交通事故で示談が進まない理由と対処法について弁護士が徹底解説!
「交通事故で示談交渉が進まない」
「このまま待っていていいのだろうか」
交通事故の示談交渉が進まないこと自体にストレスを感じることはもちろん、このままでは慰謝料や損害賠償金が請求できなくなるといったリスクを抱えかねません。
今回の記事では、交通事故で示談交渉が進まない理由とその対処法について解説します。
弁護士に依頼するメリットも説明しているため、ぜひ参考にしてください。
1.交通事故で示談交渉が進まない5つのケース
交通事故の示談交渉が進まないと、いつごろ賠償金を受け取れるのか不安に感じられることと思います。
また、たちの悪い相手が原因で示談交渉が進まない場合、交渉によりストレスを感じてしまうでしょう。
ただし、示談交渉が進まない時は、さまざまな原因が考えられます。
交通事故の示談交渉が進まない5つのケースをご説明するので、なにが原因で示談交渉が遅れているか確認してください。
(1)過失割合などの事故態様に争いがある
過失割合などの事故態様に争いがあることで、交渉が円滑に進んでいない可能性があります。
過失割合とは、交通事故の原因や責任が加害者と被害者にそれぞれどれくらいであるかを割合で示したものです。
過失割合が1割異なるだけでも示談金額に大きな差が出るため、示談交渉における過失割合は重要です。
過失割合で争いとなる場合、ドライブレコーダーや防犯カメラなどの客観的な資料が必要になります。
もしドライブレコーダーや防犯カメラなどがなく、人身事故の場合には刑事記録も有用です。
しかし、刑事記録は捜査が終了してから出ないと取得できません。
そのため、刑事記録をもとに過失を交渉する場合は、記録取り付けのために期間を要することになります。
特に、死亡事故などの重大な事故の場合は1年以上かかるケースも少なくありません。
(2)後遺障害の審査に時間がかかる
後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を申請を行います。
後遺障害等級の認定を受けることによって、後遺障害慰謝料や逸失利益といった項目を新たに請求できるようになるため、後遺障害等級認定申請は交通事故の示談において重要な手続です。
しかし、後遺障害等級認定申請にはある程度の期間を要します。
交通事故による傷病で多い頸椎捻挫や腰椎捻挫(むちうち)の場合だと、申請から認定結果の受領まで、最低でも2〜3か月ほどの期間を要します。
さらに、高次脳機能障害や脊髄損傷などの複雑な傷病であると1年以上かかることもあります。
(3)請求内容に争いがある
認定された後遺障害等級と逸失利益、休業損害など、請求内容に争いが生じるケースです。
たとえば、逸失利益の場合は認定された後遺障害の内容が被害者の業務内容に影響を及ぼさないものなのではないか、休業損害の場合は休業の必要性や休業損害の日額はいくらになるのかなど、金額の算定根拠や算定方法について相手方保険会社との間で争いとなることがあります。
(4)加害者側の任意保険会社が契約者(加害者)を説得できない
任意保険会社は請求内容に合意していても、加害者側が納得していない可能性があります。
一般的に、示談内容が固まるとその内容で示談に応じるか保険を使うかなど、契約者である加害者が判断します。
珍しいケースではあるものの、加害者自身の了承が得られず示談が進まないこともあります。
(5)加害者が任意保険に加入していない
加害者が任意保険に加入していないことで、示談交渉が長引きやすくなります。
本来であれば、交通事故の被害者に対する賠償は加害者の入っている保険会社が行います。
一定までの金額は自賠責保険会社が負担し、それ以上の部分を任意保険会社が負担することが一般的です。
しかし、加害者が任意保険に加入していなければ、自賠責保険で補えない分を加害者本人に請求しなければなりません。
被害者が示談交渉を進めたくても、加害者側が交渉を始めようとしなかったり、示談金の額を下げようとしたりするため、円滑に進みづらくなります。
2.交通事故で示談交渉が進まない時の3つの対処法
交通事故の被害者となったら、示談を早く終わらせたいと思うことは当然です。
先述した交通事故で示談交渉が進まないケースごとに解説します。
(1)必要な材料が揃うまで待つ
1の(1)や(2)で取り上げたような刑事記録の取り付けを待っている、後遺障害等級認定の審査を待っているといったケースで示談が進まない場合は、残念ながら待つほかありません。
