リボ払いで借金が増える理由とは?危険性や返済が苦しいときの対処方法を弁護士が解説します

執筆者 花吉 直幸 弁護士

所属 第二東京弁護士会

社会に支持される法律事務所であることを目指し、各弁護士一人ひとりが、そしてチームワークで良質な法的支援の提供に努めています。

「リボ払いの毎月の支払いが高額になっていた」
「リボ払いの返済がなかなか終わらない」

リボ払いの返済について、このように悩まれている方もいるかと思います。

この記事では、リボ払いの仕組みを説明しながら、そのリスクや返済が苦しいときの対処方法までをご説明します。

1.リボ払いと借金が膨らむリスク

クレジットカード会社などを利用した際の返済方法であるリボ払いは、手軽に利用できるのですが、そこには借金が膨らむリスクも隠れています。

リボ払いを利用する際は、リスクもしっかりと把握しておくことが重要です。

(1)リボ払いの仕組み

リボ払いは、月々の利用額に関わらず支払額を一定にする支払方法です。

リボ払いには元利低額方式・元金定額方式・残高スライド方式の3種類の支払方法があります。

元利定額方式とは、手数料も含めて毎月の支払額が一定になる方法です。

返済計画が立てやすい一方で、返済当初は利息が占める割合が高く、支払総額は元金定額方式よりも高くなります。

元金定額方式とは、毎月元金のみ支払額が一定になる方法です。

支払いが進み元金が減るにつれて手数料も減るため、返済総額は元利低額方式よりも安くなりますが、毎月の元金の返済額が大きく負担も大きいというデメリットがあります。

残高スライド方式とは、支払残高に応じて毎月の支払額が変動する方法です。

毎月の支払額はクレジットカード会社ごとに決められています。

効率よく返済できる一方、支払残高が一定の金額を超えると毎月の支払額が増えるため、返済が負担になりやすい方法です。

(2)リボ払いのリスク

リボ払いには、以下のようなリスクがあります。

リボ払いのリスク

  1. 利率が高い傾向がある
  2. 完済まで時間がかかる
  3. 借金が膨らんでいることに気づかない
  4. 自動的にリボ払いになっているケースがある

順にご説明します。

#1:利率が高い傾向がある

リボ払いは支払額を毎月一定に分割で払っていく代わりに利息を支払う必要があります。

利率はクレジットカード会社によって異なりますが、年15〜18%程度が多いです。

通常、銀行からの借入の利息は数%に設定されることが多く、比較するとリボ払いは非常に手数料が高い傾向があります。

#2:完済まで時間がかかる

毎月支払う利息が高いため、借金の元金を減らすことができず、完済するまで時間がかかります。

例えば、20万円の借金があり毎月1万円返済する場合、利息がなければ20回で返済は終了するはずですが、最初は利息が3000円程度生じ、元金は7000円程度しか減っていきませんので、20回の支払では終わらないのです。

#3:借金が膨らんでいることに気づかない

リボ払いは毎月一定の金額を支払っているため、支払総額かいくらになっているか分かりにくいというデメリットがあります。

月々の支払が少額でも、長期にわたって借入れを繰り返した結果、借金が膨れているケースも少なくありません。

また、毎月支払いが何とか出来ていることから、借金総額が膨れ上がっていることに自身で気づかないというリスクがあります。

そのため、定期的に自身の借金の総額がいくらなのか具体的に確認し、それをどのようなスケジュールで返済していくのか計画することが大切です。

#4:自動的にリボ払いになっているケースがある

リボ専用または自動リボ払いとなるクレジットカードを利用すると、支払方法がリボ払いとなってしまいます。

特に、リボ専用カードは支払方法がリボ払いに限定されているため、設定を変更することもできません。

そのため、クレジットカードの利用の前に支払方法の設定をきちんと把握しておきましょう。

2.リボ払いを利用する際の注意点

毎月の支払額が一定であるため、月々の支出が大きく変動せず、一見メリットが大きいように思えます。

しかし、リボ払いには先ほど述べたような大きなリスクがあるため、漫然と利用しないことも大切です。

もっとも、リボ払いを利用する必要がある場合には、以下のような注意点を押さえておきましょう。

リボ払いを利用する際の注意点

  1. 利用残高を定期的に確認する
  2. 毎月の返済金額はできる限り高めに設定する

それぞれについてご説明します

(1)利用残高を定期的に確認する

リボ払いで借金が膨らんでいるケースでは、カード利用残高を把握できていないことが多いため、定期的に利用残高を確認する必要があります。

特に利用明細がインターネット上で発行される場合には、自分の利用残高を確認せず、未払分が残っていることに気づかずに新たに利用残高を増やしてしまう傾向があります。

毎月一定額を支払っているため、利用残高もそれに応じて減っていると思い込んでしまわないことが大切です。

(2)毎月の返済金額は高めに設定する

リボ払いの支払いがいつまでも終わらず、高い利息を支払い続けてしまう状況になってしまうのは、毎月の返済額よりも新たに利用している金額の方が多くなってしまっていることがあります。

