クレジットカードは過払い金請求できるのか?条件・請求方法や注意点も紹介
「クレジットカードにも過払い金があるって本当?」
「どのような場合にクレジットカードの請求ができるの?」
クレジットカードにも過払い金が存在すると聞いて、このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
クレジットカードであっても、一定の条件を満たせば過払い金を請求することができるのです。
本記事では、クレジットカードにおいて過払い金が発生する条件、過払い金の請求方法、請求する際の注意点を順にご説明します。
クレジットカードの過払い金請求について検討する際の参考になれば幸いです。
1.過払い金返還請求ができる条件
特定の条件に該当する場合、過払い金が発生するケースがあります。
現在日本には、利息制限法と出資法という上限金利に関する法律が二種類存在しており、上限金利は統一して定められています。
ところが以前はそれぞれの法律が定める上限金利が異なっており、それらの間の金利はグレーゾーン金利と呼ばれ、さらに貸金業法の解釈により、貸金業者はグレーゾーン金利による利息を有効なものとして受け取っていました。
しかし、2006年の最高裁判決により利息制限法の上限金利を超えて支払った利息は違法であり、これについては過払い金となると判断されました。さらにこれを受けて、2010年には法改正が行われグレーゾーン金利はなくなりました。
そのため、2010年以前の借入れの場合、上限金利を超える金利で借入れを行っていることがあり、過払い金が発生する可能性があります。
2010年以前に取引を開始した借入れがある場合、金利が20%以上となっていないか確認してみましょう。
2.クレジットカードで過払い金が発生するケース
クレジットカードで過払い金が発生するケースは、キャッシングを利用している場合です。
ショッピングのリボ払いも月々定額を支払っていくものなので、借入れと同じように見えます。
しかし、この場合はあくまでショッピングであって利息制限法ではなく割賦販売法によって規制されているため、過払い金は発生しません。
キャッシングはクレジットカード会社からの借入れであり、利息制限法の規制を受けるものです。
また、法改正以前には利息制限法の上限利率を超える利息を設定していた可能性があります。
以上をまとめると、クレジットカードの利用によって過払い金が発生するには、キャッシング枠の利用をしていて、利率が利息制限法の上限利率を超えていることが必要になります。
3.クレジットカードの過払い金の返還を請求する方法
クレジットカード利用から生じた過払い金の返還を請求する方法を順にご説明します。
(1)カード会社に対する取引履歴の開示請求
過払い金の返還請求をする際は、まず、クレジットカード会社に対し取引履歴の開示請求を行います。
過払い金請求では、実際に過払い金が発生していること、その場合どのくらいの過払い金が発生しているのかを計算して明らかにする必要があります。
その計算をするために必要な書類が、会社との間で、いつ、何円の取引がされたのかをが記載された取引履歴です。
貸金業法上、貸金業者は取引履歴の開示義務がありますので、ほとんどの場合取引履歴の開示に応じます。
ただし、弁護士等の専門家以外からの開示請求の場合、過払い金返還請求のための開示であることがわかると、開示をせず会社側に有利な和解案を提示してくることがありますので、開示請求の段階から専門家へ依頼することをおすすめします。
(2)引き直し計算
取引履歴の開示請求が済んだら、各取引を利息制限法の上限金利に合わせて計算し直し、過払い金の金額を計算します。
この計算を引き直し計算と呼びます。
過払い金の計算方法や算出する金額が誤っていると、取り戻せるはずの過払い金より少ない金額しか取り戻せないことや最悪の場合過払い金返還請求を拒否されることがあります。
そのため、ここでも専門家に依頼することをおすすめします。
(3)クレジットカード会社との交渉
過払い金の正確な金額が判明したら、クレジットカード会社に過払い金の返還についての交渉を行います。
クレジットカード会社との交渉がまとまれば、過払い金が一定期間ののち返金されます。
すでにご説明したのと同様、個人が交渉するとクレジットカード会社は事故に有利な和解案を提示してくることがあります。
有利不利の判断も含め、交渉は専門家に任せた方がよいでしょう。
4.クレジットカードの過払い金請求をする際の注意点
クレジットカードにおける過払い金請求には、請求自体が通るかどうかや請求後に受ける影響などさまざまな注意点があります。
注意点を知らないまま過払い金請求をして思わぬ損害を受けないためにも、以下の注意点を確認しておきましょう。
(1)完済日から10年で消滅時効にかかってしまう
過払い金返還請求権は、借入先との最後の取引から10年が経過すると消滅時効が完成し消滅してしまいます。
簡単にいうと、完済日から10年がたつと過払い金の返還を請求できなくなってしまうのです。
完済してから時間が経っている場合は、請求を急ぐ必要もありますので、完済日を確認しましょう。
(2)相手方のカード会社が消滅していると請求できない
請求の相手方となる会社が破産、清算手続によって消滅していると、請求先がいないことになり、過払い金の返還を請求できなくなってしまいます。
借入れの当時と会社名が変わっているだけであれば問題ありません。
また、他の会社との合併または他の会社への営業譲渡をしている場合は、その会社に債権債務が継承されている、その会社に過払い金の返還を請求することができます。
破産等の手続が進行中であれば、手続に参加し、配当という形で過払い金を受け取ることができる可能性もありますが、この場合は満額を受け取ることは難しいでしょう。
(3)社内ブラックとなる場合がある
過払い金の返還請求をした相手方の会社との間では、今後取引ができなくなる可能性があります。
会社は、自己に不利益な顧客の情報を個別に保有していることがあり、過払い金の返還請求をしたことも会社にとって不利益な情報と判断していることがあります。
このような情報が残っていると、その会社は、その後の取引に応じてくれなくなります(「社内ブラック」といいます。)。
社内ブラックはあくまで会社ごとに情報を保有していることによる不利益ですので、過払い金の返還請求をした会社以外には影響がありません。
社内ブラックによる借入れ、クレジットカードの利用ができない場合は、他の会社を利用するようにしましょう。
(4)過払い金で債務完済ができない場合ブラックリスト入りする
借入れ金が残っている状態で過払い金の返還を請求したところ、過払い金が借入れ残額を上回っておらず完済ができなかった場合、信用情報機関に任意整理の事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト入り」です。)ことになってしまいます。
過払い金によって借入れが完済できる場合にはこのような扱いはされません。
信用情報機関における事故情報は完済から5年で削除されることになっていますが、借金の返済中に過払い金請求をするのであれば完済ができるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、クレジットカードにおける過払い金請求に関して、具体的な請求方法や注意点などをご説明しました。
クレジットカードの過払い金請求には特定の条件に該当する必要があります。
また、請求するためには請求先から取引履歴の開示請求をし、引き直し計算をする必要があります。
過払い金請求にはさまざまな注意点がありますので、まずは専門家である弁護士にご相談することをおすすめします。
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