため、今回のように後遺障害12級に該当する障害が2つ残存した場合は、等級がひとつ繰り上がり、併合11級という認定結果になります。
TFCC損傷で適切な等級が認定されるためには、後遺障害認定について適切な知識を有した弁護士に依頼することをお勧めします。
当事務所では、今まで多数のTFCC損傷の案件を取り扱ってきました。
その中で培ってきた知識や経験を元に、皆さんが適切な等級の認定を受けることができるよう、全力でサポートします。
是非一度ご相談ください。