交通事故のむちうちで腰痛が発生したら?請求できる金額について

「むちうちで腰痛が発生したらどうしたらいいのか」
「むちうちで腰痛になったら何を請求できるのか」

交通事故の被害に遭ってむちうちによる腰痛に悩まされている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、むちうちで腰痛が発生したときにすべきことや請求できる費用、治療後の流れについてご紹介します。

1.むちうちで腰痛の症状がでたときにすべきこと

むちうちとは、骨折や脱臼のない軟部支持組織の損傷をいいます。

「むちうち」は正式な診断名ではありません。

正式な診断名としては、頚椎捻挫、腰椎捻挫等があります。

捻挫は交通事故によって生じやすい傷病です。

車を運転している方は首や腰が多いですが、バイクや自転車を運転している肩の場合は首・腰のほかにも手首や足首の捻挫というのも多くみられます。

腰椎捻挫で生じる主な症状は、腰の痛みや脚のシビレです。

交通事故にあった直後に症状は特になかったとしても、後々痛みが生じるという方も少なくありません。

事故後痛みを感じたら早いうちに病院にかかることをおすすめします。

むちうちで通院をした方がいい理由には2つの側面があります。

1つは、むちうちにも治療が必要だからです。

むちうちはスポーツなどでも生じることから、私たちにとっては身近な怪我です。

そのため、病院に行かなくてもいいのではないかと甘くみてしまう方も中にはいらっしゃいます。

しかし、交通事故で生じるむちうちは、後遺障害となる可能性もある怪我です。

実際に、交通事故の被害に遭ってから長くむちうちの神経症状に悩む方も少なくありません。

後遺症となる可能性も見据えて、むちうちだと甘く見ないで適切な治療を受けることをおすすめします。

もう1つは、交通事故の賠償問題としての側面からです。

交通事故に起因する怪我だといえるためには、交通事故から一連・継続して症状があるといえる必要があります。

そのため、交通事故から初回の通院までに期間があいてしまったり、途中で通院が途切れてしまうと、交通事故との因果関係や賠償の必要性が客観的にわからなくなってしまいます。

