クレジットカードで多重債務になるリスクとは?弁護士が対処方法をご紹介
「クレジットカードの返済が苦しい」
「多重債務に陥ってしまった」
クレジットカードの返済が追い付かず、多重債務でお困りの方もいるかと思います。
この記事では、クレジットカードに潜んでいる多重債務のリスクや対処方法についてご説明しています。
返済にお悩みの方やクレジットカードの利用頻度が高い方のご参考になれば幸いです。
1.クレジットカード利用から多重債務に陥るリスク
クレジットカードは、買い物をした際に現金をその場で支払わなくても良く便利であるため、日常的に利用している方も多いと思います。
しかし、使い方を間違えると、多重債務に陥るケースも少なくありません。
クレジットカードのショッピング利用は借金と同様の意味を持つため、手軽だからと言って無計画に利用するべきではありません。
利用した分には当然利息が課されますし、仮に引き落としができなかった場合にはより高利の遅延損害金が発生します。
カードの利用額が高額になれば返済のめどが立たず、生活に大きな影響を与えてしまうでしょう。
そうして返済ができなくなっていけば、クレジットカードの返済をするためにお金を借り、さらに借金が増え多重債務に陥るリスクが潜んでいます。
2.多重債務のまま放置するとどうなるのか
多重債務のまま放置してしまうと、返済を滞納するリスクが高く、最終的に法的措置に移行する可能性があります。
では、どの段階でどのようなリスクが発生するのかご説明します。
(1)遅延損害金が発生する
定められた支払期限に返済できず過ぎてしまった債務には、遅延損害金と呼ばれる損害賠償金が発生します。
遅延損害金は利息とは異なり、支払いが遅れたことに対する制裁という意味があります。
多くの場合14.6%に定められており、通常の利息よりも高い利率が設定されているため、最終的な返済総額が高額になるリスクがあることに注意が必要です。
(2)債権者から督促を受ける
返済が滞ってしまえば、債権者から早く返済するよう督促や取立てを受けます。
督促の形式は、郵便や電話などさまざまです。
督促に応じないままでいれば、債権者から一括請求を受ける可能性があります。
一括請求は(4)でより詳しく説明しています。
(3)信用情報機関に事故情報が登録される
信用情報とは、債務の支払延滞や債務整理といった金融事故や借入履歴などの情報を指し、これらの情報を管理しているところが信用情報機関です。
多重債務のまま返済をせずにいれば、信用情報機関に「延滞」の情報が登録されます。
登録されると新たにクレジットカードを作れなくなったりお金を借りられなくなったりするほか、今契約しているクレジットカードの利用を停止させられるリスクが生じます。
この時点で金融機関や貸金業者から新たな借入れができなくなるため、借金の返済のために新たな借入れを行うというサイクルにも限界が訪れてしまいます。
(4)一括請求を受ける
返済しないまま放置していると、残債務を一括で返済するように請求を受けます。
支払期限が定められている場合、債務者にはその支払期限が到来するまでは返済をしなくてもよいとする「期限の利益」があります。
しかし、支払期限を過ぎると債務者は期限の利益を失い、債権者からいつでも返済を求められることになります。
よって、債権者から一括で返済するように請求を受けるのです。
(5)法的手続に移行する
一括返済の請求に対して応じないままでいれば、支払督促や訴訟などの法的手続に移行します。
特に支払督促は訴訟と比べると簡便な手続であることから、債権者が利用する場合が多いです。
債権者が裁判所に対して支払督促の申立てを行うことによって手続が開始し、裁判所は債務者に対して支払督促の送達を行います。
裁判所から支払督促が届いたとき、債務者が2週間以内に異議申立てを行わなければ、支払督促に仮執行宣言が宣言され、強制執行の手続が可能となります。
これに基づいて、債権者が強制執行を申し立てると、債務者の財産が差し押さえられて財産を失うリスクが高まってしまいます。
そのため、裁判所から書類が送達された場合には、すぐに弁護士に相談するのがおすすめです。
3.クレジットカード利用を原因とする多重債務状態を回避するポイント
クレジットカードは手軽に利用できる一方で、多重債務に陥るリスクも潜んでいます。
