借金の取り立てへの対処法とは?取り立て方法や主な流れを解説
「借金の取り立てが来るようになったらどう対処したらいいのか」
「借金の取り立てはどのように行われるのか」
借金の返済で困っている方の中には、取り立てがいつ来るか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、借金の取り立て方法や取り立ての流れについてご紹介します。
1.借金の取り立て方法
借金の取り立て方法は、貸金業法で定められています。
主な取り立て方法は以下のとおりです。
- 電話や面会による取り立て
- 連帯保証人や保証人への取り立て
- 内容証明郵便を送付する取り立て
- 訴訟や強制執行による取り立て
貸金業者などの債権者は、借金の支払期日に支払いが無かった場合、経過後1週間~1か月の間は、支払に遅れた金額分について基本的には電話やメール、郵便によって返済の督促を行います。
これらの督促を一定期間放置すると、その借金について保証人がいる場合には、保証人に請求がなされます。
そして、滞納期間が支払期日から2~3か月を経過してしまうと、毎月分割された金額ではなく残る借金の一括支払いを求められるようになります。
この請求にも応じないままでいると、債権者は支払督促や訴訟などの法的手段をとる可能性が高まってきます。
なお、上記の取り立て方法は、貸金業法に則った方法で行われている方法になるため、個人や闇金業者が債権者の場合には、法律を適切に守らずに、上記以外の方法で取り立てが行われる可能性もあります。
特に闇金業者は、以下のような、貸金業法で禁止されている方法で取り立てをしてくるケースもあります。
- 深夜や早朝に電話・訪問する
- 希望の連絡時間帯以外に電話・訪問する
- 正当な理由なく自宅以外の勤務先などに電話・訪問する
- 退去の意思を示した後も家の玄関前に居座る
- 本人の借金や私生活について周囲に知らせる
- 職場・勤務先に電話・訪問する
- 新たに別のところで借金をして返済するよう要求する
- 債権者や保証人以外の人に借金の肩代わりを要求する
- 債務者の住所や連絡先を聞き出そうとする
- 弁護士から受任通知が届いた後も本人に取り立てをする
闇金業者からの借入れは法律に則って適法に行われている契約ではないため、貸金業法で禁止されている取り立て行為をされても債務者は応じる必要はありません。
もっとも、このような取り立てが行われることによって、精神的に大きな負担となることが考えられます。
また、債権者からの取り立てを放置しても、督促が止まらずに借金問題を解決することにはなりません。
返済が滞っている場合には、早期に弁護士に相談することがおすすめです。
2.借金の取り立ての流れ
先ほど概要を記載しましたが、借金の取り立ての流れはある程度決まっています。
主な流れは以下のとおりです。
- 返済が遅れている分割金返済の催告がある
- 催告書で残る借金の一括請求がされる
- 裁判所から訴状や支払督促などが届く
- 強制執行で給与や銀行口座等が差し押さえられる
順にご紹介します。
(1)返済が遅れている分割金返済の催告がある
借金の返済期日から1週間から1か月ほど経過すると、債権者から電話やメール、書面などで督促があります。
この時点では、電話がかかってきても丁寧な言葉づかいで、送れている毎月の分割金について支払いをお願いされるだけです。
督促があっても、指定期日までに支払いをすれば特に大きな問題に発展することはないでしょう。
(2)催告書で残る借金の一括請求がされる
借金の滞納期間が2~3か月経過したあたりで、債権者からは催告書で残る借金について一括請求がされます。
債権者から一括請求が行われても放置してしまうと、法的手段を取られる可能性が高まります。
債権者と連絡を取ることで、一括払いではなく、改めて分割して支払っていくことで話がまとまることも十分にあります。
債権者から催告書が届いたら、放置しないようにしてまずは債権者に連絡して事情を説明しましょう。
なお、滞納期間が3か月程度経過すると、信用情報機関に事故情報が一時的に登録されるようになります。
信用情報機関は、各金融機関から顧客情報の提供を受けて管理し、各金融機関から信用情報の照会を求められたときにはこれを提供する業務を行う機関です。
信用情報機関に事故情報が登録されると、その間はクレジットカードやローンを利用しようと思っても与信審査で落ちてしまって利用ができなくなることに注意しておきましょう。