適切な賠償を受けるためも、症状があるうちは定期的に治療を継続することをおすすめします。

2.腰にむちうちが生じたときに請求できる賠償金

過失割合が8対2のときの示談金の相場・計算方法

腰のむちうちによって請求できる項目についてご紹介します。

主に以下の費用を請求することが可能です。

請求できる費用

  1. 治療費等
  2. 通院交通費
  3. 休業損害
  4. 入通院慰謝料
  5. 後遺障害慰謝料
  6. 逸失利益

示談交渉に備えて、どのような項目で損害賠償を請求できるのか確認しておきましょう。

(1)治療費等

交通事故が原因で生じた怪我にかかる入院や通院の治療費や調剤費は相手方に請求することができます。

このほか、医師が必要と認めるならば、整骨院や接骨院などの施術費についても相手方に請求できることがあります。

(2)通院交通費

入院や通院のためにかかった交通費は相手方に請求することができます。

たとえば、電車やバスなどの公共交通機関を利用している場合はその実費を、自家用車の場合はガソリン代を1㎞あたり15円で計算して請求することになります。

怪我の状態や病院等へのアクセスによってはタクシー代を請求できることがあります。

しかし、タクシーの利用をめぐっては後々相手方保険会社との間で争いになることがあるため気をつけなければなりません。

(3)休業損害

休業損害とは交通事故の怪我によって休業等が生じ、それによって生じた減収などの損害のことを指します。

休業損害については会社員などの給与所得者だけでなく、自営業の方、パート・アルバイトの方、家事従事者(主婦・主夫)の方も請求することができます。

(4)入通院慰謝料

入通院慰謝料は、交通事故の怪我によって生じた精神的苦痛に対する賠償です。

精神的苦痛はその被害者にしかわからないものです。

客観的に評価する方法として入院や通院をどの程度していたかをもとに算定する方法がとられています。

したがって、どれだけ怪我で辛い思いをしていたとしても、全く通院をしていなければ慰謝料を請求できないことになってしまいます。

交通事故に遭った方の中には周りに迷惑をかけられないと通院を疎かにしてしまう方もいらっしゃいます。

こういった方は残念ながら満足な慰謝料を得ることができなくなってしまいます。

賠償のことを考えると、医師の指示に従いきちんと通院していただくことをおすすめします。

(5)後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、後遺障害を負った精神的苦痛に対する賠償です。

加害者側の自賠責保険へ後遺障害申請を行い、後遺障害等級の認定を受けることによって請求できるようになります。

腰椎捻挫で後遺症が残った場合に認められる可能性がある等級は、14級9号か12級13号です。

後遺障害等級認定申請では、残った後遺症が認定基準を満たしているかの審査がされるため、基準を満たしていることがわかるように後遺障害診断書などを作成する必要があります。

怪我の治療は医師の領域ですが、後遺障害等級認定申請にあたっては弁護士の領域ともいえます。

後遺症が残ってしまい後遺障害等級認定を受けたいとお考えの方は、まず弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

以下の記事で具体的な手続方法についてまとめているので、そちらもあわせてご確認ください。

後遺障害14級の認定を受けるメリットとは?認定基準と申請方法

(6)逸失利益

逸失利益とは、交通事故により後遺障害が残ったことで労働能力が低下し、本来得るはずだった収入が得られなかった損害に対する賠償のことをいいます。

逸失利益の計算方法は、
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
によって求めることができます。

算定方法は決まっているものの、実態として逸失利益は生じているのかや、基礎収入は何を基準とするのか、労働能力喪失率は後遺障害等級に対応したもので相当なのか、労働能力喪失期間は何年とするのかなど、相手方保険会社との間で争いが生じやすい項目となります。

そのため、算定や請求にあたっては弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

3.示談交渉の3つの注意点

治療や後遺障害の手続がひと段落すると、相手方保険会社は示談金を算出して提示してきます。

示談は一度成立すると容易には覆すことができません。

その場で応じるのではなく一旦弁護士に相談することをおすすめします。

示談交渉は弁護士が対応することによって増額する可能性が高いです。

その理由は、示談金計算の基準にあります。

交通事故の示談金算出の基準は3種類あります。

1つは自賠責基準といい、自賠責保険が支払い時に用いている基準で最低限の補償となります。

2つ目の任意保険基準は、対外的には公表されていないものの自賠責基準に近い金額だとされています。

3つ目は裁判基準で、裁判で損害賠償請求を行う場合に用いる基準です。3つの基準の中では最も高い金額が算出できます。

弁護士は裁判基準を用いて示談交渉を行うため、相手方保険会社から提示された示談金の金額よりも増額を図れることが多いのです。

交通事故被害者の方は、身体的にも経済的にも辛い思いをされている方が少なくありません。

少しでも被害を回復するためにも適切な賠償を受けることは不可欠です。示談に応じる前にまずは弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

なお、以下の記事で示談交渉を弁護士に依頼するメリットについて詳しくまとめているので、弁護士に相談するか迷っている方は参考にしてみてください。

交通事故の慰謝料の弁護士基準とは?交渉を弁護士に依頼する三つのメリット

まとめ

交通事故で腰のむちうちになったときの相手方に請求できる内容と、示談交渉時の注意点についてご紹介しました。

腰のむちうちになった場合に相手方に請求できる項目は、治療費・通院交通費・休業損害・入通院慰謝料などがあります。

さらに、後遺障害等級を獲得した場合は、後遺障害慰謝料や逸失利益などの項目も請求することができます。

むちうちによって腰痛が発生したら、まずは病院にかかりましょう。

示談交渉の際、相手方保険会社が提示してくる示談金の金額はその保険会社の基準であり、裁判所の基準で計算し直すことで増額をはかることができる可能性が高いです。

適切な賠償を獲得したいとお考えの方は、弁護士に相談いただくことをおすすめします。

弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、むちうちによる症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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