解決事例
Solution
事例の概要と解決に至るまでの流れ
本件では、被害者が車で信号待ちのために停止していたところ、背後から相手方車両に追突され、頚椎捻挫などの怪我を負いました。
被害者は、医療機関で怪我の治療を受けていましたが、約半年経過した頃に保険会社からの治療費の前払い対応の打ち切りにあいました。
そして、被害者は痛み等の症状が残っていたにも関わらず、治療を終了してしました。
その後、保険会社から示談金の提示を受けましたが、示談金の金額に納得がいかず、当事務所に相談にみえました。
当事務所では、まず被害者の怪我の状況が後遺障害に該当する可能性が高いと判断したため、当事務所で自賠責保険に後遺障害認定を行い、14級9号の認定を受けました。
これを元に相手方保険会社と交渉し、当初保険会社が提示していた示談額から270万円増額した金額の支払いで解決しました。
解決のポイント
この方は相談を受けた時点で、通院を中断してから既に2か月が経過していました。
このようなケースはよくありますが、必要な治療を中断するのは症状の悪化が心配されますし、同時に適切な後遺障害の認定を受けることができなくなるリスクをともないます。
この方の場合、通院頻度や治療経過が後遺障害認定を受けることが可能な範囲内だったことが幸いしました。
もし通院期間が3か月程度である、あるいは半年以上通院していたとしても通院先が接骨院や整骨院のみであるなど通院期間中の治療内容が不十分だった場合は、治療を一度終了してしまうと因果関係に疑義が生じてしまい、後遺障害等級の認定を受けることが難しくなります。
よく相談者の中には、相手方保険会社による治療費の前払い対応が終了した以降は通院できないと思っている方がいますが、そのようなことはありません。
治療費は健康保険を利用した自己負担となってしまいますが、通院を継続することはできます。
また、自費で通った間の治療費についても、最終的な示談の際に治療に必要であった範囲については支払いを受けることができますし、もし裁判になった場合は裁判所が治療が必要な範囲の内だと判断すれば保険会社は支払います。
この他、労災等の各種保険で治療費を賄うことができることもあります。
治療終了や示談を自己判断で進めてしまうのではなく、なるべく早期に弁護士に相談することが、適切な賠償を受けるにあたって重要なポイントだといえます。