親が自己破産をしたら子供にも影響がある?主なケースを解説

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

「親が自己破産をすると子供にはどんな影響があるのか」
「親の自己破産が子供に影響するのはどんなときなのか」

自己破産を検討している方の中には、将来子供に悪影響を与えるのではないかと不安に思われている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、親が自己破産をしたら子供にどんな影響があるのかについてご紹介します。

1.親が自己破産をしたら子に影響があるのか

親が自己破産をしたら子に影響があるのか

親が自己破産をした場合、影響を受ける要素・受けない要素がそれぞれあります。

子供に限らず、配偶者にも同じことが言えます。

影響を受ける要素については、第3章でご紹介するので、最後までご覧ください。

2.自己破産で誤解されがちな4つのこと

自己破産で誤解されがちな4つのこと

親が自己破産をしても子供に大きな影響がないと述べましたが、現実は多くの方々に勘違いされていることがいくつもあります。

特に親の自己破産について誤解されがちなことは以下の4つです。

  1. 進学や就職に影響する
  2. 戸籍に登録される
  3. 家族の財産が処分される
  4. 家族名義のクレジットカードが使えなくなる

これらのことに関しては親が自己破産をしても子に影響がないので、一通りチェックしておきましょう。

(1)進学や就職に影響する

子供が進学や就職時期に差し掛かっている方の多くが不安に感じていることでしょう。

実際のところ、親が自己破産をしたとしても、子供の進学や就職に影響を及ぼすことはありません。

受験や就活で親の自己破産について調査されることはなく、関係者に自己破産をした事実が知られることはないでしょう。

子が進学や就職を控えていれば、神経質に考えてしまうかもしれませんが、親の自己破産によって影響が生じることはないので安心してください。

ただし、子が奨学金で融資を受ける場合は、保証人に自己破産した親を選ぶことができないことがあるので、そのときは保証人を配偶者等に設定しましょう。

(2)戸籍に登録される

 親が自己破産した事実が戸籍に登録されることはありません。

ただし、破産手続をすると、本籍地の市町村が管理する破産者名簿に記載されることはあります。

破産者名簿に記載されている間は、破産者ではないことを証明する身分証明書の取得ができないので注意しましょう。

なお、破産者名簿は非公開扱いなので、一般人に見られることはありません。

また、免責が許可され、一定期間経過すれば抹消されるので、一生記載されるわけではない点も頭に入れておきましょう。

(3)家族の財産が処分される

親が自己破産をしても、家族の財産が処分されることはありません。

たとえば、子名義の口座に入っている現金や子が所有している車等です。

子の名義になっている財産はそのままなので、特に心配する必要はないでしょう。

(4)家族名義のクレジットカードが使えなくなる

自己破産をすると破産者が契約しているクレジットカードは使えなくなりますが、家族名義のクレジットカードはそのまま継続して利用することが可能です。

そのため、子供が子供本人の名義のクレジットカードを使用している場合は、影響ありません。

しかし、自己破産をした親名義の家族カードを利用している場合は、親が自己破産をしたら使用できなくなります。

破産者本人は、信用情報機関から事故情報が削除されるまでクレジットカードの新規発行はできませんが、子供の名義であれば親の事故情報に関係なくクレジットカードを作ることは可能です。

3.親の自己破産が子に影響する5つのケース

親の自己破産が子に影響する5つのケース

親の自己破産が子供に影響するケースがいくつかあります。

主なケースは以下の5つです。

  1. 親名義の家に住んでいる
  2. 親の連帯保証人になっている
  3. 親が奨学金の保証人になっている
  4. 自己破産前に親から財産を譲り受けている
  5. 親名義で学資保険に加入している

これらのケースに該当する場合は、親の自己破産が子供に影響するので注意しましょう。

(1)親名義の家に住んでいる

破産申立て後は、任意売却か競売により不動産が処分されます。

この場合、不動産の処分が完了するまでの間、不動産を継続して利用することができます。

そのため、その期間で家探しをすることが可能です。

引っ越しを余儀なくされますが、ある程度家を探す猶予はあることを押さえておきましょう。

(2)親の連帯保証人になっている

子供が親の連帯保証人になっている場合は、親が自己破産をすれば子供に請求がいきます。

債権者との交渉次第ですが、現実的に返済が困難な場合は、子供も債務整理を検討することになるでしょう。

(3)親が奨学金の保証人になっている

親が子供の奨学金の保証人になっている場合は、自己破産者に代わる者を保証人として設ける必要があります。

たとえば、破産者の配偶者や他の親族に保証人を交代してもらうことになるでしょう。

自己破産の手続に入る前に、親族等に保証人になってくれないか交渉しておくとスムーズに引継ぎができます。

(4)自己破産前に親から財産を譲り受けている

自己破産をする前に子供が親から財産を譲り受けている場合は、子供名義の財産でも換価処分の対象になる可能性があります。

子供名義の財産が処分の対象にならないことを利用して、処分されるとわかっている財産を守るために、自己破産をする前に子供に譲渡することは財産隠しに該当しますので、絶対に行わないようにしましょう。

(5)親名義で学資保険に加入している

学資保険に自己破産した親名義で加入している場合は、解約をしなければらならなくなる可能性があるでしょう。

学資保険の解約によって返戻金が戻ってくるので、学資保険も財産扱いとされます。

東京地方裁判所の場合、解約返戻金が20万円以上であれば解約しなければならなくなるのが原則です。

ただし、例外的に解約をしなくてよい場合もありますので、学資保険に加入している方で不安な方は、弁護士に相談してみましょう。

まとめ

親が自己破産をした場合、影響を受ける点・受けない点があります。

親の自己破産によって子供に影響があると思われがちなこともあるので、この記事でご紹介した内容を押さえておきましょう。

弁護士法人みずきでは自己破産をはじめとする債務整理のご相談は無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
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