交通事故後に記憶障害が現れたら?主な症状と適切な対応について解説!
「交通事故が原因で記憶障害が起こるのか」
「交通事故によって記憶障害が発生したらどうしたらいいのか」
交通事故の被害に遭われた方の中には、記憶障害が生じて悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、交通事故と記憶障害の関係性や記憶障害が現れたときにすべきことなどをご紹介します。
1.交通事故と記憶障害の関係性
交通事故が原因で記憶障害が発生することはあります。
事故によって頭部に強い衝撃が加わると、脳が損傷して高次脳機能障害になることがあるのです。
高次脳機能障害とは、知覚や記憶、思考、感情などをつかさどる脳の機能に障害が生じている状態のことで、交通事故の被害で多く見受けられます。
新しいことを覚えられない、事故前のことが思い出せないといった症状が出るようになり、部分的に覚えているケースもあれば、ほぼ全ての記憶が失われるケースなど幅広いです。
2.高次脳機能障害の記憶障害の具体例
高次脳機能障害の記憶障害の具体例をご紹介します。
主に以下の3つに分類されることが多いです。
- 前向性健忘
- 逆行性健忘
- 全健忘
これらの症状に該当している方は、高次脳機能障害を疑うようにしましょう。
(1)前向性健忘
前向性健忘は、事故以前のことは鮮明に覚えているのに、記憶障害発症後の記憶ができなくなるパターンです。
つまり、事故後の情報を取り込むことができなくなり、直近のエピソードを話すことができなくなります。
将来の生活に大きな影響を及ぼすおそれがあるので、注意が必要です。
(2)逆行性健忘
逆行性健忘は、事故以前の記憶を思い出せなくなるパターンです。
昔の出来事や体験に関する記憶がなくなるため、現在の環境との乖離が生まれる可能性があります。
一方で、事故後の情報は問題なく覚えることができるため、将来的な記憶障害を心配する必要はないでしょう。
(3)全健忘
全健忘は、ほぼ全ての記憶が喪失する重い障害パターンです。
事故以前の記憶だけでなく、発症後の情報のインプットができないため、日常生活をすることが困難になる可能性があります。
記憶障害の中でも重度の障害といえるでしょう。
3.高次脳機能障害になったときに請求できる賠償金
高次脳機能障害になった場合、加害者側に賠償金を請求することができます。
主な費用項目は以下のとおりです。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 逸失利益
- 将来介護費
- 家屋改造費
順にご紹介します。
(1)入通院慰謝料
入通院慰謝料は、事故の怪我によって入通院を余儀なくされた場合の精神的な負担に対する補償です。
治療のためにかかった入通院の日数によって算出されます。
なお、以下の記事で入通院慰謝料について詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
(2)後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、後遺症が残ることで負う精神的な損害に対する補償です。
ただし、後遺障害慰謝料を請求するためには、事前に後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
高次脳機能障害の場合は、症状の重い等級が認定されるケースがあります。
なお、認定された等級によって請求できる慰謝料が決まっています。
後遺障害慰謝料については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
(3)逸失利益
逸失利益は、後遺障害を負わなければ将来に得られるはずだった収入を補償する賠償金です。
高次脳機能障害になると、仕事への影響も生じる場合が多いです。場合によっては降格や転職を余儀なくされ、収入の減少が想定されることもあるでしょう。
労働能力の低下によって収入が減少した場合に請求できる点がポイントです。
なお、逸失利益に関して以下の記事でわかりやすく解説しているので、あわせてご確認ください。
(4)将来介護費
将来介護費は、高次脳機能障害によって介護が必要になった場合にかかる費用です。
介護職員による介助だけでなく、家族が介護する場合も支払われます。
具体的な費用に関しては、以下の計算式を活用することで導くことが可能です。
「1日あたりの介護費用日額(近親者の場合は8,000円が目安)×365日×平均余命期間に対応するライプニッツ係数」
平均余命期間に対応するライプニッツ係数は、国土交通省が公表しているので、その表をご参照下さい。
なお、将来介護費用の対象は、原則として被害者が亡くなるまでの期間です。
(5)家屋改造費
家屋改造費は、高次脳機能障害によってリフォームや転居が必要になった場合に支払われます。
特に、高い後遺障害等級が認められた場合に認められることが多いです。
たとえば、車いす用にバリアフリー設計にしたり、介護器具を設置したりと、生活環境を整えるために支出した費用を請求することが可能です。
また、車いすや特殊ベッドなど、介護用品の購入代も補償に含まれます。
4.記憶障害が気になったときにすべきこと
記憶障害が現れた場合は、まず病院で精密検査を受けましょう。
検査の結果、高次脳機能障害に認定されたら、後遺障害等級認定の申請を行います。
申請は必要書類を揃えた後、相手方の自賠責保険会社に申請を依頼するのがおすすめです。
加害者側の任意保険会社に依頼することもできますが、不利な条件で申請される可能性が高いので、手続が面倒かもしれませんが、被害者本人が申請するようにしましょう。
後遺障害等級認定の申請方法は以下の記事にまとめているので、あわせてご確認ください。
まとめ
交通事故によって頭部を強く打ち付けた場合、記憶障害が生じる可能性があります。
何らかの記憶障害が生じたら、すぐに病院で検査を受けて、原因を特定してもらうことが大切です。
高次脳機能障害と認定されたら、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求するためにも、後遺障害等級認定の申請を行いましょう。
弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、記憶障害など気になる症状が現れた方は、お気軽にご相談ください。
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