家族が死亡事故に遭ったら弁護士に相談すべき?弁護士に相談する一連の流れ
「家族が死亡事故に遭ってしまったらどうしたらいいのか」
「家族が事故で死亡したら弁護士に相談すべきなのか」
大切な家族が事故に巻き込まれて亡くなった方の中には、今後どうしたらいいのかわからずに困っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、家族が死亡事故に遭ったときに弁護士に相談すべき理由や相談の流れ等についてご紹介します。
1.家族が死亡事故に遭ったときに弁護士に相談すべき理由
家族が亡くなってまもなくの冷静になれない状況で加害者側の任意保険会社から示談の話をされても、どうしたらよいのかわからなくなってしまうことと思います。
家族が事故によって死亡したときは、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すべき理由は以下の3つです。
- 加害者側と直接話をせずに示談交渉を進められる
- 適切な賠償金の算定・請求ができる
- 示談交渉の早期解決が見込める
順にご紹介します。
(1)加害者側と直接話をせずに示談交渉を進められる
弁護士に交渉を依頼することで、加害者側と直接話をせずに示談交渉を進められます。
示談交渉においては、加害者本人や加害者が加入している保険会社と交渉しなければなりません。
加害者側は少しでも支払う賠償金の額を減らすために、被害者の主張する損害項目について様々な理由を持ち出して減額しようとしてくることがあります。
特に加害者側の保険会社の担当者から、交通事故に関する専門用語を多用されながらそのような主張をされると、反論が難しくなってしまいます。
また、高圧的・不親切な加害者側の態度に対して大きなストレスを感じることにもなります。
このような加害者側との交渉に伴う精神的な負担を軽減するためには、弁護士に相談して示談交渉を依頼するのがおすすめです。
交通事故対応に精通している弁護士であれば、客観的な状況や資料に基づいて、加害者側の主張に対して効果的に反論することもできます。
(2)適切な賠償金の算定・請求ができる
弁護士に相談することで、適切な賠償金の算定や請求ができます。
交通事故に関する損害賠償金は、自賠責基準、任意保険基準、裁判所(弁護士)基準のいずれかをもとに算定されます。
最も高額になる基準は裁判所基準ですが、加害者側の保険会社は、弁護士を通していないとなかなかこの基準での示談に応じてくれません。
裁判所基準を採用して示談をするには、弁護士に依頼して交渉を行ってもらうことが必要なのです。
弁護士は裁判所基準での交渉を行えるほか、加害者側が提示してくる金額の妥当性を判断することができます。
適切な賠償額がいくらか、弁護士に依頼した場合にどれくらいの見通しになるかを知りたい場合には、まず、弁護士へのご相談をおすすめします。
(3)示談交渉の早期解決が見込める
弁護士は、証拠をもとに客観的な基準に照らして示談交渉を進めるため、示談交渉の早期決着が見込めます。
被害者側の意見を根拠をもって論理的に主張することができるため、裁判になった場合にも認められやすい内容の主張ができ、それを見越した加害者側にも主張を認めさせやすくなります。
結果として、被害者に有利になるように展開できるので、なるべく早く解決に至りたい方は弁護士に示談交渉を依頼しましょう。
また、交通事故の示談金は基本的に示談交渉が終了するまで受け取ることはできません。
示談交渉が早期に解決することで、示談金を受け取るタイミングが早くなるのも弁護士に相談・依頼する大きなメリットです。
2.死亡事故によって請求できる主な損害項目
交通事故の被害者自身が死亡した場合には、その相続人が加害者側に損害賠償請求を行うことになります。
加害者側に対する請求が認められる損害項目は、以下のとおりです。
- 被害者本人の傷害(入通院)慰謝料
- 被害者本人の死亡慰謝料
- 遺族固有の慰謝料
- 死亡逸失利益
- その他
順にご説明します。
(1)被害者本人の傷害(入通院)慰謝料
被害者が死亡するまでに医療機関で入院や通院による治療を受けていた場合には、相続人は傷害(入通院)慰謝料を請求することができます。
傷害慰謝料とは、交通事故が原因で怪我を負ったことによって生じる精神的損害に対する補償です。
主に治療期間や頻度、怪我の程度等によって変動しますが、目安となる算定基準が定められています。
慰謝料の算定基準は主に以下の3つです。
算定基準 | 内容 |
自賠責基準 | ・自賠責保険で採用されている算定基準
