解決事例
Solution
変形障害により後遺障害8級相当の認定を受けた事例(30代 男性)
認定等級と内容
併合8級
8級相当(胸椎)
脊柱の変形障害
14級9号(頚椎・胸部)
局部に神経症状を残すもの
事例の概要と認定に至るまでの流れ
本件では、被害者が相手方車両との正面衝突により、胸椎圧迫骨折、頚椎捻挫の怪我を負いました。
被害者は、胸椎の怪我で変形障害が疑われ、頚椎捻挫による痺れを感じていたため、複数部位に障害が生じた場合に後遺障害等級がどのように認定されるのかご相談に来られました。
当事務所の弁護士から、それぞれの等級見込みやその場合の賠償額の見通しを説明し、後遺障害認定申請のサポート及び事故の相手方との賠償交渉についてご依頼をうけました。
ご依頼後、資料収集のうえ後遺障害申請をした結果、脊柱の変形障害8級と頚椎と胸部の神経症状として14級の認定となり、併合8級の認定をうけることができました。
解決のポイント
後遺障害の等級は、診断書上に認定基準となる症状や検査結果の記載があるかどうかでほとんど判断されており、怪我の部位ごとに基準にそった認定をうけることができます。
等級が一つあがるだけで賠償金が100万円以上あがるため、何級の認定をうけることができるかは重要なポイントとなります。
当事務所の弁護士は、これまで経験した多数の事例から見込める等級の見通しをたて、基準となる検査や自覚症状を調査し、事案にそった後遺障害診断書になっているか事前に確認したうえで申請することができ、併合8級の認定をうけることができました。
また、変形障害の後遺障害をうけた場合、相手方との交渉時に問題となるのは「逸失利益」です。
逸失利益とは、後遺障害により将来にわたって発生する損害のことで、労働能力喪失率と労働能力喪失期間、そして労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を使って算定することができます。
労働能力喪失率とは、その後遺障害によってどれくらい労働能力の低下が生じるかをパーセンテージで示したものです。
自動車損害賠償保障法では、後遺障害等級8級の場合、逸失利益の根拠となる労働能力喪失率は45%とされています。
しかし、変形障害においては、骨に変形が生じたからといって労働能力がただちに低下するものではないとの理由から、相手方が逸失利益は生じていないと争ってくることが多くあります。
本件でも、事故前と事故後で顕著な減収が生じていなかったことから支障があるとはいえないため、変形障害による逸失利益は認められないとの主張が相手方の代理人弁護士からありました。
これに対し当事務所の弁護士は、事故前と事故後の目に見える収入の比較ではなく被害者の現在の就労実態に着目し、そこから将来的にどのような支障が生じうるのかについて検討し、丁寧に交渉を重ねました。
結果、被害者の実情が反映され、逸失利益を含めた金額で解決に至りました。
交通事故で後遺障害が残ってしまう場合は多くあり、後遺障害の認定を受けるかどうかで賠償額が大きく変わります。
また、後遺障害認定をうけていたとしても相手方から適切な金額の提示がされていることはほとんどありません。
交通事故の被害にあわれたときは怪我に応じた適切な賠償をうけるべきですが、そのためには後遺障害申請をする前に内容が十分であるか検討し、認定をうけた後は、その後遺障害に応じた賠償額を獲得するための交渉をしていくことが重要です。
当事務所では、多数の事例と経験から事案に応じた交渉ができるよう努めておりますので、交通事故でお怪我をされた場合は、お早めのご相談をおすすめ致します。