解決事例
Solution
後遺障害等級とその内容
・5級2号
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
事例の概要と解決に至るまでの流れ
被害者(70代 男性)は横断歩道を歩行中、自転車と衝突し、外傷性くも膜下出血等のけがを負いました。
今後の治療や後遺障害認定申請の手続き等に不安を感じた被害者は本件事故後すぐに当事務所にご相談にみえました。
当事務所の弁護士は、被害者に対して、後遺障害が残る可能性が高いこと、賠償の観点からするとどのように進めていく必要があるのかについて丁寧にアドバイスをしました。
被害者は弁護士のアドバイスをもとに医師の指導のもと通院を継続しました。長期間におよぶ治療の末、イライラや抑制困難等の症状が残りました。
当事務所の弁護士が治療や症状の経過を踏まえた後遺障害診断書とともに自賠責保険へ後遺障害等級認定申請したところ、高次脳機能障害として5級2号が認定されました。
認定結果を踏まえて、加害者側の保険会社と示談交渉を開始しましたが、折り合いがつかずやむなく訴訟となりました。
1年以上に及ぶ裁判の結果、納得のいく内容での和解による解決に至りました。
解決のポイント
今回ポイントとなるのは、将来の介護費用です。
交通事故によって被害者に重い後遺障害が残ってしまい、将来ずっと介護が必要になることがあります。
裁判所は、将来の介護費用について、医師の指示または症状の程度により必要があれば被害者の損害認めるとしています。
また、その金額については、家族が介護する場合は1日につき8000円、人に頼んで介護をしてもらう場合は実費全額を目安としたうえで、具体的看護の状況により増減するとしています。
本件では将来の介護費用について、当事務所の弁護士は、被害者の生活状況から相手方が賠償すべきであるとの考えを示しました。
これに対して、相手方は「将来の介護費用は一切認められない」と主張し、争いになりました。
そこで当事務所の弁護士は、被害者の事故後の生活の実態や経過を精査したうえで十分に主張し、将来介護費を含めた金額で解決に至りました。
裁判のうえでは、将来介護費用が認められるか否かは、被害者の生活状況に応じて判断されるため、ケースバイケースだと言えます。
そのため、介護を要する事案の賠償額の算定は極めて複雑となり、被害者やそのご家族が対応していくことは困難です。
交通事故によって重度後遺障害を負った被害者の方やそのご家族の方は、お早めに弁護士に相談することをお勧めします。