ECサイトに定めておくべき特定商取引法に基づく表示の内容について
特定商取引法に基づく表示の具体例は、以下のとおりです。
事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
事業者の氏名は、商業登記簿上の商号を用います。
業務責任者は、代表取締役を含め、役員である必要はありません。
個人で事業を営んでいる場合でも、通称や屋号の記載は認められていません。
メールアドレス
電子メールで広告を行う場合には、メールアドレスの記載が必要です。
販売価格(役務の対価)
「各商品の購入ページにおいて表示する価格」
商品やサービスに応じて価格が異なりますので、販売時に表示する購入ページを参照いただくことになります。
対価以外に必要となる費用
「各商品の購入ページにおいて表示する」
送料等、購入者の負担となる費用が対象です。販売価格と同様に、購入ページを参照いただくことになります。
代金(対価)の支払時期、方法
「支払時期は利用規約に定める」
「支払方法は、クレジット決済とする。」
支払時期は、利用規約に詳細な規定を明記して、特定商取引法に基づく表示では、簡単にその旨記載します。
支払方法はすべて明記します。一部の支払い方法しか記載しないということは認められていません。
商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
商品の場合「代金決済手続の完了後速やかに発送する」
役務の提供の場合「代金決済手続の完了確認後直ちに」
ウェブ上で完結する無形のサービスであれば、代金決済と同時の提供が求められるため、ユーザーに対してタイムラグが生じるとの誤解を生じさせないよう「直ちに」と表示することが一般的です。
返品の特約
「本サイトで販売する商品については、購入手続完了後の返品又はキャンセルを受け付けておりません」
返品を受け付けていないことを明示しない場合、購入者は、商品到着後8日以内であれば、申込みをキャンセル又は契約の解除、返金を求めることができます。
ソフトウェアの動作環境
「動作環境及び必要スペックは、購入ページにおいて表示する」
「動作環境及び必要スペックは、購入ページにおいて表示する」
商品がソフトウェアの場合、動作環境を表示します。購入ページでは、OSの種類、CPUの種類、メモリの容量、ハードディスクの空き容量を明記します。
<表示を省略できる場合>
ECサイトのスペースの都合で、上記の表示事項を掲載できない場合もあります。そのような場合は、メール等により「遅滞なく」上記の表示事項を提供することを表示して、かつ、実際に消費者から請求があった場合に「遅滞なく」提供できる措置を講じている場合には、上記の表示事項を一部省略することができます。
当事務所では、特定商取引法に基づく表示の作成前、既に作成して実際に運用されている場合のいずれについても、法律相談を実施しています。
ご相談の際に、利用規約、プライバシーポリシーとあわせて、特定商取引法に基づく表示を確認させていただきます。
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