追突事故の示談金の相場はいくら?請求の際の注意点もご説明
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「追突事故に遭ってしまい、車が損害を受けた」
「相手方から示談金を提示されたが、相場よりも安いのか高いのか知りたい」
追突事故の示談金について、このようなお悩みはありませんか?
追突事故の示談金の相場は物損事故のみであるのか、人身事故であるのかによって異なります。
この記事では、示談金ではどのような費用を請求できるのか、また、追突事故特有の注意点についてご説明します。
1.追突事故で受け取れる示談金とその相場
加害者側から示談金の提示があったものの、その金額が妥当なのかどうか、相場がわからず困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
車が破損した場合と、怪我をした場合に分けてそれぞれの相場についてご説明します。
(1)車が破損した場合
車両修理費については、被害車両が修理可能か否かで損害の内容が異なります。
#1:修理が可能な場合
修理が可能な場合は必要かつ相当な修理の実費が損害として認められます。
ただし、修理費が、車両時価額に想定買替の諸費用を加えた金額を超える場合には、車両時価額の範囲内でしか賠償は認められません。
修理費と時価額のどちらか低い方が損害賠償額の上限となります。
例えば、時価額が100万円の車に対し、修理費用が120万円かかったとしても、100万円までしか認められません。
車が破損した場合は、以下の費用を請求することができます。
・車の修理費、買い替え費(修理費と時価額のどちらか低い方)
・評価損(一般的な傾向としては修理費用の10~30%程度とされることが多い)
被害車両の修理が可能であり修理をした場合、機能や外観に欠陥を生じ、あるいは事故歴・修理歴により商品価値の下落が見込まれる場合に、その価格の下落分が損害(評価損)として認められています。
・代車費用
事故により車両の修理又は買替のために代車を使用する必要性があり、レンタカー使用等により実際に代車を利用した場合、相当な修理期間又は買替期間について、相当額の代車使用料が損害として認められます。
・その他の損害:レッカー代
レッカー代については、事故処理に伴う費用として、相当な範囲で損害と認められます。
物的損害についての慰謝料は、原則認められません。
#2: 修理が不可能な場合
修理が不可能な場合としては、
①損傷が激しく物理的に修理が不可能な場合(物理的全損)
②修理見積額が車両の時価額を超え、経済的に修理が不可能な場合(経済的全損)
があります。
修理が不可能な場合は、被害車両の時価額が損害として認められることになります。
(2)怪我をした場合
人身事故では、主に以下のような損害項目について請求することができます。
#1:治療関係費
治療関係費は、相手方の保険会社が病院に直接支払う形をとるのが一般的です(一括対応)。
また、保険会社から治療費を打ち切ると言われることがありますが、これは保険会社が一括対応による治療費の支払いを中断するという意味であり、治療費を一切支払わないということではありません。
しかし、治療費打ち切り以降も治療を受けたい場合は、被害者側で一旦治療費を立て替え、あとから保険会社に請求する必要があります。
#2:傷害慰謝料(入通院慰謝料)
入院もしくは通院した時は、その日数に応じて慰謝料を算出します。
自賠責基準では、「4300円×治療期間の総日数又は実治療日数の2倍のいずれか少ない方」で求めます。
弁護士基準では、以下の表を用いて算出します。
#3: 後遺障害慰謝料
一定期間治療後も完治せず後遺症として残ってしまった場合に請求できる慰謝料です。
怪我の内容や程度によって1級から14級までの等級に分かれており、自賠責基準と弁護士基準では等級ごとに慰謝料の金額が定められています。
それぞれの基準の慰謝料の相場は以下のとおりです。
#4:休業損害
事故が原因で負った怪我の治療のためにやむを得ず仕事を休んだことによって、収入が減ってしまった場合に請求できます。
自賠責基準では、原則「1日当たり6100円×休業日数」で算出します。
例外的に、5700円以上の収入があることが立証された場合、1日につき1万9000円を上限に請求が可能です。
弁護士基準では、「一日当たりの基礎収入×休業日数」で求めますが、一日当たりの基礎収入の求め方は、給与所得者・自営業者・家事従事者によって計算方法が異なります。
①給与所得者
給与所得者は、以下のいずれかの式によって求めます。
