車のローンを任意整理の対象にすることはできる?ローンを組むポイントも解説
「車のローンを任意整理の対象にすることはできる?」
「任意整理すると車を手放さなければならない?」
車のローンが残っている状態で任意整理をしたら、車を失ってしまうのか不安になりますよね。
車のローンを任意整理の対象にするのか対象から外すのかで、車が手元に残るかが決まります。
また、任意整理後に車のローンを組む場合は一定期間経過後にローン審査を行うなど注意するべき点があります。
本記事では、車のローンの任意整理について詳しく解説します。
1.車のローンを任意整理の対象にすることはできるのか
車のローンを任意整理の対象にすることはできますが、車を手放さなければならないケースが多いです。
というのも、車をローンで購入した場合、「所有権留保」の対象となっています。
所有権留保とは、車のローンの支払いが終わるまで、車の所有権をローン会社としておき、ローンが支払えなかった場合の担保とする制度のことです。
ローンの支払いが滞った場合、ローン会社は車を引き上げる権利があります。
保有している車が所有権留保の対象となっているかどうか把握していない場合は、契約書にて確認できます。
所有権留保がついている車を任意整理の対象とすると、ローン返済を滞納したと捉えられるので、車を引き上げられます。
車のローンを任意整理の対象にすると、車を手放す必要がありますが、それを理由に任意整理をしないという判断には注意が必要です。
なぜなら返済が厳しいにも関わらず、任意整理をすることをためらっていると、どんどん状況が悪化し、任意整理ではなく破産でしか借金の整理ができない状況になってしまうなど、債務整理の選択肢が狭まってしまいます。
返済が厳しいまま放置するのではなく、早めに対処することを心がけましょう。
2.任意整理後に車のローンを組むことができるのか
任意整理直後は車のローンを組むことはできず、任意整理の完済後、5年が経ってからでないとローンを組むことはできません。
任意整理を含む債務整理の手続きを行うと、信用情報機関に事故情報として登録されます。
ローン審査をする際は、債権者が信用情報機関の事故情報を参照するので、任意整理を行っていると審査に通過できない可能性が高いのです。
任意整理後に車のローンを組むには、以下のような対処が必要です。
- 事故情報削除後にローンを組む
- 事故情報削除後、開示請求で状況を確かめる
- 任意整理をした会社以外でローンを組む
- ローン審査で重要な要素を把握しておく
- 一度に複数の会社に申し込まない
順にご説明します。
(1)事故情報削除後にローンを組む
任意整理後に車のローンを組みたい場合は、事故情報削除後に審査に申し込む必要があります。
事故情報削除の期間の目安は信用情報機関によって異なり、以下のようになっています。
日本国内の信用情報機関は以下の3つであり、事故情報が削除されるまでの期間は表のとおりです。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 株式会社日本信用情報機構(JICC) | 全国銀行個人信用情報センター(KSC) |
完済から5年 | 完済から5年
(ただし、2019年9月30日以前の契約は、受任通知の送付日から5年) |
完済から5年 |
(2)事故情報削除後、開示請求で状況を確かめる
任意整理後に車のローンを組むには、信用情報機関から事故情報が削除されていることを確認する必要があります。
事故情報が信用情報機関に残っているか判断できない場合は、信用情報機関に対する開示請求で確認しましょう。
以下が各信用情報機関の開示請求の方法になります。
信用情報機関 | 情報開示請求の方法 | 開示請求手数料 |
CIC | インターネット、郵送、窓口で受付 | インターネット、郵送:¥1,000
窓口:¥500 |
JICC | インターネット、郵送、窓口で受付 | インターネット、郵送:¥1,000
窓口:¥500 |
KSC | 郵送のみ受付 | ¥1,000 |
(3)任意整理をした会社以外でローンを組む
ローンを組む際は、任意整理をした会社以外を選択するのがおすすめです。
各貸金業者は、独自に任意整理を行った人の情報を管理しているケースが多いので、信用情報機関から事故情報が削除された後もその対象会社ではローンの審査が通過しないことがあります。
なお、系列会社も情報を保有していることがあるので系列会社への申し込みも避けることが無難です。
一方、任意整理で関与したことのない貸金業者であれば、信用情報機関の情報しか保有していないので、事故情報が削除された後は審査に影響しないです。
任意整理をした会社と系列会社以外で、ローンを組むことを検討しましょう。
(4)ローン審査で重要な要素を把握しておく
任意整理後に車のローンを組むには、ローン審査で重要な要素を把握しておくことが大切です。
事故情報が削除されれば、債務整理をしたという事実が審査に不利に働かなくなりますが、他の要素で与信審査が行われるため、必ずしもローン審査に通るとは限りません。
ローン審査に通過するには、次のような一定の条件を満たす必要があります。
- 頭金
- 借入時・完済時の年齢
- 年収
- 勤続年数
- 連帯保証人
ローン審査に通るには、返済能力を示す必要があります。
事故情報削除までの期間を利用し、審査要件を通過できるよう可能な限り調整しておきましょう。
(5)一度に複数の会社に申し込まない
車のローンを申し込む場合、一度に複数の会社に申し込まないのがおすすめです。
任意整理後はローン審査に通過するかどうか心配をし、焦って複数の会社に申し込みがちです。
しかし、ローン審査に通らないと個人信用情報に履歴として残り、不利になるリスクがあります。
信用情報機関にはローン申し込みの履歴情報も管理されるため、一度に多くの履歴が登録されていると債権者からすると支払能力を不安視されてしまうことにつながります。
複数の会社に申し込むことがローン審査に有利に働かないことを把握しておきましょう。
3.車のローンの任意整理で悩んでいる場合は弁護士に相談を
車のローンの任意整理で悩んでいる場合は弁護士に相談するのがおすすめです。
車のローンを任意整理の対象にすることはできますが、どうしても車を手放したくない場合は状況によって任意整理の対象から外すなどの対処ができるケースもあります。
また、任意整理後に車のローンを組みたい場合も、弁護士に相談することで、上述のようなローンを組みにくい期間や状況を確認することができます。
自力で判断するのが難しい場合は最適な判断ができるよう、弁護士に相談してみましょう。
まとめ
所有権留保の対象となっている車のローンを任意整理の対象にすると、ローン返済を滞納したと捉えられるので、車を引き上げられます。
保有している車が、所有権留保の対象となっているかどうかが重要なポイントとなります。
また、任意整理をすると、信用情報機関に事故情報として登録されます。
そのため、任意整理後に車のローンを組むのは、難しいケースが多いです。
とはいえ、事故情報削除後であれば、ローンの審査に通過できる可能性が十分あります。
車のローンと任意整理に関する正しい情報を把握し、適切な方法で借金問題を解決しましょう。
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