解決事例
Solution
認定等級と内容
併合7級
・8級1号
1眼が失明し、1眼の視力が0.02以下になったもの
・13級3号
1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
・9級10号
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
事例の概要と解決に至るまでの流れ
被害者(40代 男性)は歩行中、トラックにはねられ、脳挫傷や視神経管損傷等のけがを負いました。
けがが重傷であり、相手方保険会社とのやりとりに不安を感じた被害者のご家族は、本件事故後すぐに当事務所にご相談にみえました。
当事務所の弁護士が被害者の窓口となって相手方保険会社とやりとりを行い、被害者は治療に専念をしてもらいました。
長期間におよぶ治療の末、記銘力低下や視力低下等の後遺症が残りました。
当事務所の弁護士が医師の各種検査所見とともに後遺障害等級認定申請したところ、併合7級が等級認定されました。
認定結果を踏まえて、相手方保険会社と示談交渉を開始し、交渉の結果、被害者の納得のいく賠償金を獲得することができました。
解決のポイント
今回ポイントとなるのは、休業損害です。
休業損害とは、交通事故の被害者がけがをしたことにより、治癒日あるいは症状固定日までの期間、働くことができずに収入が減少することによる損害をいいます。
裁判所は事故前の収入を基礎として、受傷によって休業したことによる現実の収入減を損害として認めています。
また、現実の収入減がなくても、以下のようなケースが休業損害として相手方へ賠償を求めることができるとしています。
・有給休暇を使用した場合
・賞与の減額・不支給が発生した場合
・昇給・昇格の遅れが発生した場合
さらに、事故による受傷により就労そのものが継続できなくなることもあります。
そういったケースにおいて裁判所は、退職前の収入に応じた症状固定日までの日数を休業損害として認めていることもあります。
たとえば、交通事故により高次脳機能障害5級が認定されたケースで、事故後仕事に復帰することができず解雇され、症状固定日までの期間その他の就労も不可能であった方について、事故前の収入を基礎に症状固定日までの金額を認めたという裁判例があります。
本件において、被害者は、重症のため事故前の業務に復帰できず退職しました。
その後も、他の職業も含め就労することが困難な状況が続きました。
このことから、当事務所の弁護士は、症状固定日までの賠償期間が認められるべきであると考えました。
ところが、相手方保険会社は会社に在籍していないのだから退職後の休業損害は一切認めないと争ってきました。
そこで、当事務所の弁護士は、判例などの根拠を示し、粘り強く交渉を継続しました。
その結果、退職後の症状固定日までを休業期間として認めさせることができました。
このように、受傷による退職が生じている場合など、休業損害の算定は慎重な検討が必要となります。
そのため、被害者の方ご自身が対応するよりも、一度専門家に相談した方が良い解決を迎えられることが少なくありません。
交通事故で受傷したけがによって退職を余儀なくされた被害者の方、そのご家族の方はお早めに弁護士にご相談することをおすすめします。