弁護士が解説!任意整理を失敗させない方法
「任意整理を利用して生活を再建したい」
「任意整理で借金の整理を成功させるためのポイントは?」
任意整理の利用によって借金の整理を行うことを検討されている方の中には、このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
任意整理は借金の利息のカットや毎月の返済額を減額して返済の負担を減らす手続です。
しかし任意整理でも失敗してしまうケースがいくつかあります。
任意整理を考えている方の中には、任意整理の失敗例や失敗する理由を知っておきたい、対策をしておきたいと考えている方もいるかと思います。
この記事では、任意整理が失敗するケースや失敗への対策を解説しますので、任意整理が上手くいくようにこの記事を読んで参考にしてください。
1.任意整理でよく発生する失敗例
任意整理では、次のようなよくある9個の失敗例があります。
このような失敗例に当てはまらないように注意して任意整理を行う必要があるでしょう。
(1)借金を3~5年以内に完済できない
任意整理とは、借金の利息をカットして、元金を3~5年で分割して返済する手続です。
借金額が大きいなどで5年より長い返済スケジュールに債権者が応じることはありますが、原則としては3~5年という期間でないと債権者との合意が困難です。
そのため、任意整理をするにあたっては借金の金額を3年~5年で割った金額を毎月支払うことができないといけません。
その見通しがたっていないと任意整理をしても失敗してしまうでしょう。
(2)弁護士費用が払えない
任意整理を弁護士に依頼するには弁護士費用が必要になります。
この費用は分割払いができる法律事務所が多いです。
弁護士に依頼をして、弁護士から債権者に受任通知を出して毎月の借金の支払いがストップした後、分割で費用を支払うことになります。
ただ、借金の支払いを止めても、毎月分割した費用の支払いができないと任意整理の依頼が難しくなってしまうでしょう。
(3)債権者が任意整理に応じない
ほとんどの貸金業者やクレジットカード会社は任意整理の交渉に応じ、返済の負担を軽減した内容で和解に応じます。
しかし、中には任意整理の交渉に一切応じずに借金の一括の返済を求めてくる業者がいます。
任意整理を行って交渉を重ねたとしてもその業者との合意ができないため任意整理で借金の整理を図ることが困難になります。
このような場合には破産や個人再生等他の債務整理の手続を検討するとよいでしょう。
(4)借入金の金利が低い
任意整理は、借金の利息をカットして返済をしやすくする手続です。
そのため、元の借金の利息が低い場合には利息のカットという部分の任意整理の恩恵は小さくなります。
そのため、借入金の金利が低い場合には任意整理をしても失敗に終わる可能性が高くなってしまうでしょう。
例えば、奨学金や教育ローンなどは金利が低く、毎月の返済額も大きくありませんので、任意整理を行ってもメリットがほとんどありません。
このような場合には、債権者が利息減免の制度を設けている場合もありますので、債権者に相談をしましょう。
(5)任意整理が2回目である
1回目の任意整理と2回目の任意整理の借金が異なれば特に問題はありません。
問題は同じ借金について2回の任意整理を行おうとする場合です。
1度任意整理して決まった返済ができなかった場合にまたその借金について任意整理をする場合には、債権者は厳しい対応をすることが多いです。
そのため、新たな返済スケジュールの合意ができなかったり、利息のカットを認めなかったりと条件が厳しくなることがあって任意整理が失敗する可能性が高まってしまうでしょう。
(6)担保権が付いている
住宅ローンの抵当権や自動車の所有権留保、連帯保証人が付いているなど借金に担保権が付いている場合は任意整理が失敗するリスクが高いといえます。
債権者としては、住宅を競売にかけたり、自動車を引き上げたり、連帯保証人に請求をすることで、債権の回収をすることができます。
そのため、このような場合には、任意整理が適しているとは言えないでしょう。
(7)借入れをしたばかりである
借入れをしたばかりで毎月の返済を行っていないか数度行っただけという場合、債権者からは予め任意整理を行おうと考えて借金をしたのではないかと厳しい目で見られます。
そのため、利息のカットや長期の分割に債権者が応じにくくなってしまうため、任意整理が失敗する可能性が高くなってしまうでしょう。
(8)合意した金額の返済ができない
任意整理を行って新たな返済スケジュールと毎月の返済金額が定まった後、毎月の返済額を支払うことができずに2回以上返済を滞納してしまうと債権者から借金の一括請求が行われてしまいます。
そうするとせっかく行った任意整理は白紙になってしまい、失敗してしまいます。
