ECサイトに関連する法律
当事務所では、ECサイトを運営する事業者向けに各種法律相談を実施しています。特に留意する法令等は、以下のとおりです。
景品表示法
ECサイト上の取引において、広告段階で問題となるのは、景品表示法上の不当表示にあたるか否かという問題です。景品表示法上、不当表示とされる類型は、?優良誤認表示、②有利誤認表示、③その他となります。
特に、②有利誤認表示は、取引条件に関して誤認をあたえるおそれのある表示で、トラブルを生じ易いものです。消費者を不当に誘引することがないよう、注意が必要です。
特定商取引法
ECサイト上の取引は、特定商取引法の定める通信販売にあたります。特定商取引法は、購入者の利益保護と商品の円滑な流通を目的として、事業者に各種規制を施しています。例えば、販売条件の広告に際する表示(同法11条)、承諾通知(同法13条)、消費者の法定返品権(同法15条の2)が挙げられます。
販売条件の広告に際する表示
事業者は、ECサイト上で商品の販売条件を広告する際、商品の販売価格、代金の支払時期及び方法、引渡し時期等、商品の売買契約の申込の撤回又は売買契約の解除に関する事項(返品を認めない場合はその旨)、事業者の氏名、住所、電話番号などをウェブサイト上に表示する必要があります(同法11条)。
また、商品の性能、種類、効能、商品の原産地等、売買契約の解除や撤回に関する事項について、事業者による誇大広告を禁止して(同法12条)、一定の場合を除いて承諾を得ていない消費者に対する電子メール広告も禁止しています(第12条の3)。
個人情報保護法
個人情報取扱事業者にあたる場合、事業者は、個人情報の利用目的を特定して表示する必要があります。また、第三者へ個人情報を提供する場合には、消費者の同意が必要になります。
不正アクセス禁止法
不正アクセス禁止法は、ID・パスワード等のアクセス制御を免れる行為や、他人のID・パスワードを入力して、他人になりすます行為などを禁止して、違反した場合には3年以下の懲役または100万円以下の罰金との罰則を設けています。事業者は、不正アクセスが疑われる場合に速やかに通報ができるようすべきです。
なりすまし対策
なりすまし行為によって事業者と本人との間に契約関係は生じないため、原則として事業者は本人に対して代金請求をすることはできません。このような事態を未然に防ぐべく、利用規約において本人負担の旨制定、クレジットカード決済とする、電子署名を必要とする等の対策が考えられます。
商品の種類、コスト等に応じて、なりすまし対策を選択しましょう。
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