借金が原因で裁判になる?払えない場合のリスクや対処法をご紹介
「借金の返済が滞っているが、このまま放置すれば借入先から訴えられるのだろうか」
やむを得ず借金の支払ができなくなった場合、ご自身の今後が心配になる方もいらっしゃると思います。
借金の返済が長期間滞ったり、督促を無視したりすると、裁判に発展する可能性もあります。
本記事では、借金が原因で裁判になるケースと借金の支払ができない状況を改善するための対処法をご紹介します。
1.借金を滞納したらどうなるのか?具体的な流れを解説
借金をどうしても返済できない状況になると、対処法に困り滞納が続いてしまうケースも多くあります。
では借金の返済が滞ると、どのような状況に陥るのでしょうか。
ここからは毎月の返済を滞納した場合に起こり得るリスクについて順にご説明します。
(1)滞納してもすぐに裁判が起こされるわけではない
借金の返済が滞ると裁判で訴えられてしまうのではと心配になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、返済が滞ったからといって、放置せず対応していればすぐに裁判に発展するようなケースは少ないと言えます。
仮に借金を滞納したとしても、借入先からの連絡に真摯に対応すれば、訴訟提起のおそれや、その後の給料等の差押えなど、債務者の生活が立ち行かなくなるような事象は防ぐことができます。
(2)返済遅延で裁判になる場合の具体的な流れ
借金の返済遅延によって裁判まで発展するケースは、多くの場合以下のような流れとなります。
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ここからは上記五つの段階について、詳細をご説明します。
#1:電話による督促
借金の返済期日を過ぎても支払が無かった場合、電話(または郵便)で催促の連絡が入ります。
支払期日を忘れていたなど、支払が可能な状況であればこのタイミングで返済をしておきましょう。
この段階であれば、信用情報に事故情報が記録される可能性も低いですので、催促状に従って借金の返済をすることが賢明な判断と言えます。
また、支払期日が来ても借金を返済せずにいると借金滞納に対するペナルティとして遅延損害金がかかります。
遅延損害金は、返済期日に遅延した日から発生し借金を返済するまでの間金額が加算され続けます。
仮に返済が困難な場合は、その旨を債権者に伝え他の対処法がないかを相談することで返済期日を数日待ってもらえるかもしれません。
催促状を無視するのではなく、これらの対応をとることで債権者に理解を得られる可能性があります。
#2:書面による督促
電話による催促があったものの連絡がつかず返済もされない場合は、返済期日から約2週間程度で書面による督促が届きます。
書面には返済方法・返済金額・返済期日などが記載されているので、支払える場合は記載された内容を確認したうえで返済を行いましょう。
#3:内容証明郵便による一括請求
書面による督促を二、三か月程度放置した場合は、内容証明郵便にて借金残高の一括返済が求められます。
また、この時点で借金の返済遅延によって発生した遅延損害金も加算されている想定ですので、返済額が増えている点も認識しておく必要があります。
#4:代位弁済の発生
代位弁済とは主債務者が返済を一定期間滞納した場合に、保証人が債権者に対して返済を行うことを指します。
特に銀行などの金融機関のカードローンで借金をした際には、消費者金融が保証人として設定されているケースが多くあります。
代位弁済が行われると債権(主債務者からの返済を受ける権利)が借入先から保証人に移るため、その旨が記載された『債権譲渡通知書』が届くはずです。
この時点で借金の返済先が変更となるため、通知書に書かれた内容をしっかり把握し、誠実な対応を心がけましょう。
#5:裁判の開始
代位弁済が行われた後は、主債務者の借金を代わりに支払った保証人(消費者金融など)から督促が届くようになります。
借金を肩代わりした保証人に対しても返済を行わなかった場合は、裁判に発展することになり裁判所から呼び出しや特別送達で支払督促が届くでしょう。
裁判所の支払督促が届いた場合には、いつ財産の差し押さえが行われてもおかしくない状況になってしまいます。
ただし支払督促に同封されている督促異議申立書を2週間以内に返送すれば、いきなり財産の差し押さえが行われるのを回避することができます。
裁判に発展してしまった場合には個人で解決することが困難になるため、債務整理の専門家である弁護士に相談することを推奨します。
(3)借金滞納による裁判を無視した場合のリスク
借金が原因で裁判に発展する場合の流れについて前述しました。
実際に裁判が始まった後も、裁判所からの連絡や呼び出しを無視し続けてしまうと裁判所による判決や命令が確定してしまい、債権者による強制執行手続によって強制的に財産を差し押さえられてしまいます。
