休業損害証明書で虚偽記載がばれたらどうなる?作成時の注意点
「休業損害証明書で嘘の記載がばれるとどうなるのか」
「休業損害証明書を作成するときに何に気をつけたらいいのか」
少しでも多く休業損害を請求するために、休業損害証明書の内容を偽ろうと考えている方もいるかもしれませんが、絶対におすすめしません。
本記事では、休業損害証明書で虚偽の記載をするリスクや注意点を中心にご説明します。
1.休業損害証明書で虚偽記載をするリスク
休業損害証明書で虚偽記載をするリスクは、休業損害が支払われないことです。
加害者側の保険会社は、通常、休業損害証明書の記載が概ね問題ないか確認するため、休業損害証明書とともに源泉徴収票、課税証明書等の提出を求めます。
これらの記載により、休業損害証明書に虚偽記載がないかチェックされているのです。
事故前3か月間の給料を過大に記載する、休んでいない日を休んだものとする等は、保険会社との交渉を困難にしますので、絶対にしないようにしましょう。
2.休業損害証明書を作成するときの3つの注意点
休業損害証明書を作成するときの注意点がいくつかあります。
特に注意すべき点は以下の3つです。
必要事項が記入されているか確認する
事故前3ヶ月の給与が記載されているか確認する
勤務先に作成してもらう
順に説明するので、休業損害証明書を用意するときに注意しましょう。
(1)必要事項が記入されているか確認する
必要事項が適切に記入されているか確認しましょう。
休業損害証明書には、以下のような記載項目があります。
- 休業日数
- 給与
- 社会保険等の有無
記載内容によって休業損害の金額が決まり、不備があれば支払いが遅れることになります。
そのため、源泉徴収票や勤怠票と照らし合わせて不備がないか入念にチェックしましょう。
(2)事故前3ヶ月の給与が記載されているか確認する
交通事故日から直近3ヶ月の給与が記載されているか確認することも大切です。
社会保険料等を差し引いた額ではなく、支給額を記載する必要があります。
パートやアルバイトの場合は、労働時間と給付基準(日給や時給など)を記載されているか確認しましょう。
(3)勤務先に作成してもらう
休業損害証明書は勤務先に記入してもらう必要があります。
被害者が自分で作成するものではありませんので、注意が必要です。
加害者側の任意保険会社から休業損害証明書の用紙が送られてくるので、受け取り次第、勤務先に記入をお願いしましょう。
余程の理由がない限り、記入を断られることはありませんが、万が一断られた場合は、別の書類を用意することになります。
なお、勤務先に休業損害証明書の作成を断られた場合の対処法については、以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
3.休業損害を請求する流れ
適切な休業損害証明書を手に入れたら、休業損害を請求しましょう。
請求の流れは以下のとおりです。
- 必要書類を揃える
- 書類を提出する
- 示談交渉をする
- 指定口座に振り込まれる
順に説明するので、手続をするときの参考にしてみてください。
(1)必要書類を揃える
休業損害を請求するためには、休業損害証明書に加えて必要な書類を用意します。
給与所得者の場合は、休業損害証明書と源泉徴収票が必要です。
源泉徴収票は前年度のものを準備しましょう。
ちなみに、給与所得者以外の者が休業損害を請求するために必要は書類は以下のとおりです。
対象者 | 必要書類 |
---|---|
個人事業主 | 確定申告書の控え |
専業主婦 | 家族分の記載がある住民票 |
(2)書類を提出する
必要な書類が揃ったら、加害者が加入している保険会社に提出します。
提出先は、加害者の任意保険への加入状況によって異なる点に注意しましょう。
任意保険に加入している場合はその任意保険会社に、未加入の場合は自賠責保険会社に提出することになります。
(3)示談交渉をする
任意保険会社に書類を提出した場合は、示談交渉を行います。
示談交渉では、休業損害を含む損害賠償金に関する話合いを行うのが一般的です。
休業損害証明書や事故の状況等を考慮して、任意保険会社が休業損害を計算し、その金額を提示してきます。
提示金額に納得がいったら示談を成立させましょう。
もし納得がいかない場合は、提示金額を呑むのではなく、再度交渉を行います。
なお、任意保険会社は交渉のプロで、被害者にとって必ずしも有利ではない形で交渉を進めてくるため、できれば弁護士に示談交渉を依頼するのがおすすめです。
(4)指定口座に振り込まれる
任意保険会社との示談が成立し示談書を交わすと、指定口座に休業損害が振り込まれます。
自賠責保険会社の場合は、提出書類に不備がなければ、手続開始から1~2週間後に振り込まれることが多いです。
指定口座に適切な金額が振り込まれているか確認しておきましょう。
まとめ
休業損害証明書で虚偽の報告を行うと、信用を失うだけでなく、罪に問われる可能性があります。
少しでも休業損害の金額を上げたいと思うのは当然ですが、リスクを冒してまで嘘をつくのはやめましょう。
保険会社から休業損害証明書を受け取ったら、勤務先に記入を依頼し、記入内容に不備がないか確認することが大切です。
休業損害証明書のどこに注意すればよいかわからない方は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人みずきでは、休業損害に関する相談を受け付けておりますので、お気軽に休業損害証明書に関する悩みをご相談ください。
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