B型肝炎給付金の申請を弁護士に依頼するメリットとは?申請依頼の流れと注意点

執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

「B型肝炎給付金の申請は弁護士に頼むべきなのか」
「B型肝炎給付金の申請を弁護士に頼むときはどのような流れなのか」

B型肝炎給付金の申請を検討している方の中には、弁護士に手続を依頼するか迷っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、B型肝炎給付金の申請を弁護士に依頼するメリットや依頼するときの流れ等についてご紹介します。

1.B型肝炎給付金の申請を弁護士に依頼するメリット

B型肝炎給付金の申請を弁護士に依頼するメリット

B型肝炎給付金の申請を弁護士に依頼することでいくつものメリットがあります。

主なメリットは以下の3つです。

  1. 資料集めを一任できる
  2. 漏れなくスムーズに申請できる
  3. 給付までフルサポートを受けられる

弁護士に相談するか迷っている方は、これらのポイントを参考に検討してみてください。

(1)資料集めを一任できる

弁護士に申請の手続を依頼すると、必要な資料集めを一任することができます。

B型肝炎給付金の申請には、さまざまな書類を用意しなければなりません。

弁護士は給付金の申請に必要な資料等を把握しているので、的確に集めることが可能です。

また、相談者本人が収集する必要がある書類も、取得方法等について助言を受けることができます。

資料集めは給付金の申請手続を進める上で特に負担がかかるところですので、手間を省きたい方は弁護士に依頼されることをおすすめします。

(2)漏れなくスムーズに申請できる

弁護士は、資料集めをはじめ、資料の提出先など、B型肝炎給付金の申請に何をすべきなのか把握しているため、漏れなくスムーズに申請できる点がメリットです。

特に提出資料に不備があると、給付金の申請手続が滞る場合があります。

B型肝炎給付金を受給するためには、国家賠償請求訴訟を提起しなければならず、申請まで時間がかかる傾向があるので、弁護士に依頼して効率よく手続を進めましょう。

(3)給付までサポートを受けられる

弁護士に依頼すれば、給付までサポートを受けられる点も魅力です。

たとえば、自身がB型肝炎給付金の対象かどうか、どの資料が必要でどうやって入手できるのかなど、一般の方にとっては馴染みがない点の助言を受けることができます。

弁護士に依頼することで、給付金の申請をスムーズに行うことができ、適宜助言を受けられるため、自身で申請するよりも負担を軽減することができるでしょう。

2.B型肝炎給付金には請求期限がある

B型肝炎給付金には請求期限がある

B型肝炎給付金には、請求期限があります。

法務省によると、国家賠償請求訴訟を提起できる期間が、令和9年3月31日まで延期されました。

B型肝炎給付金の対象者が少なくとも40万人以上いる中、実際に給付金を支給された方は令和4年1月31日現在では、7万7101名しかいません。

数年の猶予はありますが、訴訟手続に時間がかかることを考慮し、対象者の方はなるべく早めに準備に取り掛かりましょう。

3.B型肝炎給付金を弁護士に依頼する流れ

B型肝炎給付金を弁護士に依頼する流れ

B型肝炎給付金を弁護士に依頼するときの流れについてご紹介します。

主な流れは以下のとおりです。

  1. 相談
  2. 証拠収集
  3. 給付金請求

弁護士に相談する際の参考にしてみてください。

(1)相談

まずは、B型肝炎ウイルスの感染者である旨を説明し、給付金に関する相談をしましょう。

相談では、B型肝炎給付金に関する制度や給付までの流れ等の説明を行いますので、どのようなスケジュールで申請が行われるのか確認することが大切です。

B型肝炎給付金は全ての人が請求できるわけではないため、給付金の対象者かご自身で判断できない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士が給付金の請求が可能であると判断した場合、契約内容を提示しますので、納得がいけば契約書を取り交わします。

(2)証拠収集

B型肝炎給付金の対象者である可能性があると判断されたら、給付金の申請に必要な証拠の収集を行います。

たとえば、申請手続にはB型肝炎の感染経路を証明する資料や医師による診断書等が必要です。

必要に応じて医療機関での検査を受けなければならず、状況によって収集にかかる期間が異なります。

あくまで目安ですが、証拠収集には2~3か月程度かかることを想定しておきましょう。

(3)給付金請求

収集した証拠をもとに、最終的に弁護士が給付金の請求の可否を判断します。

請求できると判断した場合は、国家賠償請求訴訟を提起し、その後和解が成立したら給付金が支給されます。

4.B型肝炎給付金に関するよくある質問

B型肝炎給付金に関するよくある質問

B型肝炎給付金に関するよくある質問をまとめました。

特に相談時に多い質問は以下のとおりです。

  1. 給付金の支給までの期間はどれくらいか
  2. 必ず弁護士に依頼しなければ請求できないのか
  3. 完治していても請求できるのか
  4. 必ず訴訟を提起しなければならないのか

不明な点や気になる点がある方はチェックしてみてください。

(1)給付金の支給までの期間はどれくらいか

B型肝炎給付金は、訴訟提起から支給まで半年~1年数か月程度かかる傾向があります。

基本的には、証拠収集に多くの時間を費やすことになり、訴訟提起後は、2~3か月ごとに口頭弁論期日が開催されることが多いです。

目安ですが、訴訟提起から和解まで5か月~1年程度といわれており、和解調書の提出から給付金支給まで50日程度かかります。

そのため、1年はかかることを想定して、B型肝炎給付金の申請手続を進めましょう。

(2)必ず弁護士に依頼しなければ請求できないのか

B型肝炎給付金は、必ずしも弁護士に依頼しなければ請求できないわけではありません。

法的知識がない方でも、ご自身で給付金を請求することが可能です。

しかし、国家賠償請求訴訟を提起しなければならず、証拠資料をもとに主張立証することを求められるので、当事者自身では難しい対応を強いられます。

そのため、法律の専門家である弁護士に依頼するのが無難です。

(3)過去に感染歴があるだけでも請求できるのか

B型肝炎ウイルスに感染したものの、ウイルスが体内から排除されている場合は、B型肝炎給付金を請求することはできません。

給付金の申請条件の一つに、持続感染(現在もB型肝炎ウイルスに感染している状態)があります。

つまり、感染歴があるだけで申請時にウイルスが体内に存在しない場合は持続感染に該当しないため、残念ながら給付金の申請対象外と判断されることになります。

(4)必ず訴訟を提起しなければならないのか

B型肝炎給付金は、国家賠償請求訴訟を提起した後で裁判所を介して和解することで受給できるため、必ず訴訟を提起しなければなりません。

一般的な給付金制度は、専用窓口に申請書類を提出するだけで済むことが多いですが、B型肝炎給付金はそのような手続とは異なります。

国家賠償請求訴訟を提起し、要件に該当すると判断された場合に限り、給付金が支給されることを知っておきましょう。

まとめ

B型肝炎給付金を請求する場合は、なるべく弁護士に依頼することをおすすめします。

ご自身で訴訟を提起し、給付金の申請をすることも可能ですが、専門知識が必要で、高度な対応が求められるため、時間と手間を考慮すると弁護士に相談するのが無難です。

弁護士法人みずきでは、B型肝炎給付金に関する相談を無料で受け付けておりますので、一人で悩まずに、お気軽にご連絡ください。

執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。