怪我なしで10対0の過失割合の場合の示談金相場とは?
この記事の内容を動画で解説しております。
あわせてご視聴いただければと思います。
「怪我をしていないときの10対0の過失割合では、示談金はどのくらいになるのか」
「示談交渉をするときはどこに気を付けたらいいのか」
過失割合が10対0の事故に巻き込まれた方の中には、怪我をしていない状態でどのくらいの示談金を請求できるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、怪我がなく過失割合が10対0のときの示談金や交渉の際の注意点等についてご紹介します。
1.怪我なしの過失割合10対0の示談金の内訳と相場
過失割合が10対0で怪我をしていない場合は、物損事故扱いになります。
そのため、請求できる示談金の内容が人身事故とは異なる点に注意しましょう。
示談金の内訳と相場についてご紹介します。
(1)示談金の内訳
物損事故の場合も、人身事故の場合と同様に、事故によってかかった費用を請求することができます。
しかし、一番大きな違いは、物損事故では原則として慰謝料を請求することができません。
どれだけ思い入れのある車に乗っていたとしても、慰謝料は認められないと押さえておきましょう。
主な示談金の内訳は以下のとおりです。
費用 | 内容 |
---|---|
修理代又は車両時価額 | ・事故によって破損した部分の修理にかかる費用 ・修理にかかる費用が車両の時価額を超えた場合には経済的全損として、時価額が賠償の対象となる |
評価損 | 一部の交換価値の高い車において修理後に低下した車の評価額 |
買替諸費用 | 車の買い替えにかかる諸費用 |
代車費用 | 代車を借りるためにかかる費用 |
自動車以外の損害費用 | 車載物が破損した場合などの費用 |
休車損 | 業務用車両が損壊した場合の損害費用 |
まず何といっても車両の修理費用を確認する必要があります。
もっとも、登録年式が古い等の場合には、修理費用が車両の価値を超えてしまうことがあり得ます。
この場合には、そのものの価値以上の修理費用をかけるのは経済的に不合理とされるため、修理費用に代わって車両時価額が賠償の対象となります。
また、事業用車両で事故に遭ってしまった場合、代車では業務を継続することができない場合があります。
このような場合には、それによって生じた営業損害を休車損として請求することができる可能性があります。
(2)相場
上記で紹介した費用が示談金になるので、一概に相場を一言で表すことはできません。
中古車でもともとの評価額が低ければ、数万円から数十万円で収まる場合がありますし、高級車であれば数百万円請求できる可能性があります。
特にフレームやバンパーの交換・修理などが必要になれば、高額になりやすいです。
被害者が無過失であれば、基本的には事故によって発生した支出は全て請求できる可能性が高いことを想定しておきましょう。
2.示談交渉をするときの注意点
客観的に被害者に過失がないと認められる場合でも、示談交渉でいくつか注意しなければならないことがあります。
特に注意点は以下の3点です。
- 相手の保険会社を通して交渉する
- 被害者が加入している保険会社は介入できない
- 過失がないことを証明する
それでは、順に説明します。
(1)相手の保険会社を通して交渉する
物損事故でも必ず相手の保険会社を通して示談交渉を行うことが大切です。
怪我がないからといって、安易にその場で示談に応じてしまうと後から後悔する可能性があります。
一度示談が成立すると、追加の請求など再度交渉することはできません。
表面上大した傷がついていないからと思っても、実際には内部が損傷していたり、歪みが生じていたりして、想定以上に修理費用が掛かってしまうということもあります。
きちんと見積もりをとった上で、保険会社と交渉を行うのが良いでしょう。
(2)被害者が加入している保険会社は介入できない
被害者が無過失の場合は、原則として被害者が加入している保険会社は示談に介入できません。
そのため、被害者自身が相手保険会社と交渉することになります。
相手保険会社は加害者側の立場に立って交渉を進めてくるため、被害者に不利な条件を提示する可能性が高いです。
交渉に自信がない方や少しでも有利に交渉を進めたい方は弁護士に相談することをおすすめします。
(3)過失がないことを証明する
客観的に被害者の過失がないといわれるケースでも、加害者側が争ってきた場合には被害者自身が無過失であることを証明しなければなりません。
加害者の中には、ゴネ得(被害者が折れて加害者が得をすること)を狙って、理不尽な主張をしてくることがあります。
示談金の満額を請求するために、被害者自らドライブレコーダーや目撃者の証言等を用いて無過失であることを主張しましょう。
3.後から症状が出た場合の対処法
事故直後は身体に異常がなくても、時間が経過してむちうち等の症状が出ることがあります。
そのときは、なるべく早く通院をしましょう。
通院し診断を受けたという事実がないと、怪我をしたということを証明できず、人身損害についての賠償を受けることができません。
また、必要に応じて警察に人身事故への切替を申し出ましょう。
人身事故への切り替えの流れは以下のとおりです。
- 医師に診断書を書いてもらう
- 警察に人身事故への切り替えを申し出る
人身事故への切替は必須ではありませんが、原則として症状が出たら切替をした方が後々の争いを予防できる場合があります。
まとめ
過失割合が10対0で怪我がない場合は、基本的には示談金の内訳は車の修理関係費用が多くを占めます。
被害者が無過失であれば、原則かかった費用を全額請求することが可能です。
ただし、被害者自ら無過失であることを証明しなければならないので、ドライブレコーダーなどの証拠は用意しておくことをおすすめします。
万が一、示談交渉で揉めるようなことがあれば、弁護士に相談しましょう。
弁護士法人みずきは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、示談交渉でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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