弁護士特約は家族も利用できる?利用できないケースと使い方

執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

「弁護士特約は家族でも利用することができるのか」
「家族が弁護士特約を利用するにはどうしたらいいのか」

交通事故に遭った方の中には、弁護士に依頼したいけれども弁護士費用がどれくらい掛かるのか心配、という方もいるのではないでしょうか。

そんなときは、弁護士特約が使えるかどうか確認してみましょう。

弁護士特約は、事故の当事者本人ではなく、一定の範囲の家族の保険についているものでも利用できるようになっていることが多いです。

もっとも、事故の態様などによっては、特約の範囲に属する家族であっても利用できない場合もあります。

本記事では、弁護士特約を家族が使えるケースとそうでないケースについてご紹介します。

1.弁護士特約は家族でも使えるのか

結論からいいますと、弁護士特約は一定の範囲の家族でも利用することができます。

弁護士特約は弁護士に支払う費用を保険会社が肩代わりしてくれるもので、相談料は10万円、弁護士費用は300万円までを保険会社が負担することとなっている場合が多いです。

この弁護士特約は、契約者だけでなく、一般的には以下の範囲の家族にも適用されます。

弁護士特約が適用される家族の範囲

  • 契約者の配偶者
  • 契約者の同居の家族(6親等内の血族・3親等内の婚族)
  • 契約者の別居している未婚の子

そのため、交通事故の時点で事故の被害者が契約している自動車保険に弁護士特約を付けていなかったとしても、家族の保険に弁護士費用特約が付いていれば利用できる場合があります。

弁護士特約を使っても保険等級が下がることはなく、それは家族の事故に利用する場合でも変わりません。

なお、保険会社によって弁護士特約を使用できる範囲は異なることがあるため、利用の際には保険会社に事前に確認しておきましょう。

2.家族でも弁護士特約を使えないケース

弁護士特約に定められた範囲に属する家族であっても、弁護士特約を使えないケースがいくつかあります。

たとえば、以下のようなケースに該当する場合は、弁護士特約を使えないことが多いです。

家族であっても弁護士特約を使えない主なケース

  • 故意または極めて重大な過失が認められる事故
  • 事業用車両での事故
  • 無免許運転、酒気帯び運転、薬物使用中の事故
  • 地震、台風、津波など自然災害による事故
  • 闘争行為、自殺行為、犯罪行為による事故
  • 相手方が同居の親族や配偶者の事故

また、弁護士特約は、保険の内容によって、補償される事故の範囲が変わることもあります。

具体的には、自動車事故型と日常生活・自動車事故型に分かれており、前者は自動車事故のみにしか使えず、自転車事故等に使う場合には後者の契約となっている必要があります。

3.弁護士特約の使い方

弁護士特約は、以下の流れで利用することができます。

弁護士特約を利用する流れ

  1. 保険会社に確認する
  2. 依頼先の弁護士を探す
  3. 弁護士に相談・契約する

順にご紹介します。

また、弁護士特約を利用して弁護士に相談すべきタイミングについては、以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

2024.08.01

弁護士特約を使うタイミングは?弁護士特約の使い方と主な注意点

(1)保険会社に確認する

まずは契約者本人から保険会社に確認しましょう。

弁護士特約の有無は保険証券に記載されています。

ただし、事故の態様等により、利用ができないこともあります。

弁護士特約の利用に関するトラブルを防止するために、保険会社に契約内容や弁護士特約を利用できる状態なのか確認することが大切です。

保険会社からは契約者本人の情報や事故の発生場所、発生日時、事故当事者との関係性などを確認されます。

弁護士特約の利用ができることがわかったら、弁護士特約を利用する旨を伝えましょう。

(2)依頼先の弁護士を探す

保険会社に弁護士特約を利用する旨を伝えたら、次は依頼先となる弁護士を探しましょう。

弁護士を選ぶ際は、交通事故の案件に強い弁護士をおすすめします。

保険会社から弁護士の紹介を受けることもできますが、そのような弁護士は普段加害者側の代理人をしていることも多く、示談の際に相手方保険会社と妥協するラインが低くなる懸念がなくはありません。

弁護士がホームページを開設している場合には、そこをチェックすると解決実績等を確認でき、交通事故に精通している弁護士かどうか把握することができることもあります。

なお、交通事故の法律相談については、相談料を無料としている法律事務所も多いです。

ホームページなどを確認しながら相談先を検討してみましょう。

(3)弁護士に相談・契約する

相談先が決まったら弁護士に相談しましょう。

通常は、その後の流れや、ある程度の賠償額の見通しの説明を受けることができます。

弁護士から説明された内容に納得した場合は、契約に進み、交通事故の対応を依頼しましょう。

契約の際に、弁護士特約を利用する旨を伝えると、スムーズに手続をすることができます。

弁護士への相談は事務所に訪問して行うことが多いですが、電話での相談・郵送による契約が可能となっている法律事務所もあります。

4.交通事故の相談は弁護士法人みずきへ

関東圏で加害者側との示談交渉等を弁護士に依頼したいと考えている方は、ぜひ弁護士法人みずきにご相談ください。

当事務所は弁護士特約に対応しており、無料相談を実施しています。

交通事故に強い弁護士が被害者の方を徹底的にサポートし、将来的に辛い思いをすることが少しでもなくなるよう誠心誠意対応させていただきます。

平日の夜間や週末でも相談可能でスケジュールの調整がしやすく、駅近くに事務所を構えているため、来所しやすいのが特長です。

電話相談や出張相談、オンライン相談など、遠方の方や外出が難しい方でも安心して利用いただける環境も整備しています。

交通事故の場合は被害者側のみ対応しており、被害者側の賠償問題に注力する法律事務所です。

事故の対応にお悩みの方は、まずはお気軽にご連絡ください。

まとめ

弁護士特約は、契約者の家族でも利用することができます。

ただし、全ての家族が利用できるわけではなく、特定の事故のケースでは弁護士特約の対象外になる場合もあるので注意が必要です。

交通事故に遭い、弁護士特約を利用して事故の対応を弁護士に依頼したい方は、まず保険会社に連絡して弁護士特約を利用できるか確認した後、利用する旨を伝えましょう。

弁護士法人みずきでは、交通事故に関する悩みを無料で相談でき、弁護士特約にも対応しているので、事故の対応でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。