自己破産をすると会社に判明するのか?自己破産をしたことが会社に知られる可能性があるケース

執筆者 中越 琢人 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士は、スーパーマンではありませんが、他人が抱える紛争の解決のため、お手伝いをすることができます。私は、一件一件丁寧で誠実な対応を心がけ、問題解決のためにできることはやり尽くすという姿勢でおります。皆様の不安が解消され、平穏な生活を送ることができるようになるまで、紛争解決のお手伝いを致します。

「自己破産をしたら今努めている会社に判明するのか」
「自己破産したときに会社に勤めている人は何に注意すればいいのか」

自己破産を検討している方の中には、自己破産をしたことが会社に判明するのか不安になっている方もいるでしょう。

この記事では、自己破産後に会社に判明してしまうケースや会社に勤めている方が注意すべきポイントについてご説明します。

1.自己破産をしたら会社に判明するのか

自己破産をしても会社に判明することは稀です。

裁判所や破産管財人が勤務先にわざわざ自己破産したことを通知することはないので、安心してください。

また、自己破産したことを会社に報告する必要もなく、基本的には自己破産前と同じように仕事を続けることが可能です。

なお、自己破産したことが会社に知られたとしても、自己破産を理由として解雇することは許されません。

2.自己破産したことを会社に知られる可能性があるケース

自己破産したことを会社に知られるケースを説明します。

以下の様なケースが考えられます。

  1. 会社が官報をチェックしている場合
  2. 会社から借入がある場合
  3. 自己破産の手続で必要な書類を会社に発行してもらう場合

順に説明します。

(1)会社が官報をチェックしている場合

自己破産をすると官報に氏名と住所が掲載されるため、会社の誰かが官報をチェックしていれば、自己破産したことが判明することはあります。

ただし、一般人で官報をこまめにチェックしている人はほとんどいません。官報でばれるというリスクは非常に低いと言えます。

(2)会社から借入がある場合

会社から借入がある場合は自己破産の事実が会社に判明してしまいます。

債権者に対して、裁判所から自己破産の手続が開始したことが通知されるため、債権者である会社に通知が届きます。

通知が届くことによって、会社に自己破産の申立てを行ったことが判明してしまいます。

(3)自己破産の手続で必要な書類を会社に発行してもらう場合

自己破産の手続には退職金見込額証明書の提出が必要となるケースもあるのですが、その書類を会社に発行依頼したときに判明する可能性があります。

現在勤めている会社に発行を依頼することで簡単に入手することができるのですが、発行目的などを聞かれ、そこで、自己破産をすることを答えてしまうと、当然ながら自己破産することが会社に判明してしまいます。

3.自己破産時に注意すべき点とは

自己破産時に注意すべき点とは

自己破産を検討する際に注意すべき職種があります。

下記の職種の会社に勤めている方は、以下の点について、注意が必要です。

(1)資格制限の対象となる職種に就いている

資格制限の対象となっている職種に就いている方は、裁判所が破産開始の決定を行ってから、免責が決定するまでは仕事ができなくなります。

たとえば、以下のような職種が資格制限の対象となります。

資格制限の対象職種
  • 士業
  • 卸売業者
  • 貸金業者
  • 教育委員会委員
  • 警備員
  • 警備業者
  • 建設業(一般建設業,特別建設業)
  • 後見人
  • 公証人
  • 質屋
  • 人事官
  • 生命保険募集人
  • 損害保険代理店
  • 宅地建物取扱主任者
  • 宅地建物取扱業
  • 廃棄物処理業者(一般廃棄物処理業者,産業廃棄物処理業者)
  • 保護者
  • 保佐人
  • 補助人
  • 遺言執行者
  • 旅行業務取扱主任者
  • 旅行業者


免責許可が下りるには一般的に手続が開始してから3~6ヵ月間といわれています。

その間、仕事をすることができず収入が途絶えてしまうため、一時的に別の仕事をするか勤めている会社によっては転職を余儀なくされてしまうでしょう。

(2)車で通勤している

車で通勤している方も要注意です。

自己破産の手続きを始めると、ローンを組んで購入し、ローンが残っている車は引き挙げられます。

また、20万円以上の価値のある車は換価の対象となります。

上記にあたる場合は、現在使用している車を失うことになり、通勤に支障をきたしてしまいます。

自己破産後に車を購入する事は可能ですが、信用情報機関から事故情報が削除されるまでローンを組むことができないため、現金で一括購入するしかありません。

まとめ

自己破産をしても基本的には会社に判明することはありません。

また、自己破産をしたことが会社に判明したとしても、それを理由に解雇することは許されません。

なお、資格制限の対象となる職種の方は、自己破産手続き中のことを予め想定して勤務先を変える等の対策を立てておきましょう。

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執筆者 中越 琢人 弁護士

所属 第二東京弁護士会

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