消費者金融を利用した場合の信用情報への影響とは?回復期間などについてご紹介

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執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「消費者金融を利用すると信用情報に影響が生じるの?」
「信用情報に事故情報が登録された場合、どのような影響があるの?」

消費者金融からの借入れをご検討の際、このような不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

消費者金融を利用しただけでは、信用情報に悪影響は生じません。

しかし、支払いが遅延したり、債務整理等をしたりした場合は、それらの情報が残ることにより信用情報に悪影響が生じます。

そしてその影響は、一定期間経過後に情報が削除されるまで生じ続けます。

本記事では、消費者金融の利用により信用情報に悪影響が生じるのか、信用情報に事故情報が登録された場合の影響、事故情報が削除されるまでの期間についてご説明します。

信用情報について確認する助けとなれば幸いです。

1.消費者金融の利用で信用情報に影響があるか?

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信用情報とは、金融機関に対するクレジットやローンの申込みや契約、取引の履歴や経過の情報のことです。

これらの情報は、それぞれの金融機関が加入している信用情報機関が、金融機関から提供を受けて管理しています。

消費者金融を利用しただけである場合、単に取引の経過が残るだけなので、信用情報に悪影響はありません。

しかし、返済の遅延や債務整理などの事故情報が登録されてしまうと、それらの情報が残っている間は、信用情報に悪影響が生じます。

以下、詳しくご説明します。

(1)利用しただけであれば影響はない

消費者金融を利用した場合、契約者の氏名、生年月日といった本人識別情報、消費者金融の契約内容等の情報が信用情報機関に登録されます。

また、返済を滞りなく行っていれば、その旨の返済状況も登録されます。

単に消費者金融を利用し、返済をしているだけでは、その契約者にのちのち返済が滞るような疑いは生じません。

したがって、消費者金融の利用だけでは信用情報への影響が生じることはありません。

(2)支払遅延、債務整理等をすると悪影響が生じる

信用情報機関には、支払いの遅延、債務整理などの事実も登録されます。

これらの事実は事故情報といい、契約者が返済を続けることができなくなったことを意味します。

事故情報があると、その契約者が借入れ等を行った場合、また返済が滞るのではないかとの疑いを生じさせることになります。

したがって、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうと、次に説明するような悪影響が生じることになります。

2.信用情報機関に事故情報が登録されることによる影響

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信用情報機関に事故情報が登録されると、各種ローンの審査に通過できなくなる、クレジットカードを利用できなくなるといった影響を受けます。

ローンやクレジットカードの申込みを受けた金融機関は、与信審査のため、信用情報機関に信用情報の照会を行うことになっています。

その際に、事故情報があることが申込み時に発覚してしまうと、上記のような影響があります。

事故情報があると、返済や支払いを行っていけるか疑問があるということになりますから、審査には通りません。

そのため、ローンやクレジットカードの利用をすることはできないことになるのです。

また、事故情報が登録されてしまうと、以下のような影響があります。

(1)各種ローンが組めなくなる

上記のとおり、ローンの申込みがあるとローン会社は信用情報機関に申込者の信用情報の照会を行います。

これにより、事故情報があると判明すれば、ローンの審査は否決されます。

そのため、たとえば、家や車の購入を検討していても、事故情報が削除されるまではローンを組んで購入することはできません。

このほか、医療ローンやカードローンなどの借入れもほぼできなくなると考えておきましょう。

(2)クレジットカードが利用できなくなる

クレジットカード会社は、新規発行時に与信審査のために信用情報機関に照会を行います。

そのため、事故情報が登録されている間は、新規のクレジットカードの契約は困難となります。

また、クレジットカード会社は申込み時以外にも定期的に信用情報の照会を行っています。

そのため、事故情報が登録されたあとに照会が行われたタイミングで、元々使っていたカードの利用ができなくなる、という事態も生じます。

クレジットカードの利用が停止されると、クレジットカード払いが利用できなくなりますから、光熱費の支払いやETCの利用にクレジットカードを利用している場合は代替の手段を用意しなければならなくなります。

