むちうちが後遺症とはどんな症状?残った場合の対処法について
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あわせてご視聴いただければと思います。
「交通事故に遭いむちうちになってしまった」
「治療しているのにむちうちがなかなか治らない」
交通事故による怪我の中で、むちうちは高い割合を占めています。
しかし、治療をしてもなかなか改善せず、症状が残ってしまうケースも少なくありません。
今回は、むちうちが後遺症として残った場合にどのように対処するべきかご説明します。
1.むちうちの後遺症とは
もっとも「むちうち」とは通称名で、正式な診断名ではありません。
正式な診断名としては、頚椎捻挫、外傷性頚部症候群等が付されることがあります。
むちうちは、事故の衝撃によって頭が大きく揺さぶられて首や腰に強い負担がかかることで引き起こされます。
首や腰には筋肉や神経などさまざまな体の組織が集中していることから、筋肉や神経に異常が生じるのです。
事故直後から症状が出る場合もありますが、2~3日経ってから出ることもあるため注意が必要です。
では、むちうちによる後遺症にはどのような症状があるのかをご説明します。
(1)痛みが残る
むちうちによる後遺症として、神経症状としての痛みが残ることがあります。
#1:外傷による痛みと神経症状の違い
神経症状とは、神経系の一部または全体が侵された結果起こる症状のことをいいます。
神経症状による痛みの場合、直接打撲や捻挫を受傷した部位以外の箇所に症状が出る場合があります。
#2:後遺障害に当たりうる痛み
痛みには、どのような場合に痛むのかによって以下の3種類に分けられます。
・可動痛(関節を動かしたときに痛む)
・運動痛(動かしたときに痛む)
・常時疼痛(動かさなくても常に痛む)
後遺障害にあたるかどうかは、常時残存している症状が継続しているといえることが重要です。
そのため、気圧が低い日は痛むとか、暖かいと痛まない、といったように、天候や気温によって症状が出たりでなかったりするものは、後遺障害と認定されない可能性が高いです。
(2)しびれが残る
むちうちにより特に神経を痛めた場合などに、腕や足等にしびれが生じることもあります。
これは、神経が圧迫されることによって生じる症状であることが多いといわれています。
すなわち、事故による衝撃でずれた椎間板などが脊柱から全身にのびる神経の根元を圧迫したり刺激したりして、しびれが残るのです。
損傷を受けた身体の箇所により、一日のうちで午後から夕方にかけて強くなるのか、一日中変わらない強さでしびれているのかが変わります(神経の根元が損傷しているのか、それとも筋肉等他の箇所が損傷しているのか)。
そこで、ご自身の体のどの部分が、いつどのようにしびれているのかを、できるだけ詳細に医師に伝えることが大切です。
むちうちによるしびれは、次のように生じることが考えられます。
・手指(両手、片手、中指だけ等特定の指のみ)が常時しびれている
・足(両足、片足、母指だけ等特定の指のみ)が常時しびれている
・足がしびれて歩きずらい(足がもつれる、足を引きずる)
・首を後方に曲げると手指や足がしびれる
2.むちうちが後遺症として残った場合の対応
もしむちうちが後遺症として残った場合、どうすれば良いのでしょうか。
対応方法について3つご説明します。
(1)後遺障害等級認定を申請する
むちうちの症状が後遺症として残った場合は、後遺障害等級認定の申請を検討しましょう。
後遺障害等級認定とは、交通事故による怪我が後遺症となってしまった場合にそれが賠償を要する「後遺障害」であることを認定してもらう制度です。
後遺障害等級には、怪我の程度や症状によって14の等級があります。むちうちの場合は、第14級9号、第12級13号、非該当のいずれかになります。むちうちの症状により後遺障害等級が認定されることは、簡単なことではありません。
後遺障害等級認定申請では、MRI画像などの客観的資料に基づいて等級が判断されるところ、むちうちの場合、辛い神経症状が生じていたとしてもレントゲンやMRI画像上で異常所見が確認できることはそう多くありません。
神経学的検査、ご本人の自覚症状、通院頻度などの情報も踏まえて判断していくことになります。
そのため、それらのポイントを盛り込んだ後遺障害診断書を作成する必要があります。
ご自身で申請を進めることに不安を感じたら、まずは弁護士に相談しましょう。
弁護士法人みずきでは、交通事故の相談を無料で承っています。
どうぞご利用ください。
(2)後遺障害慰謝料・逸失利益を請求する
後遺障害等級が認定されると、治療費や通院交通費、入通院慰謝料に加え、後遺傷害慰謝料及び逸失利益を加害者に請求することができます。
後遺傷害慰謝料とは、交通事故が原因で後遺障害を負ったことによって生じた精神的苦痛に対する慰謝料です。
また、逸失利益とは、交通事故により後遺障害が残ったことで労働能力が低下し、本来得るはずだった収入が得られなかった損害のことをいいます。
逸失利益は、後遺障害が認められた場合、症状固定時以降の将来の収入が減少するものとして支払われます。
