交通事故でむちうちの平均的な治療期間は?治療が長引く場合の対処法

むちうちの平均的な治療期間は?治療が長引くとどうなるのか解説

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

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「むちうちの治療期間はどれくらいかかる?」
「むちうちの治療が長引いている気がするけれど大丈夫?」

交通事故でむちうちの怪我を負い治療をしていると、むちうちの平均的な治療期間はどれくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、むちうちの完治までにかかる平均的な治療期間、治療が長引いた時にはどうすればよいのかなどをご説明します。

1.交通事故によるむちうちの平均的な治療期間

交通事故によるむちうちの平均的な治療期間

交通事故でむちうちの怪我を負った場合、治療にかかる平均期間は2~3か月です。

なお、事故の大きさや怪我の症状などによっては治療が長引き、6か月ほどかかる場合もあります。

(1)軽いむちうちなら治療期間が短く済む

交通事故による衝撃が少なく、軽いむちうちで済んだ場合は治療期間が短く済む可能性があります。

軽傷であれば、1か月程の治療で完治する場合もあるでしょう。

しかし、痛みがなくなったとしても、自分の判断で通院を終了することはお勧めできません。

むちうちの痛みがなくなったと思っても筋肉の内部の損傷が治りきっておらず、再び炎症を起こしてしまうケースがあります。

また、気圧の変化などで頭痛やめまいといった症状が出てくる可能性もあります。

そのため、自分で軽傷だと思った場合でも、通院を終了するタイミングについては、医師に相談することをお勧めいたします。

(2)むちうちの治療は通院頻度も重要

むちうちの治療期間の平均的な目安は2~3か月ですが、さらに治療期間が長引くケースもあります。

むちうちの場合、週に2~3回通院することがあり、事故の直後や症状が重い場合は、毎日もしくは2日に1回の電気治療を推奨されることもあるでしょう。

通院が面倒だと感じても、しっかり治療をしなければ症状が改善しないばかりか、悪化してしまう可能性もあります。

また、通院頻度は加害者側へ請求する損害賠償金に影響を及ぼします。

万が一むちうちが後遺症として残った場合、後遺障害等級認定の申請をして認められれば、後遺障害に対する賠償金を加害者側へ請求できます。

仕事などで忙しいと週に何回も通院することは難しいでしょうが、むちうちを早期に改善し、適正な賠償金を受け取るためには医師から推奨された通院頻度を守ることが大切です。

2.むちうちの治療期間が長引くことによる影響

むちうちの治療期間が長引くとどうなるのか

むちうちの治療期間は長いと6か月程になりますが、それでも症状が改善しないこともあります。

治療が長引くと、どのような影響があるのか気になる方もいるでしょう。

むちうちの治療が長引くと、以下2つの対応を取られる可能性があります。

  • 医師から「症状固定」と診断される
  • 加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診される

それぞれの詳細について説明していきます。

(1)医師から「症状固定」と診断される

むちうちの治療が長引くと、医師から「症状固定」の診断をされることがあります。

「症状固定」とは、これ以上治療を続けても症状が改善しないと判断された状態です。

むちうちの場合、治療開始から「症状固定」の診断を受けるまでの期間は、3か月から半年程度となることが多いでしょう。

「症状固定」と診断されたら、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらい、後遺障害等級認定の申請を行うのが一般的です。

後遺障害等級認定の申請をして認定されれば、加害者側に残存する後遺症に対する損害賠償請求ができます。

交通事故でむちうちが後遺症として残った場合の後遺障害等級認定について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

交通事故による後遺症が残ったら?後遺障害等級の認定について解説

なお、「症状固定」と診断されると基本的には治療が終了となるのですが、本人が希望すれば通院は継続できます。

(2)保険会社から治療費の打ち切りを打診される

むちうちの治療が長引き「症状固定」と診断されると、加害者側の保険会社は治療費の支払いを終了します。

しかし、医師から「症状固定」の診断をされていなくても、治療期間が長くなると治療費の打ち切りを打診されることがあります。

むちうちの場合、治療期間が3か月を過ぎたあたりで、加害者側の保険会社が治療費の打ち切りを打診してくることが多いです。

しかし、その段階でまだ治療が必要な状況であれば、治療費を打ち切られるとその後は自身で治療費を負担しなければなりません。

治療費の打ち切りを打診されても、まだ治療が必要ならば、その理由と治療終了の目途を保険会社に伝えることが大切です。

保険会社を説得するためにも、先ほど述べた通院頻度は重要なポイントになります。

3.弁護士に相談するべき3つの理由

交通事故によるむちうちは弁護士に相談するべき理由

むちうちの怪我はレントゲンなどの画像に映りにくく、外観的所見に乏しいことから、加害者側との交渉が難航するケースもあります。

そのため、交通事故でむちうちの怪我を負った場合は、弁護士への相談をおすすめします。

弁護士に任せれば、交渉が進みやすくなるだけでなく、損害賠償金が増えたり、後遺障害等級認定の申請の手間が省けたりするなどのメリットがあります。

(1)保険会社との交渉がスムーズに進みやすい

交通事故の被害に遭うと加害者側と示談交渉をしたり、治療費打ち切り打診の時に延長の交渉をしたりする必要が出てきます。

そのような場合、被害者本人が交渉をしても不利になったり、精神的な負担が大きくなったりするでしょう。

しかし、弁護士に任せていれば加害者側との交渉もすべて引き受けてくれるので、安心して治療に専念できます。

(2)受け取れる損害賠償金が増える可能性がある

交通事故でむちうちの怪我を負うと、加害者側に慰謝料の請求ができます。

交通事故の慰謝料における算定基準には、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準の三つがあります。

このなかでもっとも慰謝料額が多いとされるのが弁護士基準です。弁護士に依頼すれば弁護士基準で交渉を進めてくれるので、受け取れる損害賠償金が増額する期待ができます。

弁護士基準の詳細や慰謝料の相場を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

交通事故の慰謝料における弁護士基準とは?請求方法も解説

(3)後遺障害等級認定の申請を一任できる

むちうちが後遺症として残った場合、後遺障害等級認定の申請をすることになりますが、自身で手続を行うのは手間がかかります。

後遺症の症状があるなかで、申請の方法を調べ、必要な書類を収集するのは想像しただけでも大変です。

面倒になり、申請をためらう可能性もあるでしょう。

しかし、弁護士に依頼していれば後遺障害等級認定の申請を代行してくれるので、とても楽になります。

まとめ

交通事故によるむちうちの怪我の治療期間は、平均2~3か月となります。怪我の程度によっては、早まったり長引いたりすると理解しておきましょう。

なお、軽いむちうちで早期に治療が完了した場合でも、保険金目当てで通院を続けてはいけません。

逆に長引いた場合は、後遺障害等級認定の申請が必要になる可能性があります。

むちうちは自覚症状があっても客観的にどのような症状があるのか判断が難しい怪我なので、加害者側と揉めるケースもあります。

精神的および金銭的な不安を抱えないためには、まず弁護士に相談することをおすすめします。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

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