法人破産の流れ

会社(法人)破産の大まかな流れ

(1)破産手続のご相談・ご依頼

ご相談時に、会社の現在の資産、負債状況などを伺い、破産の申立をすることができるか、破産のタイミング、破産手続の内容、見通し、手続に必要な費用等をご案内します。

相談の結果、弁護士に依頼することになった場合、弁護士との間で契約をすることになります。

(2)債権者に受任通知を送付

弁護士にご依頼をされると、弁護士から債権者に対して受任通知というものを発送します。

受任通知の発送以後、債権者から会社への請求はなくなります。

依頼者の方(会社の代表者)に、債権者から連絡がくることがなくなります。

債権者との交渉の窓口は弁護士になります。

(3)破産申立の準備、資料収集、事情の聴取、従業員の解雇

会社の代表者の方から、代表者印、会社の通帳、決算書、不動産関係の権利証、証券、契約書類等をお預かりします。

弁護士が破産に至る経緯などを確認し、申立に必要な書類の収集、申立書類の作成等の申立の準備をします。

また、従業員の説明、解雇、未払い賃金への対応について、弁護士がサポートします。

(4) 破産の申立

会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所に破産の申立書類を提出します。

(5)裁判官との面接

裁判から支払ができなくなった状況などについての質問がされます。

申立から、この裁判官との面接(債務者審尋)までは、通常1か月ぐらいかかります。

弁護士に依頼した場合は、弁護士が破産者の代理人となり申立日ないしは申立日から3日以内での裁判官との面接(即日面接)も可能です。

代理人は、裁判所に対し、資産及び負債の状況、破産に至るまでの経緯を説明することになります。

このように弁護士に依頼した場合には、依頼者の方が出席する必要はなく、手続にかかる期間が1ヶ月程度短縮されるというメリットがあります。

(6)破産手続開始決定・破産管財人選任・破産管財人との打合せ

申立の翌週の水曜日に破産手続開始決定がされます。

破産手続の開始決定がされた時点で、会社は解散します。

会社の財産を管理、金銭に換える、債権者の配当を行なう破産管財人が選任されます。

破産管財人は通常弁護士です。破産管財人は、会社の財産の管理、換価、処分、配当を行ないます。

破産管財人との打合せでは、申立書類だけでは分かりにくい事情などが管財人から質問されます。

東京地裁では、原則として、手続開始決定前に破産管財人との打合せをすることが求められています。

打合せには、申立代理人である弁護士だけでなく、依頼者(会社の代表者)も出席する必要があります。

(7)破産開始決定が官報に掲載

破産手続の開始決定があったことが、官報に掲載されます。

(8)債権者の債権届出書提出期限

債権者は債権者届出期間中に債権の届出をします。

未払い賃金がある従業員も債権者となるので注意が必要です。

(9) 管財人が会社の財産を管理、届出債権を調査

破産管財人が破産する会社の財産に対する管理や調査を行ないます。

また、届出債権を調査し、債権の整理や確定作業を行ないます。

(10) 債権者集会

債権者集会というものが、破産手続開始決定から数ヵ月後(3か月程度後)に裁判所に開かれます。

債権者集会では、破産管財人から債権者に対し、破産に至った事情や会社の資産状況などについての報告が行なわれます。

裁判官、破産管財人、依頼者、申立代理人として依頼を受けた弁護士が出席します。

集会は、10分程度で終わります。

債権者の出席が可能ですが、殆どの場合、債権者が債権者集会に出席することはありません。

第1回の債権者集会で、全ての管財業務が終わらなかった場合に、第2回以降の期日が開かれます。

(11)破産管財人から債権者への配当

現金化された会社の財産の債権者への配当が行なわれます。

(12)破産手続終結決定・官報報告

破産手続が終了します。破産手続の終結があったことが、官報に掲載されます。

会社の登記簿が閉鎖され、会社が消滅します。

会社の消滅にあわせて、会社の債務が消滅します。