事故から数日経って後からむちうちの症状が出たら?適切な対処法について解説

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「事故に遭ってから数日経った後にむちうちの症状が出たらどうしたらいいのか」
「事故から時間が経過していてもむちうちになった損害賠償を請求できるのか」

事故の被害者の中には、事故から数日経った後にむちうちの症状が出て、どうしたらいいのか困っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、事故から数日経過した後にむちうちの症状が出たときの対処法についてご紹介します。

1.事故から数日経って後からむちうちの症状が出たときの対処法

事故から数日経って後からむちうちの症状が出たときの対処法

事故から数日経過した後にむちうちの症状が出たときの対処法についてご紹介します。

主な対応は以下のとおりです。

  1. 1日でもはやく病院にいく
  2. 医師の指示に従って治療を行う
  3. 示談交渉を行う

順に説明するので、対応するときの参考にしてください。

(1)1日でも早く病院にいく

交通事故賠償においては、交通事故発生から初診までが一週間以上あいてしまうと、因果関係が争いとなります。

そのため、事故から初診までは1日でも早い方がいいです。

交通事故に遭った後、身体がこわばっているな、痛いなど、普段と違うところを感じた方はすぐに病院へ行って診察を受けることをおすすめします。

むちうちの一般的な症状の例は以下のとおりです。

  • 痛み
  • 筋肉のこわばり
  • 腫れ、炎症
  • しびれ、知覚異常

むちうちは筋肉や神経に影響が出るため、出てくる症状は人によって様々です。

一般的な症状としては、受傷部位の痛み、筋肉のこわばり、腫れや炎症などがあげられます。

これらは、医師の治療を受けることで、1~3か月程度でおさまることが多いです。

その他、手や足のしびれ・知覚異常、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りなど、受傷部位以外にも症状が出る場合もあります。

痛みを常時感じる、手や足にしびれがある、といった症状が長く続く場合は、後遺症となる可能性があるため、注意が必要です。

(2)医師の指示に従って治療を行う

むちうちと診断されたら、医師の指示に従って治療を行いましょう。

大切なのは、自己判断で治療を中断しないことです。

むちうちは、後遺障害になることもあるため、侮らずに適切に治療していくことが必要です。

また、適切な賠償を受けるという観点からも治療を中断することはよくありません。

なぜかというと、交通事故の慰謝料は、受傷内容と通院した期間・頻度によって算定されるためです。

事故後全く病院にいっていないと、その方がどれだけ痛くてつらい思いをしていたとしても請求できる慰謝料はほとんどないことになってしまいます。

適切な賠償を受けるためにも、自己判断で治療を終了することなく、継続的に通院していくようにしましょう。

(3)示談交渉を行う

治療が完治、もしくは症状固定の診断を受けたら、示談交渉を始めていきます。

加害者が加入している任意保険会社の担当者と示談交渉を行うのが一般的です。

事故の被害程度や過失割合に応じて示談金を算定し、提示してくるので、金額に納得がいったら交渉を成立させます。

ここで注意しなければならないのは、相手方保険会社が提示してくる金額は、多くのケースで自賠責基準か自賠責基準とほぼ同額であるという点です。

自賠責基準は、最低限度の保障です。

裁判基準を用いて算定しなおすことで、増額をはかれる可能性が高いです。

示談は一度成立させると覆すことは容易ではありません。

示談書が届いたら、サインしてしまう前に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

2.症状が出ても放置するリスク

症状が出ても放置するリスク

むちうちの症状が出ても、軽度だからといって放置するのはリスクが高いです。

主なリスクは以下の2点です。

  1. 慰謝料をもらえなくなる
  2. 治療費を請求できなくなる

順にご説明します。

(1)慰謝料をもらえなくなる

慰謝料は、むちうちの症状が事故によって生じたといえるときに請求することができます。

しかし、症状が出ても医療機関を受診しなければ、事故との因果関係を証明することができないため、慰謝料を請求することができません。

むちうちでも慰謝料を請求することができるため、放置せずに速やかに病院に行きましょう。

(2)治療費を請求できなくなる

慰謝料と同様に、むちうちと事故との間の因果関係がなければ、治療費も請求できなくなります。

むちうちと事故との因果関係を証明できれば、実際の治療費に加えて、通院のための交通費など、治療のために支出した金額を請求することが可能です。

治療のために支出した分の領収書は全て保管し、後から請求できるようにしておきましょう。

3.後遺症が残ってしまったときの対処法

後遺症が残ってしまったときの対処法

むちうちは治療を適切に行った場合でも、後遺症が残ってしまう可能性があります。

もし後遺症が残ってしまったら、後遺障害等級の認定を受けましょう。

後遺障害等級の認定を受けることで、加害者側に対して追加で後遺障害慰謝料を請求することができます。

まずは、医師から症状固定の診断を受けたら、後遺障害診断書を作成してもらい、必要書類を揃えて後遺障害等級申請をしましょう。

後遺障害等級の認定を受けたら、その旨を相手方任意保険会社に連絡して、別途後遺障害慰謝料等を請求してください。

なお、後遺障害等級の申請方法については以下の記事で解説しているので、そちらもあわせてご参照ください。

2023.05.31

後遺障害等級認定の被害者請求とは?メリット・デメリットと主な流れを解説

まとめ

交通事故の被害から数日経過して、むちうちの症状が出ることはあります。

症状は様々ですが、首周辺だけでなく、頭部や腰などあらゆる部位に異変が生じるので、何か気になる症状があれば、すぐに近くの医療機関で精密検査を受けましょう。

検査後、結果に応じて完治を目指して治療を行います。

治療の目途が立ったら、示談交渉を始めて、納得のいく結果になるまで話し合いましょう。

なお、交渉に自信のない方や少しでも有利に進めたい方は、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、むちうちの症状で気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

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