フランチャイズにおける宣伝広告活動

いつまで家に住み続けられるのか

<フランチャイズ契約における宣伝広告活動の意義>
フランチャイズシステムにおける加盟店は、本部とは独立した1つの経営主体である以上、営業のための宣伝広告活動をすることは不可欠です。もっとも、フランチャイズ契約に、宣伝広告活動の方法、その費用をどうするか等、宣伝広告活動に関する様々な決まり事が定められることも多くあります。
これは、フランチャイズシステムにおける品質や価格に対する一定の水準を確保して、フランチャイズ全体に対する信用を保持する必要がありますし、加盟店経営者は経営に不慣れな方もいるため、市場調査力や商品開発能力を有する本部が宣伝広告活動について一定の指針を示す必要もあるからです。
宣伝広告活動に対する決まりというと、自由な宣伝広告活動が制限されるという側面があることは否めませんが、それだけではなく、上述したように、経営に不慣れな加盟店経営者の立場からすると、本部から適切な宣伝広告活動に関する指導を受ける権利があるという側面も持ち合わせています。後者の側面からすると、本部は、加盟店に対して、適切な宣伝広告活動に対する指導、援助義務を有していることになります。したがって、本部が適切な宣伝広告活動に関する指導、援助を怠った場合には、本部の債務不履行があるとして損害賠償請求が可能になる場合もあります。

<宣伝広告活動に関する契約条項>
一般的に、フランチャイズチェーン全体での宣伝広告活動は本部が行います。例えば、テレビCM、全国紙の折込広告やHPの作成、運営、個々の加盟店の店舗におけるポスター掲示、新商品の販売、全国的な割引セール等が挙げられます。これらの宣伝広告活動は、フランチャイズ全体で一斉に行うことによってより効果があがります。そのため、これらの全国規模での宣伝広告活動を行う際には、この宣伝広告活動に加盟店の協力義務を定める条項が規定されていることがあります(本部が準備する広告を店舗に掲示する、対象商品の値引きをする等)。場合によっては、宣伝広告活動費の負担を徴収する条項が規定されていることもあります。
また、個々の店舗が独自に行う宣伝広告活動については、事前に本部の了承を得た上で、加盟店の自己負担で宣伝広告活動をすることを許可する旨の条項が規定されていることもあります。