自己破産準備中に訴えられることはあるのか?訴訟提起されたときの対処法
「自己破産の準備中に訴えられることはあるのか」
「自己破産の準備中に訴訟提起されたらどうしたらいいのか」
自己破産を検討している方の中には、準備中に訴訟を提起されるのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、自己破産準備中に訴訟を提起される場合はどのような場合か、提起された訴訟を放置するリスク、具体的な対処法などについて詳しくご紹介します。
1.自己破産準備中に訴えられることはあるのか
結論から述べると、自己破産の準備中に債権者から訴訟を提起されることはあります。
弁護士から債権者に受任通知が送られた後は、債務者への督促は止まります。
なぜなら、弁護士等が受任通知を送付した後は、貸金業者等が債務者に対し電話や訪問の方法により直接取り立てをすることが法律により禁止されているからです(貸金業法第21条1項9号)。
しかし、たとえ弁護士から受任通知を送っていたとしても、債権者が、債務者に対し、民事裁判を提起したり、差押えなどの強制執行を行ったりすることは禁じられていません。
そのため、返済の滞納が長期間続き、債務者が督促を無視し続けている場合などは、債権者から訴えられ、強制執行される可能性があります。
もっとも、自己破産手続が開始されると、債務者に対する訴訟手続は中断します(破産法44条1項)し、新たに訴訟を提起したり強制執行手続きを行うことはできなくなります(破産法100条1項)。
債権者からの訴訟提起を防ぐために、少しでも早く自己破産手続の申し立てをしましょう。
2.債権者が自己破産準備中に訴訟を提起する理由
債権者が自己破産準備中に訴訟を提起する理由は、債権が時効により消滅するのを防いだり、債務者に自己破産される前に少しでも債権を回収しようとしたりするためだと考えられます。
自己破産への準備期間が長くなると、それだけ訴訟を提起されたり差押えなどの強制執行手続をとられる可能性が高まります。
自己破産の準備は、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。
3.訴訟を放置するリスク
債権者から訴訟を提起されたら、放置してはいけません。
提起された訴訟を放置することには、主に3つのリスクがあります。
- 原告の主張を認めることになる
- 財産を差し押さえられる可能性がある
- 勤務先に借金の存在がバレる可能性がある
順にご紹介します。
(1)原告の主張を認めることになる
自己破産の準備中に訴訟を提起され、それに応じずにそのままにしておくと、裁判所には、債務者が、債権者の主張した事実関係を認めたものとみなされ、敗訴判決が下されることになります。
敗訴判決を下されると、債務者は、債権者の主張のとおりに返済をしなければならなくなります。
自己破産手続の準備中に債権者から訴訟を提起された場合には、放置せずになるべく早く弁護士に相談して対応を進めることが望ましいです。
(2)財産を差し押さえられる可能性がある
提起された訴訟を放置した結果債権者が勝訴判決を得ると、、債権者は判決に基づいて債務者の財産を差し押さえることができるため、債務者は財産を失う可能性があります。
差押えの対象になる財産は主に以下の4項目です。
- 不動産
- 自動車
- 動産
- 債権(特に預貯金債権・給与債権)
このなかでも、預貯金や給与などの債権が差し押さえられる可能性が高いです。
財産が差し押さえられてしまうと、債権者の債権回収に充てられてしまいます。
預貯金債権や給与債権を差し押さえられた場合には、債権額の全額が回収できるまで差押えの状態が継続する可能性があります。
債権者による差押えを回避するためにも、訴訟が提起されれば放置せずに応じることが重要です。
差押えの対象財産や差押えを防ぐ方法について、詳しくは以下の記事をご確認ください。
(3)勤務先に借金の存在がバレる可能性がある
債権者から訴訟等が提起された後、これを放置すると、上述のとおり、最終的に財産を差し押さえられる可能性があります。
そして、債権者が、債務者の給与債権を差し押さえた場合、債務者の勤務先が、債権者に給与の一部を直接支払うことになります。
このとき、裁判所は、勤務先の給与支払い事務を行っている部署に対し、債務者の給与を差し押さえる旨の書類を送付します。
そのため、給与債権が差し押さえられた場合には、このように裁判所から勤務先に書類が送付されますので、勤務先に借金の存在がバレる可能性があるのです。
4.自己破産準備中に訴えられたときの対処法
自己破産準備中に裁判所から封書がきたときは、どの裁判所から、何という題名の書面が届いたのかをまず確認しましょう。
そして、届いた書面を持参するなどして、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
もし、届いた書面が支払督促であれば、封書が届いてから2週間以内に、裁判所に対し異議を申し立てる必要があります(督促異議申立書)。
万一異議を申し立てずに放っておくと、債権者が強制執行をできるようになってしまい、給料などを差し押さえられてしまうことになります。
一方で、届いた書面が訴状であれば、裁判所が指定した締切日までに反論書面(答弁書)を提出する必要があります。
仮に反論もせずに放っておくと、上述のとおり、債権者の主張を認める判決が出ることになり、最終的には給料などを差し押さえられてしまうことになります。
いずれにしても、裁判所から通知がきた場合には、裁判所に対して、急いでリアクションをする必要があります。
裁判手続を進めるには専門的な知識が必要になりますので、すぐに弁護士に相談することを強くおすすめします。
まとめ
自己破産の準備中にも訴えられることがあります。
もし訴えられてしまうと、財産を差押えられたり、勤務先に借金の存在が分かってしまったりする可能性が出てきます。
このような事態に陥ることをできるだけ避けるため、裁判所から何らかの通知がきたときには、まずはどの裁判所から、何という題名の書面が届いたのかを確認しましょう。
そして、裁判所に対して適切なリアクションをしましょう。
これらの手続をご自身で対応することは可能ですが、専門的な知識が必要になるので、裁判所から封書がきたときは、届いた書面を持参するなどして、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。
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