そのため、毎月返済する額を高めに設定することで、利用残高を少しでも早期に支払終えるような工夫をすることが重要です。

3.リボ払いの返済により借金が膨らんだときの対処方法

債務整理後に携帯電話を買いたいときの対処法

借金が膨らんでしまったときは、できる限り早めに対策することが重要です。

すぐ取り入れ易い方法も紹介していますので、ご自身の状況に合った方法を探しましょう。

(1)支払方法を変更する

リボ専用カード等を除き、支払方法を変更することができます。

ただし、当然ですが、支払方法の変更前にリボ払いで支払った金額はそのままリボ払いで支払ったものとして残ります。

リボ払いを解除したからと言って、それまでに支払ったすべての支払方法が変わるわけではありません。

借金の残高をリボ払いではなく一括払いで返済したい場合は、支払方法の変更の手続とは別に利用残高の一括払いの手続も必要である点に注意しましょう。

手続きは電話や各クレジットカード会社のウェブサイト等から行えます。

(2)一括返済・繰り上げ返済をする

一括返済は、それまでの利用残高をまとめて一括で返済する方法です。

繰り上げ返済とは、お金に余裕ができた月に多めに返済する方法です。

繰り上げ返済をすることで、その分借金の元金である利用残高を早く減らすことができるため、返済期間が短くなります。

また、リボ払いは利用残高に対して利息がかかる仕組みです。

繰り上げ返済をすることによって残高を減らせれば、返済期間が短くなることに伴って、その後支払うはずである利息の減額ができるのです。

(3)弁護士に相談する

返済が苦しい場合や解決方法がわからない場合など、リボ払いの返済についてお悩みのある方は弁護士に相談してみましょう。

弁護士に相談することで、ご自身の状況の整理や、相談者の収入や借入額の状況に応じて、取るべき方法などのアドバイスを受けられます。

また、リボ払いの解決方法として、債務整理の手続きによって借金の減額や全額の免除が認められる方法もあります(詳しくは(4)でご説明します)。

これらの手続きについて説明を受けることができます。

もし債務整理をする場合は、債権者であるクレジットカード会社との交渉や、裁判所への申立手続が必要な手続きもあります。

弁護士に相談・依頼することで、これらの手続きを弁護士に一任できます。

(4)債務整理をする

債務整理とは、毎月の支払いの減額や、借金自体の減額や全額の免除を受ける方法で、裁判所を通して行う手続きと通さない手続きがあります。

債務整理には以下の3つの手続きがあります。

債務整理の種類

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産

それぞれの概要についてご説明します。

#1:任意整理

債権者と任意に交渉し、毎月の返済金額の減額や利息のカットをして返済の負担を軽減する方法です。

任意整理は、裁判所を通さない手続きであるため、書類の準備等の手間は他の債務整理の方法と比較して少ないですが、債権者によっては交渉に応じないことがあるなどのデメリットももあります。

また、返済期間を延ばすことによる毎月の支払額や、利息をカットすることは期待できるのですが、借金の元金の減額は見込めません。

借金の総額が比較的少ない場合に適しており、債権者と交渉が成立すれば3~5年程度の期間をかけて利息部分をカットした借金について返済することになります。

任意整理のメリットやデメリットについては、以下の記事でも詳しく取り上げていますので、合わせてご参照ください。

任意整理の返済期間はどのくらい?メリット・デメリットやおすすめの状況について説明

#2:個人再生

個人再生は、裁判所に借金の支払いが困難であることを認めてもらい、借金の総額に応じて借金を約5分の1などに減額した金額を原則3年(最長で5年)で分割返済する方法です。

裁判所を通じて行う手続であり、任意整理よりも大幅に借金を減額することが可能です。

自己破産と違い、住宅資金特別条項(いわゆる「住宅ローン特則」)という制度を利用することで、住宅ローン返済中でも、自宅を手放さずに他の借金のみを減額できるというメリットがあります。

個人再生をするためには、債務総額が5000万円以下であること、継続的かつ反復した収入の見込みがあることが条件です。

裁判所に申立てをする手続きであり、裁判所に借金の返済計画を提出し認可を受ける必要があります。

個人再生手続を行うための要件や流れについては、以下の記事もご参考ください。

個人再生のための要件とは?弁護士が解説!押さえておきたい様々な要件

個人再生のスケジュールを弁護士が解説!必要手続と期間をご紹介

#3:自己破産

自己破産は、裁判所に借金の支払いが困難であることを認めてもらい、すべての借金の支払義務について免除を受ける手続きです。

個人再生のように債務総額の条件はありませんが、自己破産では一定の価値がある自宅や車などは換価されます。

また、手続中は一部就くことができない職業があるなどの制限もあります。

借金の負担が無くなるという効果の大きい手続きである一方で、制約もあるため、ご自身の状況が自己破産に適しているかどうかは慎重に判断していくことが必要です。

自己破産については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。

自己破産とは何なのか?わかりやすく徹底解説!

自己破産の流れとは?免責許可が下りなかったときの対処法

まとめ

リボ払いは毎月一定額の支払いができるという利点がある支払方法ですが、高い利息も生じています。

知らず知らずのうちに借金の総額が大きくなってしまうリスクもあります。

もしリボ払いの返済が難しいと感じたら、早い段階で弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人みずきでは、借金問題の無料相談の対応をしています。

一人で抱え込まずにまずはご相談ください。

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執筆者 花吉 直幸 弁護士

所属 第二東京弁護士会

社会に支持される法律事務所であることを目指し、各弁護士一人ひとりが、そしてチームワークで良質な法的支援の提供に努めています。