玉突き事故の過失割合とは?適切な賠償を受けるためのポイント
この記事の内容を動画で解説しております。
あわせてご視聴いただければと思います。
「玉突き事故の過失割合はどうやって決まるのか」
「玉突き事故で適切な賠償金を請求するためにはどうしたらいいのか」
玉突き事故に遭われた方の中には、過失割合がどうなるか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、玉突き事故の過失割合や適切な賠償を受けるためのポイントについてご紹介します。
1.玉突き事故とは
玉突き事故とは、3台以上の車両が関連した追突事故で、後続車両に追突された中間車両が、衝突の勢いで先頭車両に衝突する形の事故を指すことが多いです。
先頭車両および中間車両が停止しており、そこに後続車両が追突して発生したという典型的な玉突き事故であれば、後続車両の過失が100%となり、中間車両と先頭車両の過失は0%となります。
しかし、先頭車両や中間車両に落ち度がある場合は、過失割合が変わってきます。
その中には、典型的な玉突き事故と異なり、先に中間車両が先頭車両に追突し、さらに後続車両が中間車両に追突したという「順次追突」となるケースも考えられます。
2.過失割合が変わるケース
繰り返しになりますが、典型的な玉突き事故の場合、後方車両の過失が100%として扱われます。
しかしながら、以下のケースは追突された車両にも過失が認められる可能性があります。
- 先頭車両が急ブレーキを踏んだ場合
- 真ん中の車が急ブレーキを踏んだ場合
- 順次追突の場合
- 高速道路上で先頭車両が急ブレーキを踏んだ場合
- 高速道路上で停止していた先頭車両が原因で玉突き事故が発生した場合
順にご紹介します。
(1)先頭車両が急ブレーキを踏んだ場合
先頭車両が急ブレーキを踏んだために、中間車両、後方車両が追突したというケースです。
この場合、先頭車両に30%の過失が認められます。
中間車両及び後方車両の過失は状況によって変わります。
(2)中間車両が急ブレーキを踏んだ場合
このケースは実際にはあまり発生することはないと思われますが、この場合は、中間車両に30%の過失、後方車両に70%の過失が認められます。
先頭車両の過失は0%です。
(3)順次追突の場合
順次追突の場合、先頭車両に対して中間車両が100%の過失、中間車両に対して後方車両が100%の過失をそれぞれ負うことになります。
(4)高速道路上で先頭車両が急ブレーキを踏んだ場合
車両が高速度で走行し、急ブレーキによる危険が増す高速道路上の場合、急ブレーキを踏んだ先頭車両に50%の過失が認められます。
中間車両と後方車両の過失が状況によって変わってくるのは、高速道路外での事故と同様です。
(5)高速道路上で停止していた先頭車両が原因で事故が発生した場合
先頭車両が高速道路上に停止していたために、中間車両が追突し、そこに後方車両が追突したことにより事故が発生した場合です。
この場合は、以下のような先頭車両の停止の態様によって中間車両に対する先頭車両の過失が変わります。
- 先頭車両が過失なく停止していた場合
- 先頭車両がやむを得ず停止し、停止表示機材の設置等を怠った場合
- 先頭車両が自身の過失により停止し、停止表示機材等の設置も怠った場合
なお、いずれの場合も中間車両に対する後方車両の過失も認められます。
#1:先頭車両が過失なく停止していた場合
先頭車両が止むを得ない理由によって停止し、停止表示機材の設置等も行っていた、あるいは路肩に停止していたなど、過失なく停止していたところに中間車両が追突した場合、先頭車両の過失はありません。
#2:先頭車両がやむを得ず停止し、停止表示機材の設置等を怠った場合
この場合、先頭車両には20%の過失が認められます。
#3:先頭車両が自身の過失により停止し、停止表示機材の設置等も怠った場合
この場合、先頭車両には、40%の過失が認められます。
3.適切な過失割合を主張するためのポイント
玉突き事故の過失割合は、これまでご説明したとおり、状況によって大きく異なることがあります。
特に先頭車両の場合は、自身が急ブレーキを踏んだかどうかによって、自身に生じた損害を100%賠償してもらえるかどうかが変わってしまいます。
このように過失割合は、損害賠償の場面において重要な意味を持ちます。
事実と異なる過失割合が決まってしまうと、その分だけ賠償金額が減額され、適切な補償を受けられないリスクも生じます。
これを回避するためには、事故態様や道路状況の証拠をもって、適切な過失割合を主張・立証することが大切です。
加害者側の保険会社は賠償金の減額を図るために、被害者に不利な過失割合を提示してくる可能性があります。
そのため、被害者側が客観的な証拠を提示して適切な過失割合を主張・立証することが重要です。
特に客観的証拠として重要なのはドライブレコーダーの映像です。
これにより、事故の状況を客観的に確認することができます。
もし、ドライブレコーダーの映像がない場合は、警察が作成した実況見分調書を用いて立証を行うことが可能です。
ただし、実況見分調書が作成されるのは、人身事故の届け出を行った場合ですので、怪我をした場合には診断書を警察に提出し、人身事故への切り替えを行っておきましょう。
これらの証拠収集、証拠に基づく適切な主張を行うためには専門的な知識が必要です。
そのため、弁護士への相談をおすすめします。
まとめ
典型的な玉突き事故の場合、最初に追突した後方車両に100%の過失が認められます。
しかし、事故の状況によってはほかの車両にも過失が認められるケースがあります。
もし玉突き事故に巻き込まれた場合は、どの車両にどれだけの過失があるか状況を整理してみましょう。
弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、玉突き事故に巻き込まれた方はお気軽にご相談ください。
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