後遺障害12級に認定されたら障害者手帳はもらえる?
「後遺障害12級に認定されたら障害者手帳はもらえるのか」
「後遺障害12級に認定されたらどのような扱いになるのか」
後遺障害12級に認定された方の中には、障害者手帳を受け取ることになるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、後遺障害12級に認定された場合に障害者手帳が発行されるのか、また相手方に対してどのくらいの慰謝料を請求できるのかご紹介します。
1.後遺障害12級に認定されたら障害者手帳が発行されるのか
結論から述べると、後遺障害12級に認定されたとしても障害者手帳は発行されない可能性が高いでしょう。
障害者手帳の発行条件は以下のとおりです。
- 疾病によって障害が永続し、生活動作が不自由であること
- 身体障害者障害程度等級の7等級の障害のうち、6級以上に該当すること
身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)によると、身体障害者障害程度等級の6級は以下のとおりです。
- 視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの
- 両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
- 一側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの
- 一上肢のおや指の機能の著しい障害
- ひとさし指を含めて一上肢の二指を欠くもの
- ひとさし指を含めて一上肢の二指の機能を全廃したもの
- 一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの
- 一下肢の足関節の機能の著しい
続いて、実際に後遺障害12級が認定される障害程度は以下のとおりです。
等級 | 障害程度 |
---|---|
12級1号 | 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
12級2号 | 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
12級3号 | 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
12級4号 | 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの |
12級5号 | 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
12級6号 | 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
12級7号 | 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
12級8号 | 長管骨に変形を残すもの |
12級9号 | 一手のこ指を失つたもの |
12級10号 | 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの |
12級11号 | ・一足の第二の足指を失つたもの ・第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの |
12級12号 | 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
12級14号 | 外貌に醜状を残すもの |
身体障害者障害程度等級表に記載されている身体障害者障害程度等級の6級と後遺障害12級の認定条件を見比べると、身体障害者障害程度等級の6級の方が障害程度が重いことが分かります。
そのため、後遺障害12級に認定されたとしても、障害者手帳の発行条件を満たさない可能性が高いです。
後遺障害12級が認定された場合は、後遺障害慰謝料の請求を行いましょう。
もし認定された後遺障害等級に納得がいかない場合は、異議申立てをすることで、再度審査してもらえます。
2.後遺障害12級に認定された場合に請求できる慰謝料
後遺障害12級に認定された場合に請求できる後遺障害慰謝料の金額は定められています。
自賠責基準と弁護士基準で請求できる慰謝料は以下のとおりです。
自賠責基準(2020年3月31日以前の事故) | 弁護士基準 |
---|---|
94(93)万円 | 290万円 |
発生した事故が2020年3月31日以前の場合は、わずかですが減額されます。
なお、弁護士基準で示談交渉する場合は、弁護士に依頼する必要があります。
3倍以上の金額を請求でき、保険会社との示談交渉を依頼することができるので、なるべく弁護士に相談することをおすすめします。
3.後遺障害12級に認定されたら逸失利益も請求できる
後遺障害12級に認定されたら、後遺障害慰謝料とは別に逸失利益も請求できます。
逸失利益とは、症状固定後に、労働能力を喪失する障害によって減少する見込み収入のことです。
たとえば、後遺障害を患ったことで将来に渡って1年分の収入が減った場合、その1年分の見込み収入を請求できることになります。
逸失利益の計算式は以下のとおりです。
【逸失利益=一日あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数】
労働能力喪失率は、後遺障害12級の場合14%で計算します。
また、ライプニッツ係数は、国土交通省が公表しているライプニッツ係数表を参照しましょう。
例を挙げると、後遺障害12級に認定され、基礎収入が年間400万円で5年間労働能力が低下した場合の逸失利益は以下のとおりです。
逸失利益=400万円×0.14×4.58(労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数)=2,564,800円となります。
逸失利益が生じている方は、後遺障害慰謝料とあわせて請求しましょう。
4.慰謝料の増額を目指すなら弁護士に相談しよう
後遺障害12級に認定されたら、後遺障害慰謝料や逸失利益等の交渉や手続等は手間がかかるため、なるべく弁護士に相談することをおすすめします。
先に述べたように、弁護士に相談することで弁護士基準での示談交渉が可能です。
後遺障害慰謝料の増額を狙えるだけでなく、示談交渉におけるストレス等の緩和にも繋がります。
必要な申請手続も弁護士が代わりに行うため、日常生活に専念できる点が大きなメリットです。
受け取った慰謝料から弁護士費用を賄うことができるので、実質の手出しは無いことがほとんどです。
少しでも手続の手間を省きたい方は、弁護士に相談してみましょう。
まとめ
後遺障害12級に認定されたからといって、必ずしも障害者手帳が発行されるとは限りません。
障害者手帳の発行条件を満たしていないため、後遺障害12級に認定されても障害者手帳を受け取れる可能性は低いでしょう。
それでも後遺障害慰謝料や逸失利益の請求は可能です。
後遺障害慰謝料や逸失利益の請求手続は手間がかかるので、なるべく手間を省きつつ、請求金額を増額したい方は弁護士に相談しましょう。
弁護士法人みずきでは、後遺障害慰謝料に関する相談を無料で受け付けていますので、1人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。
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