任意整理では今後毎月継続して返済していくことができる金額を合意するようにしましょう。
(9)独自に借入れを行ってしまう
任意整理を行っている借金以外に、独自に借入れを行ってしまうことも要注意です。
任意整理では毎月の収支を確認して、継続して支払っていくことのできる金額を債権者と合意する手続です。
そこで、弁護士が把握していない独自の借入れを行ってしまった場合、その借金の返済分の支出が余計に生じてしまうことになります。
これでは、任意整理をした借金を継続して支払っていくことができなくなってしまう恐れがあります。
借金については最初の相談時にすべて弁護士に申告をし、新たに借入れをすることは控えましょう。
2.任意整理を成功させるためのポイント
任意整理を成功させるためには次の5点によく注意してください。
(1)早い時期に任意整理を行う
借金の返済が難しいと思ったらなるべく早めに弁護士に相談して任意整理に着手するべきです。
返済に困難を感じた後、他から借入れを行って返済をするということを繰り返していると、借金の金額が大きくなってしまいます。
借金の金額が大きくなると、3~5年で返済することができないため、任意整理を行うことができなくなってしまいます。
そうなると、他の債務整理の方法である破産や個人再生を行うしかなくなってしまいます。
そのため、なるべく早い時期に任意整理を行うということが任意整理を失敗させないために大切でしょう。
(2)弁護士に依頼して手続をする
弁護士に依頼をしないで自身で各債権者と交渉をして支払いスケジュールの変更を行うことも可能です。
しかし、自身で交渉をした場合、多くの場合は借金に利息が付いたままで、毎月の返済額も全体の借金をきちんと確認して全社の借金を完済まで継続して返済できるようなスケジュールをうまく組むことができない恐れがあります。
そのため、弁護士に依頼をして、債権者との間で利息のカットや毎月の返済額の交渉を任せることで、任意整理の失敗を防止し、借金の完済を目指すことができるでしょう。
(3)返済を滞納しそうな場合、早めに債権者に相談する
任意整理で借金の利息をカットして毎月の支払額を調整して返済をしている中で、滞納してしまいそうな場合は、早めに債権者に相談することが大切です。
何も相談をすることなく返済を滞納してしまうと、任意整理で定めた約束に違反してしまい、任意整理が白紙になってしまう恐れがあります。
事前に債権者に相談することで、滞納が生じたとしてもその後の返済を継続したり、次の返済の際に余分に支払う等の調整することで、そのまま任意整理での返済が継続できるようにしてもらえることがあります。
返済を滞納しそうな場合は早めに債権者に相談することで任意整理の失敗を防ぐことができるでしょう。
(4)個人再生を検討する
任意整理で借金の返済が困難な場合には、他の債務整理の手続である個人再生手続を行うことを検討するとよいでしょう。
個人再生とは、裁判所に申立てをし、借金を約5分の1に減額して返済をすることができる手続です。
任意整理では、借金の元金の金額自体が変わらないのに対して、個人再生では借金の金額自体が大幅に減額されます。
任意整理とは異なり、裁判所に申立てが必要で、全債権者を対象としなければならず、必要書類の提出や高額の資産を有する場合にはそれが清算価値という基準で返済金額に反映される等の種々の条件はありますが、返済に困った債務者の方にはとても有用な手続です。
任意整理では対応が困難な場合に取るべき選択肢の一つでしょう。
(5)自己破産を検討する
また、任意整理で借金の返済が困難な場合には、個人再生のほか、債務整理の手続である事故破産手続を行うことを検討するとよいでしょう。
自己破産とは、裁判所に申立てをし、全ての借金の支払義務の免除を認めてもらう手続です。
任意整理が借金の元金の金額自体が変わらないのに対して自己破産では借金の全額が免除されます。
任意整理とは異なり、裁判所に申立てが必要で、全債権者を対象としなければならず、必要書類の提出や一定の資産を清算しなければならない種々の条件はありますが、返済に困った債務者の方にはとても有用な手続です。
個人再生と同様に任意整理では対応が困難な場合に取るべき選択肢の一つでしょう。
まとめ
本記事では、任意整理で失敗してしまう理由と失敗例についてのほか、失敗しないようにするためのコツと失敗したときの対処法を紹介しました。
専門家である弁護士に相談することで、今後の任意整理がよりスムーズに成功できるようになるでしょう。
任意整理で失敗したあるいは不安があるという方は、弁護士に相談することをおすすめします。
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