交通事故訴訟の尋問が必要になるケースとは?尋問の役割について解説
1.尋問が必要になるケースとは
交通事故訴訟で、尋問が実施されるケースは決して多くありません。
訴訟に発展するケースの中でも、2~3割に限られるでしょう。
しかしながら、尋問が必要になる理由というのは、事案によってさまざまです。
例えば、事故態様の言い分に食い違いがあるケース、事故当時の記憶がなく目撃者に聞くケース、事故前の就業状況を説明しなければならないケース、事故後の生活状況を説明しなければならないケース、近親者に被害者の入通院中の様子を聞くケースなどがあります。
このように、尋問が必要になる理由も、尋問を受ける人も、事案によって多種多様なのです。
もっとも、多くの場合に共通するのは、客観的な資料によって争点に関する証明ができないときや当事者に直接真偽を確かめたいとき(反対尋問の機会を与えるため)に、尋問が必要になるということです。
尋問が必ず必要になるという一部の特殊な事案を除いて、手間も時間もかかる尋問は、同じ結果を得ることができるなら、なるべく避ける方が賢明だと思います。
そのために、私達は、可能な限り、客観的な資料で争点に関する立証活動をすること、直接真偽を確かめたいと相手方や裁判所に思わせないような立証活動を心がけています。
2.尋問の準備段階
尋問は、味方から質問を受ける「主尋問」と、相手方から質問を受ける「反対尋問」と、裁判所から質問を受ける「補充尋問」に分かれます。
「主尋問」は、味方から質問を受けて答えるものなので、練習ができます。
この練習に充てる時間や準備を行う期間は、事案の性質や、弁護士によっても様々ですが、尋問の1~3週間前から、1~3回に分けて、主尋問の練習をすることが多いです。
私は、主尋問の練習は、多くても3回と考えています。
その理由は、実際の尋問で、裁判所は尋問を受ける人がどのような様子で答えているかということも観察しているため、裁判所に、「覚えたものを答えている。」という印象でなく、「聞かれたことに答えている。」という印象を持ってもらいたいからです。
多くの場合、人は、記憶していることを話そうとすると堅くなってしまい、なんとも不自然な印象を与えてしまいます。
そのため、できる限り、主尋問はイメージを掴んでもらうという程度の準備に留めたいと思っています。
味方の反対尋問は、想定される質問の内容をできる限り指摘します。
相手方への反対尋問は、すべて弁護士が準備します。
裁判所からの補充尋問は、あくまでも補充の質問なので、準備は不要です。
3.当日の尋問の流れ
尋問当日の流れは、①宣誓→②主尋問→③反対尋問→④補充尋問という順番です。
- 宣誓
- 主尋問
- 反対尋問
- 補充尋問
①宣誓は、嘘偽りを述べないという誓いをたてるものです。
②から④までの間は、以下のことに気をつけてもらえれば、大丈夫です。
・尋問を受けるときは、メモを見られないこと ・裁判官の方を向いて答えること ・声が重ならないように注意すること ・聞き取りやすい声で、ゆっくりと答えること ・感情的にならずに、淡々と答えること |
尋問が必要になる理由が多種多様なように、尋問の内容も、結果も多種多様です。
気負わずに何事も包み隠すことなく一緒に乗り切りましょう。
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