・被害者の損害に対して最低限度の補償を行う目的のもとに設けられている |
任意保険基準 | ・任意保険会社が採用する算定基準
・具体的な算定方法は公にされておらず、各任意保険会社で具体的な算定方法は異なる |
裁判所(弁護士)基準 | ・裁判所が訴訟の際に用いている基準
・最も高額だが、示談交渉を弁護士に依頼しなければ採用されにくい |
具体的な内容に関しては以下の記事にまとめているので、あわせてご参照ください。
(2)被害者本人の死亡慰謝料
相続人は、被害者本人の死亡慰謝料を請求することができます。
被害者本人の死亡慰謝料は、被害者が死亡に至るまでに受けた精神的な苦痛に対する補償であり、死亡した被害者に代わり、相続人が受け取ることになります。
自賠責基準の場合、被害者本人の死亡慰謝料は原則400万円となっています。
裁判所基準の場合はさらに高額の金額を請求できることになります。
裁判所基準においては、次に紹介する遺族固有の慰謝料と被害者本人の死亡慰謝料を合算した金額が定められていますので、これらを区別せずにまとめて請求することになります。
裁判所基準の慰謝料の金額は、被害者の家庭での立場に応じて以下のように金額が定められています。
家庭内の立場 | 慰謝料金額目安 |
家計の中心 | 2800万円 |
母親、配偶者 | 2500万円 |
その他 | 2000万円~2500万円 |
(3)遺族固有の慰謝料
遺族固有の慰謝料を加害者側に請求することもできるとされています。
自賠責基準では、次のように金額が定められています。
請求権者の状況 | 慰謝料金額目安 |
1人 | 550万円 |
2人 | 650万円 |
3人 | 750万円 |
被害者に被扶養者がいるときは、上記の各金額に200万円が加算されます。
(4)死亡逸失利益
死亡逸失利益は、被害者が死亡したことによって得られなくなった将来の収入のことです。
算定にあたっては、被害者本人の職業ごとに決められる基礎収入や死亡時の年齢といった要素を考慮することになります。
計算自体も複雑になる場合が多いため、適切な金額を受け取るためには、専門的な知識や豊富な実務経験を持つ弁護士に算定・請求を依頼するのがよいでしょう。
(5)その他
被害者が死亡に至るまで入院していた場合は、治療費や入院雑費なども請求できます。
また、葬儀費用も請求可能で、自賠責基準であれば一律100万円、裁判所基準では、上限150万円までが認められます。
3.弁護士への相談の流れ
弁護士に相談するときの流れは、基本的にどこの法律事務所も同じです。
以下のような流れで相談することができます。
- 法律事務所を探す
- 相談の予約を取る
- 相談・契約
順にご紹介します。
(1)法律事務所を探す
まずは、事故処理が済んだら法律事務所を探しましょう。
インターネットで探したいエリアをお住まいの近くに絞って検索すれば、法律事務所を見つけることができるでしょう。
ホームページがあればそちらをチェックして、交通事故の案件の解決実績が豊富かどうか見比べて、相談する事務所を決めるようにしましょう。
(2)相談の予約を取る
相談先が見つかったら、相談を予約することになります。
法律事務所の多くは予約のない相談を受け付けておらず、電話か専用フォーマットによる予約方法を用意しています。
各事務所の方法に従い、相談日時を決めましょう。
死亡事故で早急な対応が必要な場合には、電話での予約がおすすめです。
(3)相談・契約
相談では事情を説明し、弁護士からアドバイスを受けることとなります。
弁護士から提示された方針が納得いくものであり、示談交渉を依頼したいとなったら契約をしましょう。
なお、交通事故に関する相談であれば、相談料を無料としている法律事務所も数多くあります。
契約後は、依頼を受けた弁護士が保険会社との窓口となって交渉等を行うこととなります。
まとめ
大切な人が死亡事故に巻き込まれた場合に、その家族だけで示談交渉をするのは相当な精神的負担が生じるものとなってしまいます。
弁護士に相談すれば、示談交渉のストレスを軽減できるだけでなく、適切な賠償金を請求でき、早期解決に向けて取り組むことができます。
弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、関東圏で法律事務所をお探しの方は、1人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。
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