リボ払いによる借金を債務整理することは可能?主な債務整理の手続を紹介

執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
私は、そんな法律の世界と皆さんを、柔和に橋渡ししたいと思っています。問題解決の第一歩は、相談から始まります。
皆様が勇気を振り絞ってご相談をしていただければ、後は私どもが皆様の緊張や不安を解消できるよう対応し、法的側面からのサポートができればと思います。敷居はバリアフリーです。あなたの不安を解消するために全力でサポート致します。

「リボ払いの残高がなかなか減らない」
「債務整理をしてリボ払いを返済する日々から抜け出したい」

クレジットカードの月々の返済額をスマホやPCから気軽に抑えられるリボ払いは、月々の支払が楽になったように見えますが、知らず知らずのうちに借金がふくれあがってしまいます。

返済を続けても一向に借金が減らないという事態に陥る方も多いです。

しかし、債務整理を行うことで月々の返済を減額し、借金完済の手助けになることが多くあります。

この記事では、リボ払いによる借金を債務整理することで完済へ至る方法をお伝えします。

1.リボ払いによる借金も債務整理することができる

リボ払いの残高が減らず、返済が終わらない場合は、債務整理を行ってみましょう。

リボ払いは月々一定額を返済する方法ですが、リボ払いの利息(手数料)の年率が15%前後と高く、返済額の大部分が利息に消えて行ってしまいます。

この場合、リボ払いの利用を続けると、残高が減らずにどんどん借金が増えてしまうことがあります。

毎月きちんと返済しているのに、いくら経っても完済できないという状況へと陥ります。

その状況を変えるには、債務整理を行って完済できるように計画を立てることが必要です。

債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生の3つの手続があります。

リボ払いを債務整理する場合はどの手続をとるべきか解説します。

(1)任意整理

リボ払いの残高(元本)が3~5年以内に完済できる場合は、任意整理を行うことが推奨されます。

任意整理とは、本来支払うはずだった利息をカットし、3年~5年の期間で残高(元本)を返済する手続のことです。

任意整理をすると、利息がなくなるため、債務者にとっては負担が軽減されます。

また、利息がなくなるということは、返済をすれば確実に元本が減少するので、毎月の返済額を抑えながら短期間で完済することができるのです。

(2)個人再生

3~5年で払えないほどリボ払いの残高(元本)が大きい場合は、法的整理(自己破産・個人再生)を行うことが推奨されます。

このうち、住宅ローンや売却したくない資産がある場合には、個人再生の利用が解決策になるかもしれません。

個人再生とは、収入や財産から借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、借金を大幅に減額してもらう手続きのことです。

個人再生をすると、借金の額や資産状況減額率が変わりますが、条件によっては最大で10分の1まで減額することが可能です。

また、利息のカットだけでなく、リボ払いの残高(元本)までも減額することができるのです。

(3)自己破産

返済能力がない場合は、自己破産を行うことが推奨されます。

自己破産とは、裁判所が現在の収入や財産から返済能力を判断し、借金の返済が不可能であると認められた場合に、支払義務を免除してもらう手続のことです。

自己破産すると、借金を支払う義務がなくなりますので、もう一度生活をやり直すことが可能です。

ただし、メリットが大きい反面、保有する財産の清算や官報に掲載されるといったデメリットがあり、利用するか否かをきちんと判断する必要があります。

2.債務整理のメリット・デメリット

リボ払いによる借金を債務整理することは可能だということと、債務整理の主な3つの手続を紹介しました。

ただ、債務整理は借金が減額されるということだけでなく、デメリットもあります。

債務整理を行った場合、どんなメリット・デメリットがあるか解説します。

(1)債務整理をするメリット

まずは債務整理のメリットをご紹介します。

任意整理、個人再生、自己破産の手続によってメリットが異なります。

#1:任意整理のメリット

  • 利息をカットできるので、返済が楽になる
  • 電話や書類などの督促を止めることができる
  • 返済により確実に元本が減るので、比較的短期間で借金が返済できる
  • 家や車といった財産を守ることができる
  • 家族や勤務先に通知されない

任意整理は氏名や住所が官報に掲載されず、介入する債権者を選択できるため、財産を残しながら債務整理を行うことが可能です。

リボ払いによる借金総額が比較的少なく、周りに知られずに債務整理を行いたい場合に適しています。

#2: 個人再生のメリット

  • 借金を大幅に減額することができる
  • 職の制限がなく借金の理由を問わない
  • 家や車といった財産を守ることができる

個人再生は、利息のカットだけでなくリボ払いの残高(元本)まで減らすことが可能ですので、任意整理よりも大幅に借金を減額することが可能です。

また、住宅ローンがある場合にも、住宅資金特別条項というものを使えば、持ち家を残すことができる点が最大の特徴です。

#3:自己破産のメリット

  • 借金がゼロになる
  • 自己破産後の収入は自由に使える

自己破産は、手続が終了すれば借金がゼロになる(免責をうけられる)ことが大きなメリットになります。

(2)債務整理をするデメリット

次に債務整理のデメリットをご紹介します。

こちらも任意整理、個人再生、自己破産によってデメリットが異なります。

#1:任意整理のデメリット

  • 信用情報機関に事故情報が一定期間掲載される
  • 一定期間の間は新たな借入れができなくなる可能性がある
  • 借金の利息が減額範囲になるため、大幅な減額にならない
  • 原則3~5年の間に完済できる安定的な収入がなければ任意整理ができない

任意整理をすると、事故情報が信用情報機関に登録されるため、クレジットカードの申込みや新たな借入れができなくなる可能性があります。

#2:個人再生のデメリット

  • 信用情報機関に事故情報が一定期間掲載される
  • 借金の支払義務が保証人や連帯保証人に移る
  • 官報に氏名や住所が掲載される

個人再生は、裁判所を介する債務整理になりますので、手続に時間がかかる上、借金がゼロになることはありません。

借金の支払義務が保証人や連帯保証人に移るので、保証人や家族に通知されるといったデメリットもあります。

#3:自己破産のデメリット

  • 信用情報機関に事故情報が一定期間掲載される
  • 保有する財産が処分される
  • 借金の支払義務が保証人や連帯保証人に移る
  • 官報に氏名や住所が掲載される
  • 自己破産の手続中、就くことができない職業がある

自己破産すると、保有する財産を清算しなければならないため、多くの場合住宅や車を手放すことになります。

また、自己破産の手続中に就くことができない職業があるため、注意が必要です。

まとめ

リボ払いにより借金が膨らんだ場合、債務整理によって借金の返済を楽にすることができます。

主には任意整理・個人再生・自己破産といった手続があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。

現在の借金問題をどう解決すれば良いのか迷った時には、弁護士に相談することをおすすめします。

リボ払いの悩みがある方は、弁護士法人みずきへお気軽にご相談ください。

今後の選択肢を弁護士法人みずきと一緒に考えましょう。

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執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
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