(3)裁判所から訴状や支払督促などが届く
債権者からの残金一括請求の催告書まで放置し続けると、債権者が裁判所に訴訟や支払督促の申立てを行う可能性が高まります。
申立てが行われると、自宅に裁判所から訴状や支払督促が届きます。
特に支払督促が届いた場合、2週間以内に裁判所に異議申立てをしなければ、その支払督促に基づいて債権者から給与や口座などの差押えといった強制執行の手続きが行われてしまう可能性が高まります。
放置すると取り返しのつかない事態に発展してしまうので、早急に弁護士に相談しましょう。
(4)強制執行で給与や銀行口座等が差し押えられる
裁判所から訴状や支払督促が届いても何もしなかった場合、その後に強制執行の手続が行われ、給与などの財産が差し押さえられるリスクが高まります。
特に支払督促に対して2週間以内に異議申立てを行わなかった場合には、早期に強制執行の手続きが行われるリスクがあります。
支払督促に対して異議申立をしないと、債権者の申立てによって仮執行宣言が付され、支払督促の内容が確定し、確定判決と同一の効力を有する債務名義となり、債権者は直ちに強制執行を申し立てることが可能になります。
強制執行の手続きが行われると、債務者の給与や預貯金口座が差し押さえられてしまい、借入金の返済に充てられるのです。
そのため、予期せずに重要な資産を失うリスクがあるため、強制執行が行われる前に適切に対応することが求められます。
3.借金の取り立てへの対処法
借金の取り立てに対して、返済するお金の算段ができるなら、新たに約束する支払期日までに支払いをきちんと行いましょう。
もし債権者からの督促や催告に応じて支払をするお金が工面できない場合には、裁判所から訴状や支払督促が届く前に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば、その方の状況に合った方法について助言を受けられるため、不意に強制執行を受けて資産が差し押さえられるというリスクを減少させることができるでしょう。
どうしても返済が困難な場合には、債務整理の手続きを行うことを検討しましょう。
債務整理とは、借金の支払いスケジュールの変更や、借金の減額、免除を受けることで、借金の問題を解消するための手続きのことです。
債務整理には、主に以下の3つの手続きがあります。
債務整理の手段 | 内容 |
任意整理 | 債権者と交渉することによって、毎月の支払金額の減額や利息のカットを行い、借金を返済しやすくする手続き |
個人再生 | 裁判所に申立てを行い、現在の支払能力や財産状況では借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、借金を5分の1などに大幅に減額して分割で支払う手続き |
自己破産 | 裁判所に申立てを行い、現在の支払い能力や財産状況では借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、借金すべての支払義務の免除を受ける手続き |
どの手段を利用するかは、借金の金額や収入、毎月必要になる支出などそれぞれの方の状況によって異なってくるため、借金の返済で困っている方は、まずは弁護士に相談して、どの手続が最もご自身に合っているのかを検討しましょう。
なお、以下の記事で債務整理のそれぞれの手続きの概要やメリット・デメリットなどについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
借金の滞納期間が1週間を超えたあたりから債権者から取り立てが行われるようになります。
まずは穏やかに返済を督促する連絡がありますが、滞納期間が長引くにつれ、一括返済を求められるなど厳しい内容の取り立てが行われるようになります。
債権者に連絡を取ることや弁護士に相談するなどなるべく早急に対処することが大切です。
特に裁判所から書類が届くようになると強制執行が行われる可能性が高まっていますため、返済が困難と感じている方は早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人みずきでは、借金に関する相談を無料で受けて受けておりますので、借金の取り立てでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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