・交通事故前3か月の給与合計額 ÷ 90日 × 休業期間(土日祝を含みます。)
・交通事故前3か月の給与合計額 ÷ 稼働日数 × 休業日数」となります。
弁護士基準では、休業期間に土日祝日を含むため、平日のみを含んだ場合と比べて金額が増額します。
多くの示談金を受け取りたい場合は、弁護士基準で請求するようにしましょう。
②自営業者
フリーランスや経営者などの自営業者は「交通事故前年の所得額÷365日×休業日数」の式で休業損害の額を算出します。
給与所得者と異なるところは、交通事故に遭った前年の所得額をもとに1日あたりの基礎収入を求める点です。
もし年によって所得額にばらつきがある場合は、数年分の平均額を基準にすることもあります。
③家事従事者
家事従事者も、休業損害を請求することができます。
専業主婦の場合は「事故が発生した前年の賃金センサス女性全年齢平均年収額÷365日」で求めます。
一方、兼業主婦は給料が発生しているため、給料の1日当たりの金額と「事故が発生した前年の賃金センサス女性全年齢平均年収額÷365日」のどちらか金額の多い方を基礎収入額として計算します。
2.追突事故の注意点とは
追突事故に遭い示談金を請求する場合。注意するべき点があります。
では、見落としやすい2点についてご説明します。
(1)保険会社は示談交渉ができない
過失割合が10対0の追突事故の被害者になった場合、保険会社は被害者の代わりに示談交渉を代理してくれません。
追突事故は、後方車両が前方車両と十分に車間距離を空けて走行することを怠ったことが原因であると考えられており、加害者に10割の過失が認められるケースが多いからです。
被害者側にも過失がある場合は、被害者側の保険会社も示談金を支払う必要がありますので、示談交渉する権利があります。
しかし、追突事故のように被害者に過失がない場合は、被害者が加入する保険会社は示談金を支払う必要がありませんので、示談交渉ができないのです。
(2)怪我がない時は慰謝料を請求できない
物損事故のみの場合は、慰謝料を請求できません。
慰謝料とは、交通事故が原因で怪我を負ったことによる精神的苦痛に対して支払われるもので、損害項目の中の一つです。
よって、例え交通事故に遭ったとしても、怪我がなければ慰謝料を請求することができません。
ただし、自分自身で怪我がないと判断することは危険ですので、事故に遭った際は痛みや外傷がなくても速やかに病院を受診しましょう。
3.適切な金額の示談金を受け取るためには
加害者側からの示談金の提示が予想よりも低額だったケースは数多くあります。
しかし、提示された金額に納得がいかない場合は応じる必要はありません。
適切な金額を受け取るためのポイントを二つ挙げますので、参考にしていただけると幸いです。
(1)弁護士に相談する
加害者側の保険会社は少しでも支払う金額を抑えようと、相場よりも低い金額を提示するケースがあります。
しかし、法律や交通事故に詳しくない限り被害者自身で交渉することは負担が大きく、低額の示談金のまま示談を進められる方も少なくありません。
弁護士に相談することで、示談交渉を行ってくれますので、被害者の負担を最小限に抑えることができるのです。
また、弁護士に依頼することで、慰謝料の金額がより高額になることを期待できる弁護士基準で請求できます。
適切な金額を受け取りたい場合は、交通事故問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
(2)怪我をしたら病院を受診する
交通事故によって怪我を負ったら、すみやかに病院を受診しましょう。
受傷後期間が空いてしまうと、怪我と事故の因果関係が認められなくなってしまいます。
さらに、怪我が治らず後遺症として残ってしまった場合は後遺障害慰謝料を請求できますが、これには医師の診断が必要です。
接骨院や整骨院に通いたい場合も、医師に相談してから通うようにしましょう。
まとめ
追突事故の場合、被害者に過失がなければ保険会社は代わりに示談交渉をすることができません。
しかし、被害者自身で保険会社を相手に示談交渉することは負担のかかることです。
弁護士法人みずきは、これまで数多くの交通事故問題を解決してきました。
交通事故問題に精通した弁護士が在籍しておりますので、追突事故の示談金についてお悩みがある方は一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。
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