差押えの対象としては、会社から支払われる給与などの債権、自家用車などの動産、土地や住宅などの不動産が挙げられます。
訴状を受け取ってどのように対応すれば良いのかわからず不安を抱えている方は、まず弁護士にご相談ください。
2.借金が払えず裁判になる可能性がある場合は債務整理を行う
前述のとおり、借金の返済を滞納して債権者からの督促も無視してしまうと、最終的には裁判にまで発展し財産を差し押さえられることになります。
裁判になるまで借金を放置すると主債務者自身の社会的信用が損なわれる可能性があるため、借金の返済が滞る可能性に気づいた場合は早めに債務整理などの対応を行いましょう。
債務整理手続の種類と効果 | |
任意整理 |
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個人再生 |
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自己破産 |
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3.債務整理を行った場合の注意点
債務整理は、返済が困難な債務を整理できるなどのメリットがある一方でデメリットも存在します。
例えば、債務整理を行うと一定期間新たに借入を行ったりクレジットカードを作成することが難しくなったり、財産を換価処分する必要があったりするケースもあります。
債務整理を行った場合のデメリットについて順にご説明します。
(1)新たな借入やクレジットカード作成が難しくなる
債務整理を行うと、信用情報に事故情報が登録されるため一定期間新たに借入を行ったりクレジットカードを作成したりすることが難しくなります。
個人の借入・返済状況などの信用情報は信用情報機関で管理され、金融機関などは、借入等の申込があった際に支払能力を審査するために信用情報機関へ照会を行います。
その際、事故情報が信用情報に登録されていると支払能力に問題があると判断されてしまう可能性があります。
事故情報が削除されるまでの期間は、信用情報機関ごとに異なります。
信用情報機関および債務整理の方法ごとに事故情報が削除されるまでの期間をまとめると以下のようになります。
債務整理の手続方法 | CIC(株式会社シー・アイ・シー) | JICC(株式会社日本信用情報機構) | KSC(全国銀行個人信用情報センター) |
任意整理 | 完済から五年 | 完済から五年
(ただし2019年9月30日以前の契約は受任通知の送付日から五年) |
完済から五年 |
個人再生 | 完済から五年 | 完済から五年
(ただし2019年9月30日以前の契約は手続開始決定日から五年) |
手続開始決定日から十年か、完済から五年のいずれか遅い方 |
自己破産 | 免責許可決定確定日から五年 | 免責許可決定確定日から五年 | 手続開始決定日から
十年 |
ご自身の事故情報が信用情報機関に登録されているかどうかを確認するためには、以下の各信用情報機関のウェブページをご覧ください。
信用情報の確認 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会
(2)財産の換価処分が必要になることがある
債務整理の一つである自己破産をした場合、債務が免責される代わりに債務者が持っている財産を換価処分しなければならないケースがあります。
ただし、全財産を処分しなければならないわけではなく処分しなくても良い自由財産もあります。
法律上自由財産と定められているものは、99万円以下の現金、新得財産、差押えを禁止されている動産や債権があります。
紙幣や硬貨など目に見える現金は、自由財産として99万円まで自由財産として扱われますが、銀行などの預貯金は現金ではない点に注意が必要です。
新得財産と呼ばれる、破産開始決定後に破産者が取得した財産は自由財産として処理されます。
また、法律上差押えが禁止されている財産として一般家庭にある日用品や生活に必要な衣服、家具、家電製品、給料債権の四分の三なども自由財産として扱われます。
したがって、債務整理の中でも自己破産をした際に処分される財産とは、以上の自由財産に当たらない財産であるといえます。
まとめ
借金の返済をしている中で、返済自体が負担になり滞納をしてしまうこともあるかもしれません。
本記事では、債務返済が難しくなった場合に考えられる債務者からの対応や裁判までの流れをご紹介しました。
債務返済が滞納してしまったり債務整理によって借金の対処をしたいと考えている場合は、一度専門家である弁護士にご相談ください。
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