また、債務者名義で発行している家族カードも利用できなくなります。

一方、使えなくなるのは債務者本人のカードだけですので、ご家族名義のクレジットカードには影響が及ばず、そのまま使い続けられます。

(3)分割払いで購入できなくなる

スマートフォンなどの高額商品を分割払いで購入する契約を結ぶ場合も、信用情報の照会が行われます。

そのため、商品を分割払いで購入できなくなり、どうしても購入する必要があれば現金で一括払いをするほかありません。

ただし、携帯電話の契約の場面では信用情報の照会は行われませんので、本体さえ用意することができれば契約自体は可能です。

(4) 保証人になれなくなる

保証人になる際にも借入れをする主債務者同様に信用情報機関への照会が行われます。

そのため、事故情報が登録されていると、お子さまの奨学金を借りる際や配偶者のローンの契約時の保証人になったりすることができなくなります。

事故情報が削除されるまで、他の親族に保証人になってもらったり、保証機関を利用したりする必要があります。

(5)賃貸物件の契約ができなくなる場合がある

賃貸物件の中には、万が一借主が家賃を支払えなくなったときに備えて家賃保証会社(賃貸保証会社)との契約が必要になる物件があります。

特に信販系の家賃保証会社を利用する際には、信用情報機関への照会が行われますので、事故情報が削除されるまでは保証会社の審査に通過せず、利用ができなくなります。

このため、物件を借りる必要がある場合には、家賃保証会社との契約が不要な物件を選ぶという方法があります。

3.信用情報が回復するには

信用情報機関の事故情報は、一定期間が経過すると削除されます。

つまり一度傷がついた信用情報も、一定期間の経過により回復するのです。

信用情報機関に登録されている信用情報は、開示請求により確認することもできますので、実際に削除されたかどうかを確認するのもよいでしょう。

以下では、信用情報の登録機関と開示請求の方法について順にご説明します。

(1)信用情報の登録期間

日本には3つの信用情報機関があります。
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用センター(KSC)

このうち、CIC及びJICCには、消費者金融及びクレジットカード会社が加入しており、KSCには、銀行及び政府系金融機関が加入しています。

これらの信用情報機関それぞれで、事故情報が削除されるまでの期間は異なります。

信用情報機関別の事故情報が削除されるまでの期間は、以下のとおりです。

株式会社シー・アイ・シー(CIC) 株式会社日本信用情報機構(JICC) 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
延滞 完済から5年以内 完済から5年 完済から5年
任意整理 完済から5年 完済から5年

(ただし2019年9月30日以前の契約は受任通知の送付日から5年)

完済から5年
個人再生 完済から5年 完済から5年

(ただし2019年9月30日以前の契約は手続開始決定日から5年)

手続開始決定日から10年か、完済から5年のいずれか遅い方
自己破産 免責許可決定確定日から5年 免責許可決定確定日から5年 手続開始決定日から10年

 

(2)開示請求

信用情報機関に登録されている信用情報は、開示請求により確認することができます。

金融機関によって加入している信用情報機関が異なります。
さらに、信用情報機関は相互に情報交流を行っているため、一つの信用情報機関に事故情報が登録されているだけでも影響があります。

そのため、開示請求をする際には、念のためすべての信用情報機関に開示請求をするとよいでしょう。

信用情報機関ごとの開示請求の方法については、以下のとおりです。

信用情報機関 情報開示請求の方法 開示請求手数料
CIC インターネット、郵送、窓口で受付 インターネット、郵送:¥1,000

窓口:¥500

JICC インターネット、郵送、窓口で受付 インターネット、郵送:¥1,000

窓口:¥500

KSC 郵送のみ受付 ¥1,000

詳細は、各ウェブページをご覧ください。

  情報開示とは|指定信用情報機関のCIC

   信用情報の確認 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関

   本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会

(3)「社内ブラック」

信用情報機関から事故情報が削除されていたとしても、「社内ブラック」があり得るということには注意が必要です。

信用情報機関の事故情報は一定期間が経過すると削除されますが、これとは別に取引をしていた消費者金融等の社内では個別に、事故情報のデータを残していることがあります。

これを社内ブラックといいます。

社内ブラックとなった場合、会社は事故情報を半永久的に保持していると言われています。

そのため、信用情報機関から事故情報が削除されていても、その会社との間では契約をすることができないということになります。

まとめ

消費者金融等からの借入れの返済が遅延したり、債務整理をしたりすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。

そうなると、各種ローンが組めなくなったり、クレジットカードの利用ができなくなったりといった不便が生じることになります。

とはいえ、事故情報は一定期間が経過すると削除されますし、そのためには債務をなくすために債務整理を行う必要があります。

そうしないと、事故情報はいつまでも削除されることはありません。

消費者金融に借金があり、信用情報を回復したい、債務整理をしたいとお考えの場合には、ぜひ、債務整理の経験の豊富な弁護士にご相談ください。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

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