むちうちの治療費の支払いを3か月で打ち切ると言われたら?対処方法を弁護士が解説

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

この記事の内容を動画で解説しております。

あわせてご視聴いただければと思います。

「交通事故によるむちうちの治療費は3か月までしか補償してもらえないのは本当?」
「治療費の打ち切りをされないための対処法について知りたい」

交通事故が原因でむちうちになってしまい、治療を続けられている方の中にはこのような不安や疑問をお持ちの方もいるかと思います。

むちうちは、診断名としては頸椎捻挫や頸椎挫傷などとされ、交通事故による怪我の中でも最も多く発生する傷病です。

交通事故による怪我の治療費については、加害者が任意保険に加入している場合、その保険会社が一括支払対応を行うことが一般的です。

しかし、治療を続けていると、いずれは保険会社から治療費の一括支払対応の打ち切りを打診されます。

これに安易に応じてしまうと、受け取ることができる慰謝料の金額や後遺障害等級の認定に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に返事をする必要があります。

この記事では、治療費の打ち切りを提案された際の対処法などについて解説します。

なお、むちうちが起こりやすい事故態様やむちうちの主な症状については、以下の記事が参考になります。

2024.01.31

交通事故によるむちうちの神経症状とは?弁護士が法的対応を解説!

1.保険会社が治療費の一括支払対応を3か月で打ち切る理由

交通事故による怪我の治療費は、基本的には加害者側の保険会社が医療機関に直接支払いを行ってくれます。これを一括払いといいます。

しかし、治療開始から3か月ほど経過すると、保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがあります。

主な理由としては、以下のものが挙げられます。

3か月でむちうちの治療費の一括支払対応が打ち切られてしまう主な理由

  1. むちうちの平均的な治療期間は3か月程度であるため
  2. 支払う慰謝料を低額で抑えようとするため

順にご説明します。

(1)むちうちの平均的な治療期間は3か月程度であるため

むちうちの治癒にかかる期間は、平均で3か月程度といわれています。

一般的に、むちうち症は交通事故による怪我の中でも、比較的軽症であるといわれているため、3か月程度の治療で症状固定に至るケースが多くなります。

そのため、むちうちと診断されてから3か月が経過すると、保険会社は症状固定を理由に治療費の打ち切りを打診してくることがあります。

このとき保険会社は過去の事例を持ち出して、治療の終了時期について言及することがあります。

もっとも、症状の程度によっては、3か月以上6か月程度にわたって治療を行う必要があるケースもあるので、一律3か月で終了しなければならないわけではありません。

そのため、主治医の指示で今後も治療が必要であるということを保険会社に伝えるようにしましょう。

治療は医師の指示のもと進められる必要がありますので、保険会社の提案には安易に応じないようにすることが重要です。

むちうちと治療期間の関係については、以下の記事も合わせてご参照ください。

2022.03.30

交通事故でむちうちの平均的な治療期間は?治療が長引く場合の対処法

(2)支払う慰謝料を低額で抑えようとするため

交通事故の賠償金には、慰謝料も含まれています。

このうち、怪我を負ったことによる精神的苦痛に対する補償である傷害(入通院)慰謝料は、入院・通院期間や日数に基づいて算定されます。

そのため、治療期間が長ければ長いほど、慰謝料の金額も高額になります。

被害者が治療を終了すると、その時点で症状固定となり、保険会社が支払うべき賠償金額が決定します。

治療期間が短くなれば、その分傷害(入通院)慰謝料の金額は減るので、保険会社は早めに治療費の打ち切りを提案してくるのです。

傷害(入通院)慰謝料の算定基準や算定方法については、以下の記事もご覧ください。

2022.03.28

むちうちで3か月通院したときに請求できる慰謝料とは?

2.治療費の打ち切りを防ぐためのポイント

治療費の一括支払対応は保険会社が任意で行うものであるため、一度打ち切られてしまうと、これを再開させることはできません。

もっとも、早期に一括支払対応を打ち切られないための対策はいくつか考えられます。

具体的には、以下の3つのポイントに注意しましょう。

治療費の打ち切りを防ぐためのポイント

  1. 自己判断で治療をやめない
  2. 適切な頻度で通院・治療を行う
  3. 自己判断で整骨院や接骨院に通わない

それぞれ解説します。

(1)自己判断で治療をやめない

治療をやめてしまうと、その時点で治療は終了したと判断され、症状固定となります。

これは、主治医の判断による治療終了ではないため、仮に痛みや痺れなどの症状が残存していたとしても、後遺障害等級の認定を受けられないなどの不利益を被る可能性があります。

後遺障害等級は、治療が終了した時点で症状が改善せずに残っていることが認定要件の1つです。

治療を途中でやめてしまうと、症状固定の判断が正しく行えず、後遺障害等級認定を受けられない可能性があります。

症状固定の意義については、以下の記事で詳しく解説しています。

2024.11.06

症状固定とは?基本概念や注意点、その後の法的対応について弁護士が解説

むちうちと症状固定の時期の関係や後遺障害等級の認定申請については、以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

