成年後見制度の対象者や必要になる時期についてを解説!

交通事故で後遺症が残ったら慰謝料が支払われる?

1.成年後見制度が必要になる時期について

交通事故に遭い、重度の後遺障害の残存が認められる場合、特に近親者を含む周りのサポートが必要になります。

成年後見制度|付されるまでの流れを解説!は、交通事故の被害者の判断能力が不十分になってしまった場合に、利用を検討すべき制度です。

そのため、多くの場合は、被害者が高齢者であるとか、若年でも脳外傷を負ってしまったときに、その近親者の皆様が直面する課題です。

成年後見申立をすべきか時期は、被害者の入通院状況、就労(訓練)状況、近親者の年齢、他の近親者の同意の有無などの事情によって、さまざまです。

大きくは、以下の2通りとなると思います。

成年後見申立の時期

  1.  交通事故の数ヵ月後から後遺障害申請(症状固定)前まで
  2. 後遺障害申請(症状固定)後から訴え提起前まで

(1)交通事故の数ヵ月後から後遺障害申請(症状固定)前まで

脳外傷により被害者が常に判断能力を欠くことが明らかである場合です。

回復を願って被害者の入通院を見守るのが、近親者の心情ですので、交通事故の数ヵ月後に成年後見制度の利用を検討されることは稀かと思います。

しかしながら、ご高齢であったり、交通事故前から施設に通所されていたり、退院が見込めないほどの重傷を負った場合は、すぐに成年後見制度の利用を検討されるべきです。

(2)後遺障害申請(症状固定)後から訴え提起前まで

大多数の方がこの時期に当てはまるのではないかと思います。

交通事故の被害者の方は、労災保険や加害者側の任意保険から、治療費を賄ってもらうのが通常です。

この治療費を賄ってもらう期間が途切れるのが、後遺障害申請(症状固定)のときです。

そのため、この時期に被害者の今後の生活費、治療費の負担について、現実味をもって検討することになるのが普通かと思います。

また、後遺障害申請を加害者側の任意保険会社に任せずに行う方法(被害者請求)を採る場合、自賠責保険会社から、後遺障害等級に従った保険金が支払われます。

重度の後遺障害の場合は、2000万円~4000万円にも及ぶため、これを受領し、被害者本人のために管理すべき人を決めなければいけなくなります。

当事務所では、加害者側との示談交渉や裁判手続の前に、後遺障害申請(症状固定)後の被害者本人の生活環境や治療環境の充実のため、加害者側の任意保険会社に任せずに行う後遺障害申請方法(被害者請求)をおすすめしています。

2.成年後見人の対象者

成年後見人の選択は、近親者の皆様が直面するものです。

ご親族の方か、弁護士などの専門家が成年後見人に就任することになりますが、いずれを選択するか決まりはありません。

<ご親族の方>
成年後見人の活動は、交通事故の賠償金受領や管理のみならず、将来にわたって財産管理や施設の入所契約などの際に必要になります。

そのため、被害者の身の回りで付き添える方が成年後見人となる方が、何かと便宜が図れることが多いので、ご親族の方が成年後見人となることをまずはご検討されるべきと思います。

当事務所では、ご親族の方を成年後見人に就任される場合の、家庭裁判所へ成年後見開始の審判申立てのお手伝いもしておりますので、お気軽にご相談下さい。

成年後見制度の利用にあっては、家庭裁判所から、弁護士など専門家を成年後見人とすることを勧められます。

ご親族の方が成年後見人候補者となる場合、家庭裁判所からは、「弁護士などの専門家を成年後見人候補者としない理由はありますか。」と事情を問われるケースが多い印象です。

<弁護士など専門家>
身の回りで付き添えるご親族の方がいらっしゃらなかったり、いらっしゃったとしてもご高齢で体力に不安があったり、ご親族間でトラブルを抱えているケースでは、弁護士など専門家が成年後見人に就任するべきです。

3.申立ての準備に関して

申立て準備にあたっては、ご親族の方々の意見収集が被害者の財産状況が必要です。

<ご親族の方々の意見収集>
ご親族の方が成年後見人に就任する場合、他のご親族の方の同意が必要になります。

家庭裁判所において、他のご親族の同意書は、必須ではありません。

しかしながら、他のご親族の皆様の同意書があると、手続が非常にスムーズになります。

<被害者の財産状況>
不動産、預金、有価証券、保険など、財産状況は詳細に把握する必要があります。

特に、被害者の名義の通帳を過去数年分確保して、財産や収入の状況について、把握漏れがないか確認する必要があります。

4.財産管理・家庭裁判所への報告

成年後見人に就任後、家庭裁判所に対しては、約1年ごとの定期的な財産管理状況の報告が必要となります。

家庭裁判所は、成年後見人の財産と、被害者(成年被後見人)の財産を混同することなく管理しているかという視点で成年後見人の報告を受けるため、混同のない財産管理が必要です。

特に、交通事故により、多額の賠償金を受領したケースでは、家庭裁判所から信託を勧められます。

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