後遺障害12級の慰謝料の金額は?認定基準と受け取るまでの流れ
「後遺障害12級はどのくらいの慰謝料を請求できるのか」
「後遺障害12級認定からどのような流れで慰謝料を受け取るのか」
後遺障害等級が12級に該当する方の中には、どのくらい慰謝料を請求できるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、後遺障害12級が認定された場合の後遺障害慰謝料の金額や12級に認定されるためのポイント等についてご紹介します。
1.後遺障害12級の慰謝料の金額
後遺障害12級に認定された場合、後遺障害慰謝料を請求することができます。
請求できる慰謝料の金額は以下のとおりです。
自賠責基準 (2020年3月31日以前の事故) |
弁護士基準 |
---|---|
94(93)万円 | 290万円 |
自賠責基準は、相手方の自賠責保険会社から支払われる慰謝料を決めるときの算定基準で、後遺障害12級に認定された場合は、最低補償として94万円(交通事故が2020年3月31日以前なら93万円)を受け取れます。
弁護士基準の場合は290万円であり、自賠責基準の3倍以上の慰謝料を請求することが可能です。
ただし、弁護士基準を利用するためには、弁護士に手続を依頼する必要があります。
後遺障害慰謝料の増額を図りたい方は、弁護士に相談してみましょう。
2.後遺障害12級の認定基準
後遺障害12級に認定されるためには、いくつかの基準を満たさなければなりません。
12級には14の区分が設けられており、障害程度に応じて認定される仕組みになっています。
区分ごとの障害程度は以下のとおりです。
等級 | 障害程度 |
---|---|
12級1号 | 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
12級2号 | 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
12級3号 | 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
12級4号 | 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの |
12級5号 | 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
12級6号 | 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
12級7号 | 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
12級8号 | 長管骨に変形を残すもの |
12級9号 | 一手のこ指を失つたもの |
12級10号 | 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの |
12級11号 | ・一足の第二の足指を失つたもの ・第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの |
12級12号 | 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
12級14号 | 外貌に醜状を残すもの |
該当する障害があれば、後遺障害12級の認定を想定して手続を進めましょう。
3.後遺障害12級に認定されるためには
後遺障害12級に認定されるには、後遺障害等級認定申請をする必要があります。
後遺障害等級認定申請にあたっては、以下のポイントに気を付ける必要があります。
- 症状固定の診断を受けるまで定期的に治療を受ける
- 必要な検査を全て受ける
- 書類に漏れがないか確認する
後遺障害12級相当の障害があっても、14級が認定されたり、非該当になることもあるため、ポイントを押さえることが大切です。
順にご説明します。
(1)症状固定の診断を受けるまで定期的に治療を受ける
症状固定の診断を受けるまでは、医師の指示に従って定期的に治療を受けるようにしましょう。
必要な治療を受けずに後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害等級が認定されない可能性があります。
後遺障害等級認定の審査は、症状固定までの過程も確認されるので、症状固定の診断をまだ受けていない方は、医師から指示があった治療を継続して行いましょう。
(2)必要な検査を全て受ける
後遺障害の認定基準を満たすために必要な検査は全て受けましょう。
後遺障害の程度が認定基準を満たしていることを立証しなければ、後遺障害等級が認定されません。
これは、医師による、治療のために必要な検査か否かという観点とは異なる場合があります。
どの資料を提出するかで認定結果が変わる可能性があるため、12級に認定されるために必要な証拠は揃えておきましょう。
ご不安な方は、弁護士に依頼して、後遺障害等級認定の観点から、後遺障害診断書をチェックしてもらうと良いでしょう。
(3)書類に漏れがないかチェックする
提出する書類に漏れがないかチェックすることも大切です。
先ほど述べたように、提出資料によって認定結果が変わるため、記入された障害の程度が軽ければ、12級として認定されない可能性があります。
医師の中には、後遺障害診断書の作成に慣れていない方もいるので、受け取った後遺障害診断書の内容が充実しているか確認するのがおすすめです。
もっとも、認定基準を満たしているかどうかの自己判断はとても難しいです。
そのため、弁護士の確認を経ると、より精度の高い資料を用意することができるでしょう。
弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で承っております。
お気軽にご相談ください。
4.後遺障害12級の慰謝料を受け取るまでの流れ
後遺障害12級の慰謝料を受け取るまでの流れについてご紹介します。
主な流れは以下のとおりです。
- 症状固定
- 後遺障害診断書の作成
- 後遺障害等級申請・認定
- 示談交渉
- 示談金の支払い
後遺障害等級認定の申請方法は被害者請求と事前認定の2パターンがあり、申請方法によって慰謝料を受け取るタイミングが異なる場合があります。
順にご説明します。
(1)症状固定
治療を続けても症状が回復しない場合、医師から症状固定の診断を受けることになります。
症状固定とは、治療を継続しても症状の改善が見込めない状態のことです。
ある程度治療を行っても改善の見込みがない場合は、医師から症状固定の診断を受けることになります。
(2)後遺障害診断書の作成
症状固定の診断を受けた場合、後遺障害等級の申請を行うことができます。
後遺障害等級の認定申請には、後遺障害診断書が必要になります。
これは、医師に作成してもらう必要があります。
後遺障害診断書は、その内容によって認定が受けられるか否かが決まるほど、非常に重要な書類です。
医師によっては後遺障害申請に詳しくない方もいらっしゃいます。
医師に後遺障害診断書の作成を依頼する前に、その書き方や依頼方法について弁護士にご相談になることをおすすめします。
(3)後遺障害等級申請・認定
症状固定の診断を受けて、後遺障害診断書を作成してもらったら、後遺障害等級認定の申請を行いましょう。
被害者請求(被害者自らが申請手続を行う方法)の場合は、ご自身で必要な書類を揃えて相手方の自賠責保険会社に提出することで手続を行うことになります。
一方、事前認定の場合は、相手方の任意保険会社が必要な手続を行いますので、後遺障害診断書を提出するだけで終了です。
ただし、事前認定は相手方の任意保険会社が主体となって手続を行うため、被害者にとって有利な形で進むとは限りません。
そのため、被害者請求を選択するのがおすすめです。
なお、被害者請求により申請した場合は、後遺障害等級認定後、自賠責基準による慰謝料が相手方自賠責保険会社から支払われます。
認定結果に納得がいかない場合は、異議申立てをすることで、再度審査してもらうことが可能です。
(4)示談交渉
後遺障害等級の認定を受けたら、相手方の任意保険会社と示談交渉を行いましょう。
示談交渉では、相手方の任意保険会社と賠償金の内容について交渉を進めることになります。
被害者請求をした場合は、示談金から自賠責保険会社から支払われた金額を差し引いた残りが相手方の任意保険会社から支払われます。
事前認定の場合は、後遺障害等級認定後に自賠責保険会社から自賠責基準の慰謝料は支払われずに、示談成立後に相手方の任意保険会社から示談金がまとめて支払われます。
まとめ
後遺障害12級に認定されると、後遺障害慰謝料及び逸失利益を請求することができます。
後遺障害等級の認定申請は適切に等級認定を受けるために、被害者請求で手続を行うのがおすすめです。
相手方の任意保険会社と示談交渉をすることになりますので、今後の対応について、弁護士に相談しましょう。
弁護士法人みずきでは、後遺障害慰謝料に関する相談を無料で受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
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