適切な解決を図るためには、必要な情報や資料を収集する必要があります。
経済的に困窮している場合は、裁判手続である仮払い仮処分を行うことも選択肢としては視野にはいります。
もっとも実務上使うケースは稀です。
(2)客観的な資料を出して疎明する
1の(3)(4)で取り上げたような請求内容に争いがある場合や加害者側の任意保険会社が契約者(加害者)を説得できない場合は、請求内容が妥当であることを証明する客観的な資料を出して相手を説得することで解決できることがあります。
それでも進展がない場合、交通事故紛争処理センターや裁判などのほかの紛争解決手段を使うことを視野にいれなければなりません。
どの解決手段が適切かは事案や収集できている証拠などによって異なります。
弁護士に相談することをお勧めします。
(3)内容証明郵便を送付する
1の(5)で取り上げた加害者が任意保険に加入しておらず、連絡を絶たれている場合は、損害賠償請求の内容証明郵便を送付しましょう。
内容証明郵便とは、いつ、どのような文書を誰に差し出したかを日本郵便が証明してくれる制度です。
内容証明郵便を送付することで、請求をしたという事実を客観的に残すことができます。
もっとも、内容証明郵便を送って終わりという訳ではありません。
それでもなお相手方が動かない場合は、裁判所を介した手続も視野にいれなければなりません。
相手方が音信不通の状態を長く放置すると、そのまま足取りがつかめなくなってしまうことも少なくありません。
加害者と連絡がとれないという状態の方は、なるべく早く弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
3.弁護士に示談交渉を依頼する3つのメリット
ここまでご説明したとおり、示談交渉が進まない時は、待っていていい状況なのか、待っていてはいけない状況なのか、被害者本人に判断が付かないケースが多々あります。
被害者の方の不安ははかりしれないものです。
不安を解消するためには弁護士へご相談いただくことが有効です。
弁護士に示談交渉を依頼するメリットについて解説します。
(1)状況に応じて適切な解決策の提示を受けられる
弁護士に相談することで適切な解決策の提示を受けることができます。
示談が進まない場合は、待っていればいいのか、待っていても良い方向にはいかないのか、状況に応じて様々です。
中には相手方保険会社から「請求金額が大きく担当レベルでは判断できないから裁判にしてほしい」といわれるケースもあります。
弁護士に相談することで、今生じているのは必要な時間なのか、解決手段はこのまま示談交渉でいいのかなどの提案を受けることができます。
(2)適切な賠償額で示談をすることができる
弁護士に相談・依頼することの最大のメリットは、適切な賠償額で示談することができる点です。
示談交渉の際に相手方保険会社が用いるのはその保険会社の算定基準です。
他方で、弁護士が交渉する際に用いるのは、裁判基準(弁護士基準)というものです。
裁判基準は、過去の裁判例をもとに作られた基準です。
保険会社の用いる基準と裁判基準とでは、ほとんどのケースで裁判基準の方が高い金額となります。
そのため、適切な賠償額で解決をはかるためには、弁護士にご相談することをお勧めします。
(3)治療や身の回りのことに専念できる
交通事故の被害者となった場合、怪我や治療によって仕事や家事などに制限が生じている方が多くいらっしゃいます。
そのような中で、慣れない保険会社とのやり取りや示談交渉をご自身で進めるのは負担が大きいことです。
弁護士に任せることで治療や身の回りのことに専念することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
示談交渉が進まない理由にはどのようなものがあるのか、そしてその対処法についてご紹介しました。
交通事故の示談交渉が進まない、このまま待っていていいのだろうか、といった不安を抱えている方は、他の手段を講じる必要がある、このまま待っていて良いなどの方向性がはっきりするだけでも安心できることが少なくありません。
是非一度、弁護士法人みずきへご相談ください。
当事務所の弁護士が、皆さまのご状況に応じてアドバイスをいたします。
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