FX取引による借金は同時廃止事件になるのか?免責を受けるための3つのポイント
「FX取引による借金は同時廃止事件になるのか」
「FX取引による借金で免責が認められないことがあるのか」
FX取引による借金で困っている方の中には、自己破産を検討しており、同時廃止事件にならないか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、FX取引による借金は自己破産においてどのような影響があるのか、手続の流れや免責を受けるためのポイントについてご紹介します。
1.FX取引による借金は同時廃止事件になるのか
結論から述べると、FX取引による借金は免責不許可事由に該当する可能性があり、同時廃止事件として扱われる可能性は低いでしょう。
一定の事由がある場合、裁判所は免責を許可しないと破産法で定められており、その一定の事由を免責不許可事由と言います。免責不許可事由に該当すると判断されると、原則として管財事件として扱われます。
免責不許可事由の例は以下のとおりです。
- 財産隠し(虚偽報告)
- 財産価値を下げる行為
- 特定の債権者だけに返済(偏頗弁済)
- クレジットカードによる現金化
- ギャンブルや投資などによる浪費
- 過去7年以内の自己破産経験
FX取引は上記のうち、投資による浪費と裁判所に判断されるケースが多いため、FX取引による借金を理由に自己破産する場合は、原則として管財事件となります。
2.FX取引による借金で管財事件となった場合の流れ
管財事件の主な流れについてご紹介します。
基本的には以下のような流れで手続が進められることが多いです。
- 弁護士に相談・依頼
- 受任通知の発送
- 債務額の調査
- 申立ての準備
- 申立て・破産手続開始の決定
- 破産管財人の選任
- 予納金の支払い
- 破産管財人の調査
- 債権者集会
- 免責審尋
- 免責許可の決定
弁護士に依頼後は、弁護士が受任通知を債権者に送付し、債務額を調査します。
そして必要書類の準備を行い、全てそろったら管轄の裁判所へ申立てます。
その後、裁判所が、裁判所に提出された申立書等の内容を精査し、同時廃止事件か管財事件かを決定し、破産手続開始決定が出されます。
破産手続開始決定後、管財事件となった場合は、破産管財人が選任されますので、裁判所に予納金を納付します。
破産管財人は、破産者の財産を調査・管理するとともに、必要があれば換価を行い、債権者集会で各債権者に対して破産者の財産の状況等を説明します。
免責審尋が行われ、免責許可決定が下されると、官報にその旨が掲載されます。
官報の掲載された翌日から2週間以内に債権者から異議申立てがなければ、免責許可決定が確定し、原則として全ての債務が免責されます。
なお、管財事件の流れについて以下の記事で詳しく解説しているので、そちらもあわせてご確認ください。
3.FX取引による借金で免責を受けられないケース
FX取引による借金で免責(債務が免除されることを言います)されないケースはあまり多くありませんが、破産者の対応によっては、免責されない場合があります。
自己破産には裁量免責という仕組みがあります。裁量免責とは、免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所の裁量によって免責されることを言います。
ただし、裁量免責は裁判所の判断で決められるため、破産者に反省の色が見えなかったり、破産者が、破産管財人に対して非協力的な態度で接すると、免責されない可能性もあります。
なお、万が一免責を受けられなかった場合の対応については以下の記事にまとめているので、あわせてご覧ください。
3.FX取引による借金が免責されるためのポイント
FX取引による借金が免責されるためのポイントがいくつかあるのでご紹介します。
特に意識すべき点は以下の3つです。
- 自己破産手続中にFX取引をしない
- 破産管財人に対して誠実な対応を心がける
- 財産隠しをしない
順にご説明します。
(1)自己破産手続中にFX取引をしない
自己破産手続中にFX取引をしないことが大切です。
FX取引が原因の借金の自己破産手続中に、FX取引をすると反省していないと判断されます。
本来であれば、FX取引で借金を作ったことを反省すべきにもかかわらず、その態度を示さなければ管財人や裁判官に更生の意思は伝わりません。
破産手続中は、郵便物が管財人に転送されるため、FX取引をしていることを隠すことは難しいでしょう。
必ず判明してしまうので、絶対に破産手続中はFX取引をしないようにしましょう。
なお、他にも自己破産手続中に避けるべきことがいくつかあります。
以下の記事でまとめているので、あわせてご確認ください。
(2)破産管財人に対して誠実な対応を心がける
破産管財人に対して誠実な対応を心がけましょう。
反省の様子は口だけでは伝わりません。
破産管財人の調査に全面的に協力し、丁寧に接することで、相手に与える印象は良くなります。
反省していることを口だけでなく、行動で示すことが重要です。
(3)財産隠しをしない
財産隠しは、免責不許可事由の中でも悪質性が高いです。
最悪の場合、刑事罰を受ける可能性があります。
財産を持っている方は、事前に名義変更等で財産隠しをしないようにしましょう。
まとめ
FX取引による借金で自己破産をすることは可能ですが、同時廃止事件として扱われることはあまりありません。
破産管財人が選任され、管財事件として手続が進められます。
上記のように、破産者の対応次第では、免責を受けられないことがあるので、破産管財人や裁判官に対して誠実な対応を心がけましょう。
弁護士法人みずきでは、自己破産に関する相談を無料で受け付けておりますので、FXによる借金でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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