B型肝炎給付金は自分で請求できるのか?自分で請求するメリット・デメリット
「B型肝炎給付金は自分で請求できるのか」
「B型肝炎給付金を自分で請求するデメリットは何なのか」
B型肝炎給付金の対象者の中には、自分で請求できないか考えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、B型肝炎給付金を自分で請求するメリット・デメリットや請求の流れについてご紹介します。
1.B型肝炎給付金は自分で請求できるのか
結論から述べると、B型肝炎給付金は自分で請求することが可能です。
B型肝炎給付金は、訴訟を提起した上でいくつかの要件を満たした場合に、給付を受けることができます。
ただし、訴訟の提起には専門的な知識が必要なので、ハードルは高めです。
自分で請求することにはメリットとデメリットがあるので、両者を比較した上でどのようにすすめるか検討しましょう。
なお、以下の記事でB型肝炎給付金の対象要件について解説しているので、ご自身が申請できる対象者かどうか確認したい場合は、あわせてご確認ください。
2.B型肝炎給付金を自分で請求するメリット・デメリット
B型肝炎給付金を自分で請求するメリットとデメリットをご紹介します。
弁護士に依頼するのが一般的ですが、当事者自身で請求することができないわけではありません。
自分で請求する場合のメリットとデメリットを比較した上で、弁護士に依頼するか自分で手続を行うか決めましょう。
(1)メリット
B型肝炎給付金を自分で請求する最大のメリットは、弁護士費用がかからないことです。
弁護士に訴訟手続を依頼する場合、着手金、報酬金、出廷日当といった弁護士費用がかかります。
報酬や日当は、一般的には支給された給付金から差し引く形がとられることが多いです。
また、着手金は契約時に支払うものですが、B型肝炎給付金請求の場合、無料としている弁護士事務所もあります。
とはいえ、自分で請求を行えば、給付金が全額自分の手元に残るのはメリットといえます。
(2)デメリット
B型肝炎給付金を自分で請求するデメリットは、専門的な手続を自分自身の力で行わなければならない点です。
B型肝炎給付金は訴訟を提起しなければ給付を受けることができません。
そもそも、訴訟提起の前に、自身がB型肝炎給付金の対象者かどうか見極めた上で、必要な書類を揃える必要があります。
提出が必須となっている書類も多く、取得までに時間がかかることもあるでしょう。
訴訟を提起したとしても裁判所を介して和解協議等をしなければならないので、給付を受けるに至るまでにいくつもの工程をこなすことになります。
裁判所の期日は平日に行われるものであるため、普段仕事をされている方の場合は、日常生活に負担がかかるものになることは想定しておきましょう。
3.B型肝炎給付金の請求の流れ
B型肝炎給付金の請求の流れについてご紹介します。
主な流れは以下のとおりです。
- 証拠資料の準備
- 国家賠償請求訴訟の提起
- 裁判所を介した和解協議
- 和解成立後に申請書の提出
自分で請求する方は、手続等の参考にしてみましょう。
(1)証拠資料の準備
B型肝炎給付金の訴訟を提起するには、まず証拠資料を準備しなければなりません。
そもそも給付金を受け取るためには、受給要件を満たしていることを証明する必要があります。
一次感染者(7歳になるまでに特定期間の集団予防接種の注射器の連続使用により、B型肝炎ウイルスに感染した方)、もしくは二次感染者(一次感染者から母子感染をした方)は、まずは以下の証拠資料を揃えましょう。
一次感染者 | ・B型肝炎ウイルスに持続感染していることを証明する資料 ・満7歳になるまでに集団予防接種等(昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までの間に限る)を受けていることを証明する資料 ・⺟⼦感染でないことを証明する資料 ・その他集団予防接種等以外の感染原因がないことを証明する資料 |
二次感染者 | ・原告の⺟親が⼀次感染者として認定されるための資料 ・原告本人がB型肝炎ウイルスに持続感染していることを証明する資料 ・⺟⼦感染であることを証明する資料 |
さらに具体的に必要な書類について知りたい方は、以下の記事にまとめているのでご参照ください。
(2)国家賠償請求訴訟の提起
必要な書類が揃ったら、国家賠償請求訴訟を提起します。
B型肝炎給付金の対象者でも訴訟を提起しなければ給付金を受給することはできません。
訴訟を提起するには、上記の証拠資料に加えて、訴状や証拠説明書なども作成する必要があります。
この準備には専門的な知識と労力が必要になりますので、もしこの段階で難しいかも、と感じた方は弁護士に依頼しましょう。
なお、訴訟提起には時効があります。
時効が完成してしまった場合でも救済措置がありますが、給付金の金額が大幅に減額されてしまいますので注意が必要です。
(3)裁判所を介した和解協議
訴訟提起後は、裁判所を介して和解協議を行います。
和解協議が成立しなければ、給付金を受給することはできません。
証拠資料をもとにした主張が必要となるため、予めその内容をまとめておかなければなりません。
また、B型肝炎給付金の支給が適切か判断するために、追加で書類の提出を求められることもあり、これにも対応する必要があります。
提出書類や主張内容に不備がないと認められ、和解調書を取り交わしたら和解成立です。
(4)和解成立後に申請書の提出
和解成立後、B型肝炎給付金の申請書を提出しましょう。
申請書は、社会保険診療報酬支払基金に提出します。
和解調書に以下の書類を合わせて手続を進めましょう。
- 支払基金に提出する書類
- 給付⾦等⽀給請求書
- 受給者証交付請求書
- 住⺠票等
提出書類が受理されたら、後日給付金が支給されることとなります。
まとめ
B型肝炎給付金は自分で請求することもできます。
ただし、訴訟を提起する必要があるため、専門的知識が必要ですし、和解成立に至るまでの負担は大きなものとなります。
そのため、手間をかけずにスムーズに給付金を請求したい方は弁護士に相談することをおすすめします。
給付金の受給要件を満たしていることが前提ですが、弁護士に相談することで、労力をかけずに受給に至れる点が魅力です。
弁護士法人みずきでは、B型肝炎給付金に関する相談を無料で受け付けていますので、1人で悩まずにお気軽にご連絡ください。
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