利用の仕方を見直し、多重債務に陥らないようにしましょう。
具体的には、以下のポイントに注意しましょう。
- リボ払いをしない
- キャッシング機能の利用に注意する
- クレジットカードは必要な枚数だけ作成する
順にご説明します。
(1)リボ払いをしない
リボ払いとは、月々の返済額を一定にする支払方法です。
クレジットカード会社によって異なりますが、リボ払いを利用するためには15〜18%の手数料がかかります。
リボ払いにすることで、もともと利用した金額に対して手数料が大きく膨らみ返済が長期化し、なかなか払い終わらないという状況に陥ってしまうのです。
一度リボ払いに設定すると、支払方法を変更できませんので、残高の一括返済や繰り上げ返済を行い、短期間で返済を終えるようにしましょう。
(2)キャッシング機能の利用に注意する
クレジットカードにキャッシング機能がついていれば、審査を受けることなくお金を借りることができます。
金利が年15〜18%と金利が高めであるため、借り入れた金額に対して支払総額が大きくなる点がデメリットとして挙げられます。
コンビニや金融機関のATMなどで手軽に借りられる反面、返済総額が大きくなりやすいため、リスクを理解しておくことが重要です。
(3)クレジットカードは必要な枚数だけ作成する
クレジットカードを複数枚所有していると、どのカードでいくら使ったのか把握しづらくなります。
利用金額を正確に把握するために、クレジットカードは必要な枚数だけ作成するようにしましょう。
すでに複数所有している場合は、解約し枚数を減らすことも一つの方法です。
4.多重債務に陥った時の対処方法
多重債務に陥った時は、速やかに返済することが重要ですが、債務が高額となり返済が難しいケースもあるでしょう。
ここでは、主な対処方法について2つご説明します。
- 繰り上げ返済をする
- 債務整理をする
(1)繰り上げ返済をする
カードローンを利用した場合、毎月決まった日に決まった金額を返済します。
繰り上げ返済とは返済日に関係なく返済する方法であり、支払った金額は全額が元金の返済に充てられます。
よって、利息を減らすことができ、その分返済総額を減らすことができるのです。
また、リボ払いを利用している場合も同様です。
リボ払いは利用残高に比例して手数料が上がる仕組みです。
利用残高が高ければその分手数料も上がり、返済総額も増額してしまいます。
そこで、繰り上げ返済をすることで元金である利用残高を減らすことができ、短期間での返済に繋がるのです。
もっとも、繰り上げ返済が困難である場合には、後述するように弁護士に相談することが何よりも大切です。
(2)債務整理をする
多重債務に陥り返済が苦しい場合は、弁護士に相談して債務整理を検討しましょう。
債務整理は、借金の返済をしやすくしたり、場合によっては借金の支払義務の免除を受けることができる手続で、任意整理・個人再生・自己破産のいずれかの方法によって行うことができます。
任意整理は、債権者に任意に交渉することで、将来の利息をカットしたり返済期限の延長などの対応をしてもらう方法です。
個人再生は裁判所を通して行う手続であり、債務の総額が5000万円以内の場合に利用できます。
債務の総額に応じて最大10分の1まで減額可能であり、3~5年かけて返済していきます。
自己破産も裁判所を通じて行う手続ですが、最終的に借金の返済が免除されるため、多重債務の場合に有効な方法です。
債務整理は借金の負担を軽くできる一方で、デメリットもあります。
債務額や収入によって適切な債務整理の方法は異なりますので、弁護士に相談しながら慎重に検討しましょう。
また、債務整理の概要や流れについては、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
まとめ
多重債務に陥った時は、まずは弁護士に相談しましょう。
弁護士法人みずきでは、債務に関する相談を数多く承ってきました。
経験豊富な弁護士が親身にお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
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