建設アスベスト給付金請求の手引きとは?三つの種類と請求するための条件
この記事の内容を動画で解説しております。あわせてご視聴いただければと思います。
「建設アスベスト給付金はどうやって請求するのか?」
「建設アスベスト給付金請求の手引きにはどのようなことが記載されているのか?」
建設アスベスト給付金の申請をしようと思っている方の中には、どうやって請求すればよいのか分からず困っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、建設アスベスト給付金の請求方法や請求の手引きの種類、請求するための条件についてご紹介します。
1.建設アスベスト給付金の請求方法
建設アスベスト給付金は、申請に必要な書類を揃えて、厚生労働省労働基準局労災管理課に提出するだけで請求できます。
なお、書類を提出するときは、簡易書留やレターパックなど配達状況や到着の確認ができる方法で行わなければなりません。
具体的な必要書類は、厚生労働省が公表している「建設アスベスト給付金請求の手引き」に記載されているので、必須の書類が何なのか確認しておきましょう。
2.「建設アスベスト給付金請求の手引き」の三つの種類
「建設アスベスト給付金請求の手引き」の種類は三つです。
まず、労災認定を受けている者しか利用できない労災支給決定等情報提供サービスか否かで二つに分かれています。
そして、給付金を追加請求する場合に利用するのが三つ目です。
各手引きの違いは、提出必須の書類の内容で、手引きによって必須と記載されている書類が異なります。
ここでは、各手引きに記載されている提出必須の書類についてご説明するので、書類を揃えるときの参考にしてみてください。
(1)労災支給決定等情報提供サービスを利用している
労災支給決定等情報提供サービスとは、建設アスベスト給付金の請求手続きの利便性を図るために設けられたサービスで、請求書の記載事項や提出書類を減らすことができます。
ただし、このサービスを利用するには、労災認定を受けていることが必要です。
もし労災認定を受けて、労災支給決定等情報提供サービスを利用している方は、「建設アスベスト給付金請求の手引き①」を利用しましょう。
「建設アスベスト給付金請求の手引き①」には、以下の書類が提出必須と記載されています。
- 請求書
- 通知書のコピー
- 死亡届の記載事項証明書(請求者が遺族の場合)
- 金融口座の通帳やキャッシュカードの写し
労災支給決定等情報提供サービスによって提出する書類が少なく、請求の負担が小さいのが特徴です。
(2)労災支給決定等情報提供サービスを利用していない
労災支給決定等情報提供サービスを利用していない場合は、「建設アスベスト給付金請求の手引き②」をご参照ください。
労災認定を受けていない方は、労災支給決定等情報提供サービスで手続の簡略化ができないため、必要な書類が多くなります。
この場合の必須書類は以下のとおりです。
- 請求書
- 住民票の写し等
- 戸籍謄本等(請求者が遺族の場合)
- 死亡届の記載事項証明書(請求者が遺族の場合)
- 被災者の就業歴・石綿ばく露作業歴の分かる資料
- 請求する区分の石綿関連疾病に罹患していることを証明する資料
- 金融口座の通帳やキャッシュカードの写し
「建設アスベスト給付金請求の手引き①」に比べると、ご自身の身分を証明するための書類が必要になります。
なお、労災認定を受けていない方でも労災申請ができる場合は「建設アスベスト給付金請求の手引き①」で手続が可能です。
労災申請ができる方は、「建設アスベスト給付金請求の手引き②」で請求するのではなく、労災申請を行うようにしましょう。
(3)追加給付金を請求したい
建設アスベスト給付金を追加で請求したい場合は、「建設アスベスト給付金請求の手引き③」をご参照ください。
過去に一度、建設アスベスト給付金請求をしたことがある場合に利用します。
このケースで必須の書類は、以下のとおりです。
- 請求書
- 住民票の写し等
- 戸籍謄本等(請求者が遺族の場合)
- 死亡届の記載事項証明書(請求者が遺族の場合)
- 請求する区分の石綿関連疾病に罹患していることを証明する資料
- 前回の給付金の認定内容等が分かる資料
- 金融口座の通帳やキャッシュカードの写し
特に他の手引きと変わったことは、「前回の給付金の認定内容等が分かる資料」が必要になっている点です。
前回の申請によって送られた認定決定通知書の写しを添付すればよいでしょう。
ここでは、「建設アスベスト給付金請求の手引き①~③」ごとに、記載されている必須書類をご紹介しましたが、場合によっては追加で必要になる書類もあります。
不備や漏れがないように、提出書類を全て揃える際は、各手引きの「給付金の請求に必要な書類」を一通り確認しておきましょう。
3.建設アスベスト給付金を請求するための条件
残念ながら建設アスベスト給付金は、アスベストに苦しんでいる全ての方が請求できるわけではありません。
建設アスベスト給付金の申請を検討している方は、ご自身が請求できるかどうか確認しておく必要があります。
厚生労働省によれば、以下の期間に特定の業務に従事していることが第一条件です。
期間 | 業務 |
---|---|
昭和47年10月1日から昭和50年9月30日 | 石綿の吹付け作業に係る建設業務 |
昭和50年10月1日から平成16年9月30日 | 一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務 |
さらに、アスベストによって石綿関連疾病にかかった労働者や一人親方(労働者を雇用せずに自分自身と家族などだけで事業を行う事業主)、中小事業主(家族従事者等を含む)であることも求められます。
ここでいう石綿関連疾病は、中皮腫や肺がん、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚、石綿肺(じん肺管理区分が管理2~4またはこれらに相当するもの)、良性石綿胸水が該当します。
これらの条件に該当している方は、先ほどご紹介した「建設アスベスト給付金請求の手引き」を参考に、給付金の申請を行いましょう。
4.建設アスベスト給付金請求に関する相談は弁護士法人みずきへ
建設アスベスト給付金の請求は、労災支給決定等情報提供サービスを利用すれば、個人で簡単に手続をすることができます。
しかし、労災認定されなかった場合はやや手間がかかるため、弁護士に相談するのもおすすめです。
弁護士に相談すれば、必要な書類や請求方法など細かい助言を受けることができるので、効率良く申請することができます。
弁護士法人みずきでは、建設アスベスト給付金請求に関する相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
建設アスベスト給付金を請求する際は、「建設アスベスト給付金請求の手引き」を参考にしましょう。
「建設アスベスト給付金請求の手引き」には、給付金の仕組みから請求の流れ、必要な提出書類など、具体的に記載されています。
労災支給決定等情報提供サービスを利用しているかどうか、追加請求なのかによって使い分けましょう。
関連記事