任意整理と自己破産の違いとは?メリット・デメリットを徹底解説
「任意整理と自己破産はどんな差があるのか」
「自分の状況だと任意整理と自己破産のどちらをすればいいのか」
借金でお困りの方の中には、任意整理と自己破産のどちらをすればよいのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、任意整理と自己破産の違いや両者のメリット・デメリットをご説明します。
1.任意整理と自己破産の違いとは
任意整理と自己破産はどちらも債務整理手続の方法ですが、内容に差があります。
両者の違いを以下の表にまとめました。
項目 | 任意整理 | 自己破産 |
---|---|---|
減額できる金額 | 利息部分の全額又は一部 | 元本と利息全額 |
手続の過程 | 裁判所に申立てない | 裁判所に申立てをする |
処分が必要な財産 | なし | 原則20万円以上の財産等 |
必要書類 | ほぼ不要 | 多くの書類が必要 |
借金の理由や内容 | 問題にならない | 問題になる |
仕事への影響 | なし | 一部資格制限等あり |
手続期間 | 約半年 | 半年~1年 |
官報への掲載 | なし | あり |
費用相場 | 1社ごとに5万円程度 | 30~60万円 |
内容を比べると任意整理の方が比較的簡易な手続であることがわかります。
どちらの手続きを行っても信用情報機関に事故情報は記録され、一定期間はクレジットカードやローンの利用ができなくなるので、事前に確認しておきましょう。
2.任意整理と自己破産を選ぶ基準
債務整理の中で、任意整理と自己破産のどちらを行うかは、基本的に債務金額と収入などの返済能力で決まります。
任意整理は、手続後に元金を3~5年以内に返済しなければなりません。
つまり、借金総額を5年60回で分割して支払いできる収入があればまず任意整理を考えることになります。
自己破産は全ての借金をゼロにする代わりに、所有している一定の財産を手放さなければなりません。
現在の返済能力から任意整理で完済が困難なほど多額の借金を負っている方は、自己破産を選択しましょう。
なお、債務整理の方法として他に個人再生という方法もあります。
個人再生は、借金を5分の1にするなど大幅な減額を裁判所に認めてもらうことで完済を目指すことが可能な手続です。
住宅ローンは支払い続けて自宅を手放さずに借金を減額できるという特徴もあります。
そのため、住宅ローンを払いつつ、他の借金を減額すれば完済が目指せそうな場合は、自己破産ではなく、個人再生も選択肢の一つです。
3.任意整理のメリット・デメリット
任意整理のメリットとデメリットについてご説明します。
任意整理は、毎月の返済金額を減額したり、借金の利息分の支払いを免除や減額するなどして、借金を返済しやすくして、3~5年かけて完済を目指す債務整理の手続です。
利息をカットして借金を返済しやすくしたとしても借金の元金部分は返済する必要があるため、自己破産と比べて借金の無くなる金額が小さく、その分比較的デメリットも少ないとといえます。
(1)メリット
任意整理のメリットには以下のようなものがあります。
- 弁護士が受任通知を出すことで債権者からの督促が止まる
- 借金の利息部分の減免ができる
- 返済スケジュールを調整して毎月の支払額の減額ができる
- 所有する財産を処分しないでよい
- 個人再生や自己破産よりも生活への影響が少ない
- 裁判所を介さずに弁護士が債権者と交渉するのみのため早期解決が見込める
- 任意整理を行う借金を選択することができる
まず、任意整理をすることで、債権者からの督促が止まり、返済に追われることがなくなります。
請求が止まっている3~10か月程度の間に弁護士が債権者と交渉をし、返済スケジュールを定め直し、それが決まったら返済を再開することになります。
借金の利息分についてカットを求めて借金を支払いやすくし、3~5年の期間で無理なく返済できるスケジュールを組むことが規程できます。
借金の返済をしながら以前より毎月の収支に余裕を持って生活できる点がメリットです。
また、自己破産と異なり、所有している財産が処分されることなく、生活環境が変わる心配もありません。
また、自己破産と異なり、裁判所が関わることがないため、家族に知られるリスクが低い点もメリットとしてあげられるでしょう。
あとは、任意整理が対象とする借金を選べるため、住宅ローンや自動車ローンを組んでいる方は、それらのローンは任意整理せずに自宅や車をそのまま維持しつつ、他の借金のみを任意整理することもできます。
(2)デメリット
任意整理をすることで、いくつかのデメリットもあります。
たとえば、以下のとおりです。
- 信用情報機関に登録されるためローンやクレジットカードが使えなくなる
- スケジュール通りに返済し続けなければならない
- 利息部分はカットできても元本は返済しなければならない
- 任意整理に応じない債権者もいる
任意整理を行うと、信用情報機関が事故情報が削除されるまでの間(5年程度)、クレジットカードやローンを利用することができなくなります。
また、借金の元本の減額はできず、返済をしなければならないため、任意整理後も借金の返済に回すお金のやり繰りは必要です。
さらに、中には任意整理に応じない債権者もいるため、必ずしも任意整理が成立するわけではないことはデメリットといえるでしょう。
4.自己破産のメリット・デメリット
自己破産は、現在の収入では借金を継続的に支払っていき、完済をすることが困難であることを裁判所に認めてもらうことで、全ての借金をゼロにしてもらう債務整理の手続きです。
メリットとデメリットをご説明するので、自己破産をすることによってどんな影響があるのか確認しておきましょう。
(1)メリット
自己破産のメリットは以下のとおりです。
- 弁護士が受任通知を出すことで債権者からの督促が止まる
- 借金が全額免除される
- 生活に必要な財産を残せる
自己破産の大きなメリットは借金が全額免除になる点です。
自己破産後は返済する必要がなくなります。
また、一定の財産を手放すことになるのですが、生活に必要な財産は残すことができるため、生活に困るということにはなりません。
多額の借金を抱えてしまい、任意整理では借金の整理が困難な方は、自己破産を検討してみましょう。
(2)デメリット
自己破産をする上で、知っておかなければならないデメリットがあります。
主に以下の3つです。
- 信用情報機関に登録されるためローンや一定期間クレジットカードが使えなくなる
- 家や価値の高い車を手放さなければならない
- 官報に氏名や住所が公告される
信用情報機関に一定期間事故情報が記録されるため、その間は任意整理と同様にクレジットカードやローンを利用することができません。
また、家や20万円以上の価値のある車など資産価値の高い財産は、手放す必要が生じます。
あとは、ほとんど見る人はいないのですが、官報に氏名や住所が公告されるという点は任意整理と異なるデメリットといえるでしょう。
もっとも、借金が全額免責されるという大きな効果が自己破産にはあるため、返済見込みの立たない多額の借金を負ってしまった方には経済的再起のためにはとても有益な制度だと思っています。
そのような状況の方は弁護士に状況を話して自己破産が適しているのか確認することを検討してみてください。
まとめ
任意整理と自己破産は、どちらも借金の返済に困った方が利用する債務整理の手続きですが、それぞれ内容は異なります。
借金を毎月の返済額を調整することで3~5年以内に返済できる方は任意整理を、返済が困難な方は自己破産を選ぶというのが大まかな目安です。
また、借金を大幅に減額して完済を目指す個人再生という制度もあるので、借金の総額や収入などの返済能力をもとに弁護士と相談して、どの手段がご自身の状況にもっとも合っているのかを確認してみましょう。
弁護士法人みずきでは、借金に関する相談を無料で受け付けておりますので、債務整理を検討している方はお気軽にご相談ください。
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