(3)弁護士に依頼し交渉を進める
むちうちが後遺症として残った場合は、弁護士に依頼して交渉を進めましょう。
交通事故の慰謝料の算出方法には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があります。
自賠責基準とは、自賠責保険で用いられている算出方法です。
必要最低限の補償を目的としているため、慰謝料の金額は3つの基準の中で最も低額となります。
任意保険基準は、任意保険会社が独自に定めている算出方法です。
その基準は公開されていませんが、自賠責保険と同程度かやや高めに設定されているといわれています。
弁護士基準は、過去の判例をもとに設定された基準で、慰謝料の金額は3つの中で最も高額となる傾向があります。
後遺障害慰謝料の相場は、以下のとおりです。
この表の左側の自賠責基準とは、自賠責保険で用いられている算定基準のことです。
そして表の右側の弁護士基準とは、過去の判例をもとに設定された基準のことです。
この表では、どちらの基準で慰謝料を算定するかにより、金額が大きく異なることが分かります。
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
12級13号 | 94万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
弁護士に依頼せず、被害者がご自身で弁護士基準の慰謝料を請求することは可能です。
しかしこの場合、加害者側の任意保険会社が弁護士基準での交渉を受け付けないケースも多いといわれています。
また、弁護士に依頼することにより交渉を一任できますので、怪我の治療に専念できるというメリットもあります。
そのため、交渉は弁護士に依頼することをお勧めします。
3.むちうちで後遺障害等級認定を受けるためには
むちうちで後遺障害等級認定を受けるためには、いくつかポイントがあります。
4つのポイントについてご説明しますので、後遺障害認定を検討している方のご参考になれば幸いです。
(1)事故後すみやかに病院を受診する
交通事故で怪我を負ったら、すぐに病院を受診しましょう。
事故から初診までに時間があいた場合、通院しなかったことによって症状が悪化したのではないか、実は痛み等の症状がないから通院の必要性がなかったのではないか、との疑いが生じ得ます。
このような疑いがあると、事故と症状との因果関係が認められなくなり、結果として治療費や慰謝料等の請求が認められなくなる可能性が生じるのです。
(2)後遺障害認定を受ける
後遺障害認定の申請にあたり注意点するべき点は、申請方法です。
後遺障害等級認定の申請方法には、事前認定と被害者請求の2つの方法があります。
事前認定とは、加害者が加入する任意保険会社が、後遺障害等級認定の申請手続をする方法です。
申請の際に必要な資料収集をすべて保険会社に任せられますが、資料を自分で選べないため被害者に有利になる証拠を提出できないデメリットがあります。
被害者請求とは、後遺障害等級認定の申請を被害者自身が行う方法です。
申請に必要な準備をすべて被害者側で行う必要がありますが、認定申請にあたって被害者に有利な証拠を提出できるというメリットがあります。
ご自身が納得できるような十分な資料に基づき等級を認定してもらうためには、被害者請求の方法で申請することをお勧めします。
(3)弁護士に相談する
後遺障害等級認定の申請をご検討されている場合は、弁護士に相談をしてみましょう。
(2)では、後遺障害等級認定を申請する際は被害者請求の方法で手続をすることで被害者に有利な証拠を提出できるとご説明しました。
しかし、交通事故に遭い怪我を負った状態ですべての準備をご自身で行うことは、身体的にも精神的にも負担がかかります。
さらに、必要な資料の見極めや書類の記入方法などには専門知識が必要になります。
そこで、資料の収集から書類の準備までを弁護士に一貫して任せることにより、被害者の負担を最小限に抑えることができるのです。
(4)認定結果に納得がいかない場合は異議申立を行う
後遺障害等級認定の結果に納得がいかなかったとしても、認定結果に受傷が適切に評価されていないのであれば諦める必要はありません。
後遺障害等級認定では、異議申立てをすることも可能です。
その際には異議申立書の他にMRI画像や医師の意見書などを被害者側で準備する必要があります。
弁護士に依頼することで手続を一貫して任せられるほか、必要な書類を的確に収集してもらえるため認定される可能性が高まりますので、異議申立する場合も弁護士に相談してみましょう。
まとめ
今回は、むちうちが後遺症として残ってしまった場合の対処方法についてご説明しました。
むちうちは軽視されることもある怪我ですが、日常生活に支障をもたらします。
むちうちが完治せずお悩みの方は、後遺障害等級が認められる可能性もありますので、一人で悩まずにまずは弁護士に相談をしてみましょう。
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