2024.04.25

交通事故によるむちうちの症状固定とは?その後の対応も解説

(2)適切な頻度で通院・治療を行う

治療費の一括支払対応を打ち切られないためには、適切な頻度で通院することが大切です。

具体的には、週に2~3回程度通院しながら治療を行うことが望ましいです。

もしも通院頻度が少なすぎると、保険会社に怪我の程度が軽いと判断される可能性があります。

反対に、通院頻度が多すぎると過剰診療を疑われ、治療費を打ち切られるリスクがあります。

通院する際は、医師の指示に従い、適切な期間・頻度で治療を行いましょう。

むちうちの治療のポイントについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひご参照ください。

2022.03.29

交通事故でのむちうちの適切な通院頻度は?むちうち治療の注意点

(3)自己判断で整骨院や接骨院に通わない

治療費の一括支払対応は、医療機関での治療に要した費用が対象となるのが原則です。

整骨院や接骨院は医療機関ではないため、施術費用については治療費と認められず、保険会社に費用を請求できない可能性があります。

ただし、医師が整骨院や接骨院に通うことを許可した場合には、施術費用の支払いを受けられることが多いです。

そのため、整骨院や接骨院で施術を受けたい場合には、医師に許可をとり、かつ、加害者側の保険会社にも伝えた上で通うようにしましょう。

また、医師から整骨院や接骨院に通う許可を受けたとしても、少なくとも月に1回以上はかかりつけの整形外科を受診することが重要です。

整形外科と併せて通うことで、施術内容が治療の一環であることを保険会社に対して証明しやすくなります。

整骨院や接骨院で施術を受ける際の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

2022.09.30

交通事故の怪我で整骨院へ行く際の注意点とは?弁護士が解説!

3.治療費の打ち切りを提案されたときの対処法

治療費の打ち切りを提案された際は、すぐに応じないようにしましょう。

一度応じてしまうと、再度治療費を支払ってもらうことはできません。

治療費を打ち切ると言われた場合、以下のように対応してみましょう。

治療費の打ち切りを提案された場合の対処法

  1. 弁護士に相談する
  2. 保険会社に一括支払対応の延長を交渉する
  3. 健康保険を利用して通院を継続する

順にご説明します。

(1)弁護士に相談する

相手方の保険会社に治療費の打ち切りを提案された場合には、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談することで、以下のようなメリットを享受できます。

弁護士に相談する主なメリット

  • 今後とるべき行動についてアドバイスを受けられる
  • 代わりに一括対応の延長交渉をしてもらえる
  • 保険会社との交渉を一任できる

さらに、後遺障害等級の認定申請を行う場合や示談交渉の場面においても、弁護士は被害者の代理人として手続を行うことが可能です。

弁護士に依頼することで、賠償金の金額を増額できるケースも多数あり、治療費の打ち切りだけではなく幅広い問題への対処を依頼することができます。

治療費の打ち切りをはじめとする交通事故問題には、専門知識や実務経験が求められます。

保険会社から打ち切りを提案されたときは、まずは弁護士に相談してみましょう。

むちうちについて弁護士に相談するメリットや相談すべきケースなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

2023.03.01

むちうちになったら弁護士に相談した方が良い?そのメリットとは

(2)保険会社に一括支払対応の延長を交渉する

保険会社と交渉することで、一括支払対応を延長してもらえるケースがあります。

交渉を行う際には、医師に意見書を作成してもらうことも検討しましょう。

まだ症状固定の時期でないことや今後も治療が必要であることを証明できる根拠を提示することで、交渉をスムーズに行えます。

また、弁護士に早期に相談することで、打ち切りの阻止に向けたアドバイスやサポートを受けることが可能です。

(3)健康保険を利用して通院を継続する

保険会社との交渉がうまくいかず、治療費の一括支払対応を打ち切られたとしても、医師が治療の継続が必要と判断しているならば、健康保険を利用して治療を継続することも考えられます。

ただし、健康保険を利用して通院することになるため、治療費が自費となる点には注意が必要です。

もっとも、交通事故による怪我の治療で健康保険を利用する場合、第三者行為による傷病届の提出が必要ですが、自己負担額を抑えられるというメリットがあります。

また、打ち切り後の自己負担した治療費は、治療の必要性・相当性を証明することができれば、最終的に示談交渉において保険会社に請求し、受け取ることができます。

自己負担した治療費を保険会社に請求する場合には、医療機関が発行した治療費の領収書の原本が必要となるため、示談交渉まで大切に保管しておきましょう。

健康保険を利用して治療を続ける際の注意点やポイントについては、以下の記事において解説しています。

2022.09.30

交通事故の治療で健康保険は使える?健康保険を使うメリットとは

まとめ

本記事では、むちうちの治療費の一括支払対応の打ち切りを防ぐためのポイントや打ち切りを提案された場合の対処法などについて解説しました。

保険会社からの打ち切りの提案に応じてしまうと、最終的に受け取ることができる示談金が減少してしまうなど、様々なデメリットがあります。

そのため、治療費の打ち切りを提案された場合には安易に応じず、まずは弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人みずきは、これまでに数多くの交通事故問題を解決しました。

ご相談者さまひとり一人の状況を親身にお伺いしましので、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。