追突事故の過失割合とは?事故に遭ったときにすべきこと
この記事の内容を動画で解説しております。
あわせてご視聴いただければと思います。
「追突事故はどんな過失割合になるのか」
「追突事故でも被害者に過失割合が出てしまうこともあるのか」
追突事故に巻き込まれた方の中には、過失割合がどのくらいになるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、追突事故の過失割合や交渉のときのポイントについてご紹介します。
1.追突事故の過失割合
追突事故の場合、多くの方が被害者側の過失割合は0だと感じると思います。
しかし、追突事故であったとしても、被害者側に過失割合が生じるケースも存在します。
ここでは、まずは追突事故の類型について確認していきましょう。
(1)前方車が停止中に追突した場合
追突事故の多くは、信号待ちや渋滞中などの停止中に後方から衝突されるものです。
この場合、停止中の被害車両は、事故を回避することができません。
このような状況での追突は、加害者の前方不注視などが主たる原因と考えられるため、加害者である後方車が100%の過失割合となります。
つまり、このケースでは被害者の過失はありません。
そのため、被害者は損害の全てを加害者に対して請求することができます。
(2)前方車が急ブレーキして追突した場合
追突事故のもう一つの類型として、前方車が急ブレーキをしたことによって、後方車のブレーキが間に合わずに追突するというケースがあります。
この場合の過失割合は、被害者(前方車):加害者(後方車)=3:7が基本となります。
道路交通法上、急ブレーキが許されるのは危険を防止するためやむを得ない場合に限られています。
そのため、これに違反して急ブレーキをかけて事故が発生した場合には先行車両にも落ち度があると考えられます。
他方、後方車においても、十分に車間距離を空けていれば追突を避けることができる可能性があるため、急ブレーキに対応できなかった後方車の方が過失割合は高くなります。
このお互いの不注意を比較して、3:7という割合が基本とされているのです。
2.過失割合が決まるタイミング
一般的に、賠償実務において「過失割合だけを決める」ということはなされていません。
というのも、過失割合は誰が誰に対していくら支払うかという賠償内容を定めるときに問題になるからです。
そのため、物損及び人損の示談を締結する際に、具体的な過失割合を定めることとなります。
上記のように、事故の類型によって基本となる過失割合の目安は定められています。
この基本割合から、修正要素の有無を検討し、最終的な過失割合を定めることとなります。
修正要素とは、過失割合の加算・減算要素のことで、様々な要素が設けられているのです。
主な修正要素の例は以下のとおりです。
修正要素 | 内容例 |
---|---|
時間 | 事故発生時が夜間など |
場所 | ・見とおしがきかない交差点 ・通行量の多い国道 |
被害者の属性 | ・被害者が高齢者 ・身体障害者 |
重過失 | ・酒気帯び運転 ・居眠り運転 ・無免許運転 ・時速30km以上の速度違反 |
車種 | 大型車など |
たとえば、追突事故が前方車の急ブレーキによるものだった場合、先ほど述べたように被害者の基本過失は3割です。
しかし、例えば事故が起こった場所が商店街だった場合は、人の往来や飛び出しが予見できるため、後方車はより一層注意をしなければならないと考え、被害者の過失は2割に減算される可能性があります。
逆に、前方車のブレーキランプが壊れていた場合には、後方車は急ブレーキに気づくのが遅れてしまっても仕方ないので、前方車の過失が4割から5割程度まで加算される可能性があります。
このように、単なる「追突」といっても、具体的な事故状況によっては様々な過失割合になる可能性があります。
3.過失割合の交渉のポイント
過失割合を交渉するときに注意しなければならないことがいくつかあります。
主な注意ポイントは以下の3つです。
- ドライブレコーダー等の証拠を提出する
- 過失割合10:0のときは加入している任意保険会社が交渉を行えない
- 弁護士に依頼のうえ過失割合を交渉する
順に説明するので、交渉の際の参考にしてください。
(1)ドライブレコーダー等の証拠を提出する
過失割合を交渉する際に、ドライブレコーダー等の証拠を提出することが大切です。
証拠がない中で、お互いの事故状況に対する認識がずれていると、話がまとまりません。
そのため、まずは、どのような事故だったかを客観的に明らかにできる証拠がないかを探し、これを基に交渉を開始することが望ましいです。
ドライブレコーダー以外の状況証拠は以下のとおりです。
- 現場付近の防犯カメラ映像
- 警察の捜査資料
- 交通事故の目撃者の証言
- 事故直後の写真画像
特に映像や写真は、過失割合を決定付ける証拠になる可能性があるため、過失割合の交渉に使える証拠がないか探してみましょう。
なお、以下の記事で加害者がゴネ得させないための対処法について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
(2)過失割合10:0のときは加入している任意保険会社が交渉を行えない
過失割合が10:0のときは、被害者が加入している任意保険会社は交渉することができない点に注意しましょう。
停止中の車に追突された場合、被害者の過失は基本的にはありません。
そのため、被害者が事故の被害に遭ったときに備えて任意保険会社に加入していたとしても、被害者自ら加害者側と交渉することになります。
加害者側としては、できる限り支払い額を押さえたいという意識が働くため、被害者に何らかの過失があることを前提に交渉を進めてくる可能性があります。
どこに争いがあるのか、どこは認めているのか、という点を冷静に整理しながら話し合いを進めていくことが肝要です。
(3)弁護士に依頼のうえ過失割合を交渉する
加害者側との交渉が上手くいかない場合は、弁護士に相談して交渉を依頼することを検討してみましょう。
弁護士であれば、被害者の立場になって不利にならないように交渉を進めることができます。
また、弁護士に交渉を一任できるため、被害者の負担を軽減することもできます。
まとめ
追突事故の場合、基本過失割合は2パターンあります。
被害者の車の状況によって、被害者に過失が生じるかが大きく変わります。
ただし、最終的な過失割合は、示談時に決まるため、加害者側に対して証拠を提出し、修正要素を主張して、少しでも有利になるように交渉を進めましょう。
もし加害者側との交渉が上手くいかない場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士法人みずきでは、過失割合に関する相談を無料で受け付けておりますので、追突事故の過失割合でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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